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顔
第6話 欲しかった言葉
しおりを挟むなんで…
なんで母さんが目の前にいるの?
彼女は10年前に病気で死んだはずじゃ…
突然の出来事に驚き、固まっていると
彼女は口を開いた。
母さん「ねえ、紗絵…」
「えっ…あっはい!」
彼女の声を聞くのはとても久しぶりで
まさか、声をかけられるとは思いもしなかったので、思わず声が裏返った。
母さん「紗絵はどんな絵をよく描くの?」
「……?漫画っぽいイラストをよく描くけど?」
母さん「あらそうなの!私はトールペイントかな? じゃあ好きな花は?」
「えっとチューリップとコスモスかな…」
母さん「あーだから…お見舞いの時
折り紙のチューリップを…
あっ私はユリが好きよ!
うん…これだけ聞けば大丈夫ね
紗絵、安心して…」
「???」
彼女はにっこり笑って、
私にこう言った。
母さん「違うよ 紗絵は私じゃない
だって好きな物が全く違うじゃない
顔が同じだからって何?
気にする事はないわ
貴方は他の誰でもない
福水 紗絵よ!」
「………っ…」
彼女の言葉を聞いた瞬間、
ボロボロと涙が溢れた。
どんなにその言葉を望んでいたか…
今まで我慢していたのが堪え切れなくなり…
母さん「堂々していれば……!……」
がばっ!!
思いっきり母さんを抱きしめた。
「ありがとう…母さん…」
彼女は少し驚いたが、
やがて笑みを浮かべ
母さん「…日が出るまで色々語ろっか」
…と呟き 私を抱き返してくれた。
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