12年目の恋物語

真矢すみれ

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番外編2 料理修行

本編

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「お願いします!」

 四月、オレは自宅の台所で、小皿に味噌を溶いたばかりの味噌汁を入れて、おふくろにスッと差し出した。
 具は、ネギと豆腐とワカメ。

「味、濃すぎよ」

「え!? どこが!?」

 ただいま、絶賛、婿入りのための料理修行中。
 婿に行く先は、恋人ハルの家。
 隣の家なのだから、ハルの家で修行すれば良いのかもしれないけど、プロポーズに失敗した関係で、現在、「結婚」の二文字は禁句状態。けど、結婚を諦める気がないオレは、コッソリ、裏でできることを続けていた。
 プロポーズの根回しを、ハル抜きで行った結果、ハルに拒否られるという大失態の後だ。
 ちゃんとハルの気持ちを考えて行動する大切さは重々承知していたけど、ハルのために料理を覚えるくらい、別に大丈夫だよな?

 小皿に味噌汁を注ぎ、自分でももう一度味見する。
 うん。うまい。

「……こんなもんじゃない?」

 何かできることはないかと頭を悩ませた結果、専業主婦のおふくろに料理を習うことを思いついたのは、ハルにプロポーズを断られた一週間後。
 おふくろは笑いながら、

「まさか、婿に出す息子に料理を教えることになるとはね」

 と言い、包丁の握り方や出汁の取り方から叩き込んでくれた。
 調理実習くらいしかまともにやっていなかったせいで、何度もおふくろにバカにされつつ、それでもやっと褒めてもらえるようになってきたんだ。
 これだって、鰹出汁がよく効いててうまいよな?
 味にしても、そんなに濃いとは思えない。
 オレ的には、割とおふくろの味に近づいて来た気がするんだけど……。

「そんなに濃いかな?」

 おふくろは、うーんと少し考えた後、ポンとオレの肩を叩いた。

「叶太、あなた、一度、沙代さんに頼んで、陽菜ちゃんの食事を食べさせてもらって来なさいな」

「え? ハルの食事?」

「そう」

「けど、遊びに行ったら同じものを食べてるし、出かけたら外食だって普通にしてるし」

「そうよね。けど、きっと違うと思うわよ」

「……違うかなぁ? でも、まあ……おふくろがそう言うなら」

 とは言え、ただでさえ外出の少ないハル。
 一体、いつ行けば、ハルに内緒で食べさせてもらえる?
 表情から、オレが何を考えているのかを読み取り、おふくろが笑いながら言った。

「遊びに行った時、先に、今日は陽菜ちゃんと同じ味付けで出してくださいって頼めば良いじゃない」

「あ、そっか」

 そりゃそうだ。
 ハルと一緒に食べる時に、同じ物を出してもらえば良い。
 てか、今までだって同じ物を食べてたんだけど……。
 おふくろは、もう一度、味噌汁の味を確認した。

「うちなら、これで良いんだけどね。美味しいわよ、とっても」

 そう言うと、おふくろはオレの前にドンとほうれん草の束を置いた。

「さ、味付けの話は置いておいて、付け合わせの方に行きましょうか」


   ◇   ◇   ◇


「……あ!」

「どうしたの?」

 ハルが目の前の皿に向かっていた手を止め、不思議そうにオレを見た。
 慌てて笑顔を作る。

「や、今日も沙代さんの飯は美味いなって」

「うん。ホント、沙代さん、お料理上手だものね」

 ハルは、オレが他のことを考えているなんて思いもしないのか、優しくほほ笑んだ。
 土曜日の昼。ハルの通院に付き合い、そのままハルの家にお邪魔して、一緒にランチ。
 トイレに行くふりをして、コッソリ沙代さんにリクエストをした。おふくろに言われた通りに、今日はハルと同じ味付けにして欲しいって。
 そうして出されたのは、トマトとバジルと魚介のパスタ。
 付け合わせは、もやしとキュウリとツナのサラダ。
 いつものように、色鮮やかで盛りつけも美しい二皿。
 けど……どっちも味が薄い。
 魚介の旨味やトマトの酸味が効いていて、パスタソースは十分美味しい。
 サラダもシャキシャキしていて、素材のうまみが感じられる。
 けど、オレ的にはどうしても、もう一塩……と声を上げたくなる。

