エリートオメガ受佐美の秘密

エリートオメガ受佐美の苦悩

1

仕事帰りの攻田が、いつものように無言で鍵を開けて入ってくる。
リビングの棚に置かれた薬をふと手に取る。

「あれ？薬、変わってる。」

奥のキッチンから顔を出す受佐美。

「ああ。発散すれば弱い薬でいいらしいって、医者が……。」

攻田が意地悪そうに目を細める。
「発散って……。」
「……っ。」

「あ、もしかして……俺のおかげですか？」

受佐美がむっとして言い返す。
「別に、お前じゃなくてもアルファなら誰でも同じだろ。」

攻田はくすっと笑って薬の瓶を棚に戻すと、距離を詰める。
「相変わらず素直じゃないですね。」

不意打ちでキスを落とす。
「……んっ。」

耳元で囁く。
「俺に抱かれんの……好きなくせに。」

「っ……。」
押し倒されるようにソファに背を預けさせられ、攻田がゆっくりと受佐美のシャツのボタンを外していく。

「先輩……今日もちゃんと感じさせてやるから……。」

「や、待……っ……は……っ……。」
キスが深くなり、互いの呼吸が乱れる。
攻田が受佐美の髪を撫でながら優しく囁く。

「先輩……俺さ、こうしてる時が一番好きなんですよ。」

耳たぶを甘噛み、頬を擦り寄せる。

「今日はもう離さないでいていい？」

「……バカ。」

抵抗するふりをしながらも、腕の力はもう抜けていく。

ソファの上、絡まりながら夜は深くなっていく。