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来る征戦の騎士、明かされる聖剣の未知
36話 発見/遭遇
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畑道を騎士の一団がマナオオカミに乗り駆けている。先頭を行く金色の髪と眉にシワがよっている顔を日の下に晒している男は、腰に白い鞘に収められた剣を携えている。
あとに続く騎士は皆鎧に身を包み、甲冑も着用している。先頭の男とは違い彼らの持つ剣は赤い鞘に収められている。
やがて彼らは都市を囲む壁に設けられた門の前にやってくる。マナオオカミから降りることなく、門を守る騎士にただ一言開けろとだけ命令する男。そんな彼にウォークの騎士たちは警戒心をむき出しにする。
「あなたは……征戦騎士!!」
「クソッ、またかよ……懲りねぇ奴だな」
ざわめくウォークの騎士たち。しびれを切らしたように、もう一度命令をするために口を開けた男に背後から声がかけられる。
「レノン様!? なぜここに」
エウレナやサラの執事、バレンティがマナオオカミに乗る一団の後方からやって来る。どこかからの帰りのようで、彼もマナオオカミに乗っている。
「事前の連絡はなかったと記憶していますが……なぜここに? それにこちらの方々、彼らはあなたの私設部隊ですね。――もう一度聞きます。なぜここに来たのですか?」
バレンティの問いにレノンと呼ばれた金髪の男が答える。
「転移者を渡してもらおう」
「そんな、急に言われましても」
「理由なら……奴らは連合軍が占領した後のサーク王国で騎士たちを襲い、妙な魔法でドラゴンを呼んでみせた。これで十分だろう」
彼の言うドラゴンとはノン・フォンジオーナではなく、壊滅したサーク王国の納屋から天に登っていったドラゴンのことだろう。
レノンは「全て事実だ」と言い切ると、バレンティの話を聞こうともせず、もう1度門を開けるように言った。
「3度目はない」
彼の剣の柄には手が添えられている。門番の騎士たちは彼の放つ凄まじい威圧感が呼び起こす恐怖に負け、門を開けてしまった。バレンティはあっけにとられている。
「なんということを……」
かくして、ロベルタには招かれざる客が降り立った。
「転移者を探せ!! 奴らは最早、反逆者だッ!!」
レノンの号令で街にマナオオカミに乗った騎士たちが乗り込んでくる。ロベルタの人々が上げる悲鳴や怒号と、逃げ惑う人波の中から1人の青年が現れた。見慣れない異世界の服装にローブを着ている。コウトだ。
「……その服装、特徴。貴様が転移者だな?」
レノンは伝え聞いていた情報から青年を転移者だと確信する。対する青年はレノンを睨みつけたまま答えない。
すると、騎士たちの後を追って来たバレンティがコウトの存在に気づいた。
「きさ……貴方は! コウト殿!!」
「コウト……それが貴様の名か。異世界人」
「あんたらは何しに来た」
「ふん。貴様ら転移者を捕縛させてもらう。抵抗すれば、それだけこの街に被害が及ぶだろう。私の力は強大故な」
コウトはレノンの不遜な態度に眉を顰めるが、努めて冷静に言葉を続ける。
「話し合いの余地はないのか」
「ないな」
「そうか……。でも僕だって知らない世界で知らない奴らに捕まってやる気にはならない。せめて信用のおける人の――エウレナさんがいる場所にいたいんだ」
コウトにとってエウレナのいる国は何も知らない異世界において、安心できる場所となっていた。
そして――。
「今エウレナさまの名を口にしたのか? 貴様、彼女とどういう関係だ?」
その言葉を聞いたレノンの目が見開かれる。コウトは少し低くなった声から、彼の怒りに触れてしまったことを気取る。
コウトがレノンの発する威圧感に圧倒されていると、バレンティがまるで認めたくない事実を話すかのように重々しく口を開いた。
「コウト殿は公にはエウレナ様の客人方の1人とされていますが、実のところエウレナ様はコウト殿に懸想をしておられる……私はそう考えております」
「!? え、いやそんなことは……」
「何だと!! コウト貴様、異世界人の分際で――」
バレンティが話した、タイミングの悪い早とちりでレノンの怒りは急激に増していく。彼は後ろに控えていた部下の剣を奪い、コウトに投げ渡した。
「……剣を抜け。私がここで貴様を殺す。貴様を叩きのめせばエウレナ様の考えも変わるやも知れぬ」
コウトは足元に転がった剣を見ている。しばらく黙っていたコウトだったがやがて決闘の申し込みを受け入れた。
「わかった。ただし街から出てやろう。ここじゃ人々を危険にさらしてしまう」
そんな彼の返答に、コウトが応じるはずがないと高を括っていたバレンティは信じられないものを見るような目で彼に詰め寄る。
「コウト殿! レノン殿は先代勇者の剣、『聖剣』を振るうこの世界唯一の騎士ですぞ。あなたでは敵わない」
「じゃあ僕が死ぬ前にエウレナさんを呼んできてください。その間の時間を稼ぎます。――これは直感ですが、どうも彼は正気じゃないように感じる」
バレンティに「早く」ともう一度急かして、コウトはレノンと共に門の外へと出ていった。
