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・Day4/chapter2 若花との戯れ

44.

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 胸も、幹も、弱い。
 後ろでさえ。
 こんな状況が、あとどのくらい、続く――?
「は、あ、も、もっとっ」
 浅ましいとは知りつつも、青年は必死にねだる。そうしなくては、もう、自身すらつらい。
 なのに、相手は勝手の知らない男たちだ。逆に、どうすればいいのか逡巡して、芳と佐波は手を止めてしまう。
「もっと、つよくつまんでいいから。ぐりぐりってそこを押し付けても、いいから」
 いいから、というより、そうしてくれ。
「え、あ、は、はい……」
 慌てて、芳が青年の胸の尖りに指をひっかけた。ぷっくりと主張しているそこを指の腹でそっと撫でる。
 そうではなくて、本当に、むりやり引っ張ってほしいし、つぶしてほしい。もっと、激しく、抱いて――。
 懇願しようとしたとき、それは訪れた。
「ひぁあ!!」
 どちゅんと音を立てて、後ろが穿たれた。その衝撃で青年はビクンと跳ね上がる。
 壱岐が一気に腰を引いて、そのまま中へと押し入れたのだ。
 ずっと待っていたそれらしい・・・・・刺激に青年はびくびくと花芯を揺らす。先走りでどろどろになったそこの鈴口がくぱくぱと開閉しだす。
「す、すみませんっ」
 壱岐が申し訳なさそうに謝る。しかし。
「いいよぉ。いまの、もっと、ちょうだいっ。壱岐ぃ」
 頭がもう、欲しい快楽のことでいっぱいだ。
 自分がどんな状況かすら、考えるだけの余裕がない。
 必死で雄を求めて肉棒へと絡みつく内壁と同じように、青年自体も、男を求めて媚び始める。
 ごくりと生唾を飲む音がした。
 それは、同時に、不慣れな男の裡で何かが開花させられた合図でもあったようだった。
「ひぁ、あ、ああ……」
 奥に穿ったものを、ずるずると根本まで引き出す。その感覚に青年はかすれた声を震わせた。
 くる。
 このまま、奥に。また、来る。
 だが、そのタイミングがつかめない。
 と、衝撃。
「はぁあ!! あ、あ、あ!」
「く、これ、なに、これ!」
 甘い声を上げながら、幼稚な抽送うごきに身悶えしだす青年に、蠢く内壁に快感を覚え始めた壱岐。
 一気に変わったふたりの雰囲気はその場を支配しだす。
 それに飲み込まれていくのは、まだ花を咲かせていないふたりの若者たちだった。
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