「いかがですか?」

 沙代さんが面白そうに聞いてくる。

「うまいよ」

 そう答えたのに、沙代さんはオレの感想を先に読んでいたのか、

「味が足りなければ、胡椒かお塩をお使いくださいね」

 笑いながらそう言った。
 よく見るとテーブルの真ん中に塩と胡椒が出されていた。



 食後、ハルが昼寝のためにベッドに入ると、ハルの頬や髪を撫でたりしてハルの感触を楽しみつつ、ハルが眠るのを少しだけ心待ちにした。そんな自分を後ろめたく感じつつも、ハルが寝息を立てはじめて五分後、そっとハルの部屋を出た。

「ねえ、沙代さん、ハルって、塩分制限ないよね?」

「ええ。ありません」

 キッチンで夕飯の下ごしらえ中の沙代さんを捕まえ、質問タイム。

「だよね」

 オレが知らない間にそんなのが始まってたら、正直かなりショックだ。

「でも、今はありませんがいつ来るか分からないので、家ではずっと薄味にしてます」

「……あ」

 確かに、進行性ではないけど、基本、良くなるよりかは徐々に悪くなっていく病気だから……。
 ハルの持病は、悪化すれば塩分制限はいつ来てもおかしくない心臓病。

「叶太さんの分は、お嬢さまより少し濃いめの味付けにしてます。運動をされる方はよく汗をかかれますし、薄味過ぎても身体に良くないので」

「え!? わざわざ!?」

「奥さまと旦那さまの分も叶太さんと同じように、濃いめの味で出してますよ」

「ハルの分だけ薄味にしてるの?」

「ええ」

 当然ですとも、とでも言わんばかりの沙代さん。

「そっか」

「でも、一体どうしたんですか?」

 沙代さんは不思議そうに聞く。
 確かに、今まで何度となく沙代さんの手料理を食べてきたけど、一度だってこんな事を言い出したことはない。
 外ではハルが食べきれなかったものを代わりに食べる事が多いけど、家では沙代さんが気持ち少なめに用意するからか、ハルはほぼ出されたものを全部食べる。
 だから、気付かなかった。

「……そっか」

 それも、沙代さんの気遣いだ。
 いつもいつも食べきれずに残してばかりじゃ、ハルだってイヤだろうし、ムリして食べたって良いことはない。ハルの場合、頑張って詰め込んでも胃の調子を崩すだけだから。
 だったら、体調を見ながら少なめに用意して、足りなければおかわりをした方がハルだって嬉しいに決まってる。
 高校生になった今はともかく、子どもの頃なら尚のことだ。

「どうしました?」

 沙代さんが、またしても不思議そうにオレを見る。

「……や、沙代さんには敵わないな~と思って」

「まあ……プロですから、一応」

 何も伝えていないけど、オレが何を感じたかは察したらしい。
 沙代さんは、少しだけ得意げに笑った。
 だけど、この気遣い、プロだからってだけじゃないよな。
 ハルへの愛情……だよな、やっぱ。

「食って、奥が深いよね」

「ええ、深いですね」

「……うん。オレも頑張ろう」

 オレがそうつぶやくと、オレが料理修行中なのを知らない沙代さんは、不思議そうに首を傾げた。


   ◇   ◇   ◇


 ほぼ毎日、朝飯も夕飯作りも手伝いながら料理修行をしたオレの料理の腕が上がるのに、時間はかからなかった。
 オレが覚えたかったのは、ハルのための料理。だから、家庭料理が中心。
 合わせて、減塩食だったり、病人食だったりを勉強した。
 最初の内は、おふくろに教わって作っていたけど、いつしか、自分でレシピを探してきて、一人でも作るようになっていた。



 五月の終わりの遠足で、初めて、ハルに料理の腕前を披露。
 浮かれて、つい「花婿修行」なんて言ってしまって、クラスの連中に大笑いされた。
 その後、男の料理の大流行に合わせて、堂々と弁当を持参するようになった。

「ハル~、今日も弁当作って来ちゃった。味見して~」

 大きな弁当箱にたっぷりのおかず。
 もちろん、しっかり出汁を効かせて、薄味基調の上品な味付けだ。

「叶太くん、腕上がったよね。だし巻き卵、美味しそう~」

 志穂がオレの弁当箱を覗き込んで、ほうっと息を吐く。
 今日のだし巻きには、小口切りにした浅葱が入っていて、彩りも上々だ。

「ホント、すごいよね。どんどん上手になるんだもん」

 ハルの賞賛に気をよくして、オレはハル用の取り皿にせっせとおかずを取り分ける。
 小食のハルが、自分の弁当を食べた上でオレの手料理を食べられる訳もない。
 だから当然のように、ハルがオレの弁当を食べた分だけ、オレがハルの弁当からおかずを頂戴する。
 沙代さん、ごめんね、ハルのための弁当、オレが食っちゃって。でも、沙代さんの味付けすっごい勉強になるし、許して!
 志穂が斎藤の弁当箱を覗いて、声を上げた。