レノンと交渉できる可能性のあるエウレナが駆けつけるまでの間、街に被害が出ないようにするのが彼の目的だ。
「そ、そんな……」
残されたバレンティはコウトという異世界人を理解できず、その一言を絞り出すことしかできなかった。
あとに続く騎士は皆鎧に身を包み、甲冑も着用している。先頭の男とは違い彼らの持つ剣は赤い鞘に収められている。
やがて彼らは都市を囲む壁に設けられた門の前にやってくる。マナオオカミから降りることなく、門を守る騎士にただ一言開けろとだけ命令する男。そんな彼にウォークの騎士たちは警戒心をむき出しにする。
「あなたは……征戦騎士!!」
「クソッ、またかよ……懲りねぇ奴だな」
ざわめくウォークの騎士たち。しびれを切らしたように、もう一度命令をするために口を開けた男に背後から声がかけられる。
「レノン様!? なぜここに」
エウレナやサラの執事、バレンティがマナオオカミに乗る一団の後方からやって来る。どこかからの帰りのようで、彼もマナオオカミに乗っている。
「事前の連絡はなかったと記憶していますが……なぜここに? それにこちらの方々、彼らはあなたの私設部隊ですね。――もう一度聞きます。なぜここに来たのですか?」
バレンティの問いにレノンと呼ばれた金髪の男が答える。
「転移者を渡してもらおう」
「そんな、急に言われましても」
「理由なら……奴らは連合軍が占領した後のサーク王国で騎士たちを襲い、妙な魔法でドラゴンを呼んでみせた。これで十分だろう」
彼の言うドラゴンとはノン・フォンジオーナではなく、壊滅したサーク王国の納屋から天に登っていったドラゴンのことだろう。
レノンは「全て事実だ」と言い切ると、バレンティの話を聞こうともせず、もう1度門を開けるように言った。
「3度目はない」
彼の剣の柄には手が添えられている。門番の騎士たちは彼の放つ凄まじい威圧感が呼び起こす恐怖に負け、門を開けてしまった。バレンティはあっけにとられている。
「なんということを……」
かくして、ロベルタには招かれざる客が降り立った。
「転移者を探せ!! 奴らは最早、反逆者だッ!!」
レノンの号令で街にマナオオカミに乗った騎士たちが乗り込んでくる。ロベルタの人々が上げる悲鳴や怒号と、逃げ惑う人波の中から1人の青年が現れた。見慣れない異世界の服装にローブを着ている。コウトだ。
「……その服装、特徴。貴様が転移者だな?」
レノンは伝え聞いていた情報から青年を転移者だと確信する。対する青年はレノンを睨みつけたまま答えない。
すると、騎士たちの後を追って来たバレンティがコウトの存在に気づいた。
「きさ……貴方は! コウト殿!!」
「コウト……それが貴様の名か。異世界人」
「あんたらは何しに来た」
「ふん。貴様ら転移者を捕縛させてもらう。抵抗すれば、それだけこの街に被害が及ぶだろう。私の力は強大故な」
コウトはレノンの不遜な態度に眉を顰めるが、努めて冷静に言葉を続ける。
「話し合いの余地はないのか」
「ないな」
「そうか……。でも僕だって知らない世界で知らない奴らに捕まってやる気にはならない。せめて信用のおける人の――エウレナさんがいる場所にいたいんだ」
コウトにとってエウレナのいる国は何も知らない異世界において、安心できる場所となっていた。
そして――。
「今エウレナさまの名を口にしたのか? 貴様、彼女とどういう関係だ?」
その言葉を聞いたレノンの目が見開かれる。コウトは少し低くなった声から、彼の怒りに触れてしまったことを気取る。
コウトがレノンの発する威圧感に圧倒されていると、バレンティがまるで認めたくない事実を話すかのように重々しく口を開いた。
「コウト殿は公にはエウレナ様の客人方の1人とされていますが、実のところエウレナ様はコウト殿に懸想をしておられる……私はそう考えております」
「!? え、いやそんなことは……」
「何だと!! コウト貴様、異世界人の分際で――」
バレンティが話した、タイミングの悪い早とちりでレノンの怒りは急激に増していく。彼は後ろに控えていた部下の剣を奪い、コウトに投げ渡した。
「……剣を抜け。私がここで貴様を殺す。貴様を叩きのめせばエウレナ様の考えも変わるやも知れぬ」
コウトは足元に転がった剣を見ている。しばらく黙っていたコウトだったがやがて決闘の申し込みを受け入れた。
「わかった。ただし街から出てやろう。ここじゃ人々を危険にさらしてしまう」
そんな彼の返答に、コウトが応じるはずがないと高を括っていたバレンティは信じられないものを見るような目で彼に詰め寄る。
「コウト殿! レノン殿は先代勇者の剣、『聖剣』を振るうこの世界唯一の騎士ですぞ。あなたでは敵わない」
「じゃあ僕が死ぬ前にエウレナさんを呼んできてください。その間の時間を稼ぎます。――これは直感ですが、どうも彼は正気じゃないように感じる」
バレンティに「早く」ともう一度急かして、コウトはレノンと共に門の外へと出ていった。
レノンと交渉できる可能性のあるエウレナが駆けつけるまでの間、街に被害が出ないようにするのが彼の目的だ。
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