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エリートオメガ受佐美の欲情
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しおりを挟む朝日が差し込む寝室。
大きなダブルベッドの中で、受佐美がゆっくりと目を覚ます。
シーツの中、少し動くだけで全身に鈍い疲労感が広がり、昨夜までの熱が夢のように感じられた。
「……ん。」
体を起こし、辺りを見回す。
誰もいない。
静まり返った部屋は、まるで何もなかったかのように整然としている。
喉が渇いた。
シーツを軽く巻きつけると、重い体を引きずるようにしてリビングへ向かう。
ドアを開けた瞬間、ふわりと漂うコーヒーの香り。
そして奥のキッチンカウンター越しに見えたのは、エプロン姿で忙しそうに手を動かす攻田の姿だった。
「……先輩、おはようございます。」
振り返った攻田が、柔らかく笑う。
「……?」
「収まったみたいですね。」
「……あぁ。」
小さく頷きながらダイニングの椅子に腰掛ける。
広い部屋に流れる、穏やかな空気。
しかし、その中にある微妙な緊張感を、受佐美は感じていた。
「朝食作ったんですけど一緒にどうですか?」
「……あぁ。」
しばし沈黙が流れる。
フォークの音だけが響くテーブル。
「……昨日は迷惑かけて、すまなかった。」
「いえ? 全然。」
何気なく交わされる会話。
しかし攻田の視線は、どこか決意を帯びていた。
「そういえば先輩が寝てる間に、少し調べたんですけど。抑制剤を使いすぎると発情期に効きにくくなるらしいですよ。」
「……医者にも言われてる。だが飲まない訳にはいかないからな。」
コーヒーを口に運びながら、淡々と答える受佐美。
攻田はカウンター越しに一歩踏み込むように寄りかかった。
「でも、抑制剤以外にも方法って、あるんですよね。」
「……えっ?」
「先輩、提案なんですけど。」
「?」
「俺を抑制剤代わりに使いませんか?」
その言葉に、受佐美の手が一瞬止まる。
「……は?」
目を細めて攻田を見た。
「っ、それは……。」
動揺が見えた。
その一瞬を見逃さず、攻田はスツールに座り直す。
視線は真っすぐで、どこまでも逃さない。
「先輩はアルファになりたいみたいですけど……大抵のことって努力でなんとかなると思うんです。でも、どうにもならないこともある。そういうのは、さっさと受け入れて切り替えた方が生きやすいと思うんですよ。」
受佐美は言葉を探すように黙り込む。
「間違ってます?」
「そういう相手が必要になったとしても、お前みたいに弱みにつけ込む奴には頼まない。」
「……昨日は、頼んだじゃないですか。」
少し顔を背けた受佐美に、攻田はじっと視線を向ける。
「なら反省して、新しい相手を探すよ。」
その言葉に、攻田は目を細め、ゆっくりと皿をカウンターに置く。
距離が一気に縮まり、頭をぐっと掴むと、自分の元へ、ぐいと引き寄せた。
「先輩は……お姫様より、奴隷になりたいんですか?」
「っ――。」
耳元で低く囁く声。
首筋に触れる熱。
受佐美がびくりと肩を震わせた瞬間、攻田は首筋に舌を這わせる。
「……いい加減、学んだらどうですか。この状況は、先輩自身の行動が招いた結果だってこと。」
静かなリビングに、受佐美の浅い呼吸が響く。
逃げ場のない空間で、攻田の言葉がじわりと染み込んでいく。
攻田の視線は決して逸らさない。
もう後戻りできないところまで来ているのは、彼の方なのに。
その覚悟が、空気を変えていった。
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