OUTSIDER

TERRA

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初恋ライブ:ミヤビ✕マサムネ

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午後の陽射しは強く、都会のビルの隙間から青空が覗いていた。
アスファルトがじんわりと熱を持ち、風は少し湿り気を帯びている。
それでも、街には週末の活気が溢れていた。

雅は足取り軽く、雑居ビルの階段を駆け上がる。
「ほら、こっちこっち!」

正宗は少し遅れてその後をついていった。
ライブハウスの扉をくぐると、ひんやりとした空気とわずかに漂うスモークの匂いが迎えてくれる。
「人、多いな。」
「まぁ、インディーズだからそんなぎゅうぎゅうじゃないけどな。」

天井の低い空間に響くリハーサルの音。
ステージの反対側にはカウンターがあり、すでにドリンクチケットを手に持った客たちが談笑している。

雅は周囲を見渡しながら、正宗の腕を軽く引く。

「せっかくだし、前行こうぜ!」
「いや、別に後ろでも……。」
「ダメだめっ、それじゃ盛り上がらねぇって!」

そう言って雅は正宗を引っ張り、ステージ近くへと進む。
まだライブ前で客はまばらだったが、ほとんどの人が既にステージ周辺に集まっていた。

「……でかい音苦手なんだけど。」
「うるせぇ!こういうのは感じるんだよ!」

正宗がため息をつく間もなく、場内の照明が一気に落ちた。

瞬間、熱が生まれる。
ステージに淡いスポットライトが灯り、演奏が始まる。

雅はすぐにリズムに乗り、体を軽く揺らした。
心臓に響くドラム、熱を帯びたギター。
歌声が空間に溶け込み、客たちが一気に前へと押し寄せる。

正宗は戸惑いながらも、その熱気に巻き込まれていく。

初夏の午後の、鼓動のような音楽。
この瞬間が、何かを変える。
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