裏切られた英雄を救うのは俺な件

七曜

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47.「前段階」※微。

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 何が起こったのか、暫く分からなくなったまま呆然と荒い呼吸を繰り返してたんだが、ふと我に返り、自分の状態に気がつくと思わず唸り声が出る。
 唸ってから視線を合わせたせいか一瞬、マーレスが今から叱られる子供のような反応を見せたものの怒ってる訳じゃない。寧ろ、羞恥心でいっぱいだわ。

「怒ん…ねぇ…から…、外して…く、れ……。」

 全身への【拘束バインド】のせいで話すのすら、ぎこちない。これじゃ、今からしたい事も出来ない。
 視線で催促すると【拘束バインド】を外してくれ、指も抜いて手も離してくれたんで一度大きく息を吐き出して軽く吸い、それから真剣にマーレスの瞳を見つめた。

「やっぱり…、情緒は大切だと思う。」

「情緒…?」

「そ…、こういう事…。」

 マーレスに笑い掛けてから、いまいち理解出来て無いだろうなって間に口付ける。

 されんのも好きだが、するのもやっぱり好きだわ。

 んで、マーレスの右肩から手を腕へ滑らせ、ゆっくりと右手を掴まえると指を絡めてぎゅっと握り込む。
 少しビクつかれたんで、さっきまでマーレスの方がもっとやらしい事してただろうと可笑しくなって小さく喉で笑いながら頬へ口付け、耳へと囁き掛ける。

「好きだ…、マーレス…。」

「…っ…。」

 うん。可愛い。
 驚きながら喜んでんのが分かるとこっちまで嬉しくなる。
 嫉妬されんのも悪くは無いが、好きな奴には幸せであって欲しい。
 上機嫌で耳にも口付けてから唇へ再び唇を重ねると今度はマーレスの口の中に舌を入れて絡める。
 俺も男なんで、逆にしたくなるってか、胸にクるもんがある。
 温かな咥内を堪能しながら時折、好きだと気持ちのままに繰り返せばマーレスに勢い良く抱き締められた。

「…降参だ…。」

「マーレス…。」

 どうやら知らないうちに勝ってしまったらしい。
 勝負していた訳じゃないし、もっとマーレスの反応を見てたいんだがと暢気に構えてたら唇を塞がれて舌が入って来た。めちゃくちゃ熱心に弄られて吸われると腰に直ぐにクる。
 素直過ぎる自分の身体に思う所はあるものの、確かめるように背中や腕を掌で擦られるのは安心もして、もういっそここで身を委ねたくなるってもんで…。

「ぁ、ハッ…マー…レス…。」

「…ん、ソル、どうした?」

「もうさ、…最後まで…しねぇ?」

「…それは、俺もしたいが…。」

 悩むマーレスの姿に、考えてる事は分かる。
 発情して動けなくなるのは勿論、そもそも今の状態で入るかどうかの問題だろう。

「…もっと、解さないとはとも思う…。」

「ああ、ソルには痛い思いをさせたく無い…。」

 そう言いながら頬を撫でられると途端に擽ったい気持ちになる。

「分かった…、入りそうになったらしよう…つか、したい…。」

「…ぐっ、ソルは…本当に…分かった…。」

 二度目の考えてる事は分かると思いながらも、割と切実なんだがと頷いた。







 予定なんてすっ飛ばしてしたい。
 と、何処の獣だと言われるかもしれないが腹は決まった。只、やはり直ぐにとは行かなくて、数日掛け、魔法薬を三つ使う頃に二本目の指を、六つ使う頃になって漸く三本目の指が奥まで入るようになった。

「ん、ぐっ…っ」

「ソル…。」

「だいじょ…う…ぶ…」

 いや、笑えるぐらいに中は熱いし、痙攣もしてる。
 いっそ女だったらもっと早くマーレスを受け入れられたんだが、贅沢は口にしない。
 覆い被さりながら心配そうに俺を見つめるマーレスの頬を指先で撫で、頭を引き寄せて口付ける。
 髪を撫でながら、曲げた両脚を軽く腰に巻き付けると遠慮がちだった指の抜き挿しが再開された。

「ンあっ…ハッ…ぅぐ…っ」

「ソル…ッ、大好きだ…。」

 ぎゅっと中が締まるのは仕方ないと思う。
 解す回数を重ねるごとにマーレスも睦言を口にするようになった。
 しかも、相変わらず覚えが良いというか、どうも中に感じる部分があって俺が徐々に反応を強めてるせいか、全体を解しながらも時折重点的にそこと前を弄られて最中に何度かイかされる事があった。

 そして、それをされると余韻が長いし、身体の中の違和感、恐らく発情の予兆が特に現れる。
 日に日に染まって行くような感覚と最後まで出来ていない渇望感を覚えながらも、マーレスとのこの何とも爛れた日々が愛しい。

「世界に…二人っきり、みたいだ…。」

「それは、良いな…。」

 ありきたりな言葉。
 少し本気で思案してる所が、マーレス愛しい人らしいが。

「なぁ…、マー…レス…っ…。」

「うん、何…?」

「明日…からは、しよ…う…。俺の…中に…挿れ…つづけて…」

「………………………………………………。」

 本当に発情が近かったんだと思う。
 普通ならその場で犯されても文句の言えない言葉を何の違和感も無く口にして、マーレスを煽りまくってた。
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