ーANDROIDAー 禁忌の“ココロ” 僕らは――もうどこにも存在しない 【完結】

ゆずたこぽんず

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2.機械の友

17_コネクター

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「そこで蓮人、君に一つ、未来の友として頼みごとがある」
「な、なんだよ、かしこまって」
「ディスカトーテの思惑を、彼女らアンドロイダと共に、阻止してほしいんだ……彼女らは優秀だし、君がここへ来た意味にも繋がる」

 俺は、なんだか突拍子もない物事に巻き込まれたようで……彼女達、5人のアンドロイダたちと共に戦えと、目の前の機械男アグレーは語っている。

 そもそも、ディスカトーテとは、一体何者なのか? ……明美を連れ去る必要性は、何処にあったのだろうか。

「なあ、アグレー……? ディスカトーテって……」
「奴は――完全なる“悪”だ」

 それは、憎悪に似た響きだった。 アグレーはギョロリと目を見開いた……時折見せるこういった表情が、彼の不気味さをほんのり色づけていた。 彼はすぐに表情を変え、何も考えていなさそうな顔に戻った。

「やつの目的はそう……、過去と未来の掌握。そして、この世界の崩壊を望んでいるのさ」
「……なんだ、それ。 そんなことして一体どういうつもりなんだ?」
「うん、私にもそれは分からない……だがね、これは事実なんだ。 私は彼を外の世界へ隔離した……でも、こうして何度もこちら側に干渉してくるんだ」

 アグレーは、両手を広げ「参ったよ……」と呟きながら、首を横に傾けていた。 アグレーの説明かを聞きながら……ひやりと、額に汗が滲んだ。

(奴は、神にでもなるつもりなのか……?)

 過去を手に入れた所で、過去が変われば、今、俺が立っている未来は、もっと別なものに変わってしまう。 彼ら“アンドロイダ”が存在する事も“ココロ”を持つ事も無かったかもしれない。 もしかしたら……この世界すら初めから存在していなかった可能性もある。

(まさか、それが……奴の、ディスカトーテの狙いなのか……!?)

「……」
「…………」
「あっ……!?」

 室内にしばらくの沈黙が訪れて……俺は、息をのんだ。 先に沈黙を破ったのは、他の誰でもない……ゼロワンだった。 ゼロワンの瞳に、レーダーの色が表示されているのが見えた。 彼女は驚いた表情に変わり……その場で目を泳がせている。

「……“若き・・”アケミさんの意識信号をキャッチしました!すぐ近くに、居ます……!!」
「なんだって……?彼女が一人でここへ来たと言うのか?そんなことはあり得ない!! とするとこれは――!!」
「明美が……すぐ近くにいるのか!?」

 途端――室内の照明が激しく点滅をし、細かな振動が壁伝って、空間が重力に引っ張られているかのように重たく下がって行く。 床は、ピシピシと音を立て、テーブルに置かれたコーヒーカップがカタカタと揺れている。 そして、全てのモニターの画面に横線が入り、警報を鳴らす音が……何処か遠くから微かに聞こえてきた。

「こ、これは!?また……!どうしよう、防衛が……都市の防衛がエラーになってるっ!」

 冷静だったゼロツーのこれほどの焦り、都市部で何か異常が発生し、その対応を迫られているようだった。 手に持っていたパネルを操作する指は、パチパチと画面で音を立てながら素早く動いていた。

「このままじゃ、まずい……君!もう一度、誤作動を起こしたパトロールの確認をして!」
「や、やだ……ゼロツー!!………怖いよ……!」
「だめ、君がやらなきゃ。 空をコントロールできるのは、SKスカイ104-04ゼロフォー、君だけなんだ! 再度コントロールセンターに接続する、COコネクト101-01ゼロワン再接続頼む!」
「おっけい!」

 ゼロツーが壁の一部に触れると、ピッと直線的に光が伸び……スッと壁が開いて、中から色々な電子部品のコネクターが姿を現した。 その中の一つに、ゼロツーが耳元から伸ばしたケーブルを差し込んだ。

COLコントロール102-02 ゼロツー、都市部コントロールにセンターに接続中……接続完了。 こちらコードゼロツー直ちに市民は室内へ避難せよ、繰り返す……」
WAウォーク103-03ゼロスリー、都市部を巡回してくるから、後は頼んだわよ」
DIVダイブ105-05ゼロファイブ水中を偵察してきます!」

 バタバタと、今来たばかりの三人は、また入り口を出て外へ消えて行った。 こうして緊急時も、自分たちの役割をしっかり見据え、都市の安全を見守っている。
 彼女たちはそれほど優秀なアンドロイドなのだろう。

(この人たちを、未来の俺と……アグレーが作ったとなると……)

――ビービービー!! システムに侵入者あり、直ちに制御システムを確認して下さい!

 室内からも流れ出した警報は、乱れていた画面を覆いつくした。 バタバタと動き回る彼らをよそに、俺はこの状況の中……未来の発展に感心していた。 それと同時に、ひやりと、冷たくなった空気が、俺の身体を震わせた。
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