「あれ? もしかして、斎藤くんも自分で作ってきた?」

「あ、うん。そう。よく分かるね」

 言われて斎藤の弁当箱を覗くと、確かにいつもと違う雰囲気の中身。

「なんか、ちょっと洋風?」

「オレ、和食は苦手だから」

「てか、……私、和食とか洋食とか以前に、料理そのものが苦手なんですけど」

 ため息交じりの志穂の声に、プッと吹き出すと、

「叶太くんの大事な陽菜だって、お料理は得意じゃないよね~?」

 と、ハルに振る。

「え? ……う、うん。女の子として、ちょっと恥ずかしいかな」

 わたしも勉強しなきゃいけないかな、とオレと斎藤の弁当に視線をやって、ハルが真顔でつぶやいた。

「え!? ハル! オレ、そんなつもりで料理習ったんじゃないから!!」

 慌てるオレを見て、志穂は吹き出した。
 違うだろ、そこ、吹き出すとこじゃないから!
 志穂、お前、ハルの負担を増やすようなこと、言うなよな。
 何て言うか悩んでいる間に、志穂はぽんぽんとハルの肩を笑って叩いた。

「陽菜、いいのいいの。今時は男の料理だって」

 そうして、志穂はクラスをぐるりと見渡した。
 クラスの半数の男子が自作の弁当を持ってきて、女子に披露していた。
 新たなカップルがけっこう誕生しているという噂だ。

「斎藤くんまで自作のお弁当ってのは、ちょっと意外だったけど」

 確かに、女にもてる事には何の興味もない斎藤がこのブームに乗ってってのは意外だけど、多分ブームは何の関係もないんだろう。

「すごいよね。前から、お料理できたんだよね?」

 遠足の日、班で料理ができたのはオレと斎藤の二人。
 ハルの言葉に斎藤は優しく笑った。

「うち、母親がいないからね」

「え? そうだったんだ」

 ハルが小さく息をのんで、そう言った。
 オレも初耳。

「……あ、で、おばあさんが?」

「そうそう」

 以前、斎藤の家に遊びに行った時に対応してくれたのは、優しそうなおばあさんだった。

「ばあちゃん、日本人には和食が一番って言って、基本は和食なんだよね。で、洋食食べたいなら自分で作れって言うから、何となく覚えた」

 こともなげに、斎藤が言う。
 その覚えたっての、一体、何歳の時?
 遠足の時の手際の良さからして、結構、前だよな?
 弁当の料理だって、実のところ、うまそうだ。
 けど、母親がいないと聞くと、離婚なのか亡くなってるのかとか、それがいつだったのかとか、そんなところに繋がりそうで聞くに聞けなかった。

「だから、大して腕は良くないよ。ハンバーグとかカレーライスとか、後、肉炒めたりとか、それくらいかな」

「いやいや、そんなことないでしょ~。だって、豚汁、作ってたじゃん」

 志穂の言葉に思わず突っ込む。

「豚汁くらい作れるだろ。出汁いらないし」

「え~。花婿修行中の叶太くんには聞いてないし~。婿は、フランス料理でも中華料理でも頑張って覚えてきな」

 志穂はぶすっと言うと、オレの弁当箱に入ったアスパラの豚肉巻きに箸を突き刺した。

「お前、それはさすがに行儀悪いぞ」

「いただきま~す」

 オレの言葉を無視して、アスパラを口に入れる志穂。
 オレたちのやり取りを見て、ハルがクスクスと笑う。

「あ、美味しい」

 志穂が驚いたようにオレを見て、真顔で言った。
 だろ? 自分でも上手くできたと思うんだよね。
 けど、それ、ハルのために作ったやつだからね。
 というオレの思考に気付いたのかどうか、志穂がハルの前に置かれた取り皿の上のアスパラ肉巻きを指さして、ハルに勧めた。

「陽菜も食べてみなよ。ホント、美味しいよ」

「うん」

 勧められるままに、アスパラの肉巻きに箸を伸ばすハルの方をじーっと見つめていると、志穂がクスクス笑って肩をすくめた。

「旦那さんの顔色うかがう新妻みたい」

 斎藤がプッと吹き出し、ハルがアスパラの肉巻きを持ったまま動作を止めて、何とも言えない顔をした。


   ◇   ◇   ◇


「ハール、雑炊、作ってきたよ」

 結婚式の翌朝。
 前日のコップ一杯のワインのせいか、結婚式で疲れたせいか今ひとつ調子の良くないハルは、起きられずにベッドの住人だった。
 オレが作ったのは、鶏のササミと梅干し入りのサッパリした雑炊。
 あっさりした昆布出汁。浅葱の緑で、色合いも美しく仕上がっている。

