絆を繋ぐ、異世界大樹！！

第１章〜剣と魔法の世界〜

第１話〜新たな世界〜

「成功したみたいだな」

　俺の名前は『アルン』。たった今、神級転移魔法である《異世界転生》を使って２人の仲間とともに異世界にやってきた。

　目の前には広大な草原が広がっていて、遠くには街のようなものも見える。

　実はこの魔法はとても高度な魔力操作の技術や長い詠唱を唱えなければならないという知名度は高いがまだ俺しか使えない都市伝説級の魔法なのだ。

「ここはどんな世界なの？」

　ヒルメが足元に咲いている見たことのない花を気にしながら聞いてきた。

「この世界では約１５００年前から人間と魔族との対立が起こっていて、人間たちは、魔族の王である《魔王》を倒すことを目標としてギルドという冒険者の組織を作ったらしい」

「それって私達が堕ちてきた時期と同じぐらいだよね？」

「ああ、多分この世界のやつも俺達と同じ七柱の１人だろうな」

　それを聞くと２人の顔が暗くなる。

　七柱は強い権限を持つ神しか選ばれない。つまり、この世界のラスボスはかなり強いということだ。

　１つ目の世界では《大地》の権限を持つガイア、２つ目の世界では《月》の権限を持つヨミ、３つ目の世界では《雷》の権限を持つ迅と戦ったが、七柱はヨミだけだった。

まあ、俺とヒルメも七柱だが七柱の中にも順位があって、俺は１位だったがヒルメは６位、ヨミは７位だった。

「まあ、気にせず進もうぜ」

「「うん」」

　俺達は遠くに見える街へ向かって歩き出した。

　しばらく歩いていると小さな池を発見したので、少し休憩することにした。

　俺達が地面に座ろうとしたとき、池の反対側から悲鳴が聞こえた。

「だ、誰か助けてくれ！！」

「行ってみよう」

　声が聞こえた方向に行ってみると、騎士の見た目をした男が大きなスライムと戦っている。

「大丈夫ですか!!」

　俺の声を聞くと男は安心したようにこちらに逃げ込んできた。

　でもどうしたのだろう。大きいからってスライムは少し物理攻撃が効きにくいだけでそこまで苦戦するような相手では無いはず。

「事情は後で聞きますね」

　俺は世界にアクセスし、手元に半透明のキーボードを出現させ、『魔法陣』と打ち込む。

　するとスライムの足元に白い半透明の魔法陣が展開された。そして『電撃』と打つ。

　すると、魔法陣が黄色の光を放ち、そこから《スパーク》という相手に電気を流し感電させる魔法が放たれ、スライムは感電し、溶けて動かなくなってしまった。

「よし、これで大丈夫だな」

　俺はスライムが動かなくなったのを見て、男の元へ向かった。