「……ん。ありがとう」

 少しなら食べられそうって言うから用意したけど、どうだろう?
 大きめの土鍋から取り分けて、オレも同じ物を食べる予定。

「少なめにつけるから、食べられそうだったら、おかわりしてね」

「ん」

 お椀にハルの分をよそって渡す……前に、手を止めた。
 オレからお椀を受け取ろうとしていたハルが、不思議そうに小首を傾げた。

「ねえ、ハル、食べさせてあげようか?」

 お椀を手元に戻して、木製のスプーンで雑炊をすくう。

「え? いいよ。自分で食べるよ」

 ハルは予想通り遠慮する。
 けど、一回やってみたかったんだ。
 ふうっと、スプーンの上の雑炊に息を吹きかけ、冷ます。
 それから……はい、あーん、と言いたいところだけど、さすがにそれは嫌がるだろうと、ただ笑顔で差し出した。

「はい」

 ハルが何故か虚を突かれたように動作を止め、それからオレの方を見た。
 オレは何もなかったように、「どうした?」なんて、とぼけてみる。
 数秒後、普段なら、照れて絶対に口を開けないハルが小さな口を開けたので、オレは驚きつつもいそいそとハルの口に雑炊を運んだ。

「……ありがとう。美味しい」

 何故か、ハルの目には涙が浮かんでた。

「熱かった!? 大丈夫?」

「……ううん。ちょうど良かった、よ」

 そう言いながらも、ぽろりとハルの目からは涙がこぼれ落ちる。

「ハル!?」

 オレは慌てて、用意してあったおしぼりでハルの涙を拭う。

「……ご、めん。なんでもないの」

「何でもなく、ないよね?」

 オレとハルの間で遠慮は禁物。
 隠し事も禁止だ。

「あの、……違うの。ただ……」

 オレは急かさないように、意識してゆっくり言葉を返す。

「うん」

「……ただ、ね。……幸せ、……だな、って」

 ハルが目を潤ませたまま、照れたように優しくほほ笑みそうささやく。
 そして、にこっととろけそうな笑顔を見せてくれたハルの目から、再び涙がこぼれ落ちた。
 え、それ、まさか……うれし涙!?
 そんなハルを見て、オレが冷静でいられる訳もなく、

「ハルっ!!」

 速攻、お椀をサイドテーブルに置いて、ハルを抱きしめたとしても仕方ないと思う。
 勢いが良すぎて、お椀から雑炊がこぼれたとしても、……仕方ないよな?

「カナ……いつも、本当に、ありがとうね」

「や、ハル、それ、オレの台詞だから!」

 本当にそう。
 結婚したいってのも、一緒に暮したいってのも、言ってしまえば、全部、オレのわがままだった。ハルは全部、オレの望みを叶えてくれた。
 ハルを抱きしめ、ハルの髪に手をやり、ハルの頬をなでる。
 ハルの額に口づけ、頬を寄せ、そっとキスをし、……そのままハルの唇に……。

「カ、……カナ!?」

 ハルが慌てたように、オレの身体を押し返して来た。

「……あ、ごめん」

 つい、我を忘れて。
 けど、良かった。ハル、顔色が良くなってる。

「ハル……オレも、ホント幸せだよ」

 ハルを再度そっと抱きしめて、そうささやく。

「さ、ご飯食べようか?」

 オレは気を取り直して、一口食べさせただけのお椀に目をやり、雑炊が溢れてこぼれているのに気付き……それは見なかったことにして、瞬時にオレの分のお椀に雑炊をよそってハルに差し出す。

「きっと、ちょうど良い具合に冷めた頃だと思うよ」

 オレの言葉を聞いて、ハルはくすくすと楽しそうに笑った。



 窓から見えるのは、木漏れ日がきらめく緑の木々と青い空。
 夏の日差しは強いけど、エアコンを入れなくても、窓を開けるだけで十分に涼しい風が通る避暑地の別荘。
 ハルのために覚えた料理も、今日からは弁当に限らずいつでも食べさせる事ができる。
 きっと、沙代さんが毎食は譲ってくれないだろうけど。だけど、一緒に作るのなら、許してくれるんじゃないかな?
 オレの実家じゃなく、ハルの……オレたちの新居のキッチンでハルのために料理をする。そんな光景がふと脳裏に浮かび、オレは思わず笑みをもらした。
 そんな穏やかな毎日が、永遠に続く事を願いながら。


 《 完 》
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