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しおりを挟む「わかったよ」
素直に頷いた門倉に松宮は心を弾ませた。急いでベッドの端によって門倉の寝るスペースをつくる。
「だけど、俺と寝たらとっとと帰れよ」
「えーっ」
「一人が無理なら送っていくから」
「そういうんじゃなくて……」
松宮の隣に腰掛けた門倉に松宮は抱きついた。
「おまっ、やめろって」
「やめません。ふふっ、門倉さんと一緒。腕枕してあげましょうか」
「いらねぇ、寝ろ」
「やーん、見て、ここ、べったり」
松宮は着ていたぶかぶかのTの胸元をめくりあげて門倉に見せつけた。昨夜着ていたものは門倉が始末したのだろう。面倒くさがり屋の門倉が、ちゃんと肌を拭いて始末してくれるところに優しさが詰まっている。だが、現れた松宮の胸部には鬱血した星々が数多に刻まれている。おそらく胸だけではなくて体中に。それを確認するのは、帰宅してシャワーを浴びるときにしようと松宮は考えた。そしてこれだけ跡をつけるのに煮えきらない門倉史明という男についても。
「門倉さん、俺のこと、好きでしょ」
横になりながら、松宮が問う。腕枕をすると言ったのは松宮なのに、しだしたのは門倉だった。彼の腕の上に頬を張り付かせながら問うと、門倉の視線が泳いだ。
「好きなのに、付き合わないの?」
「いや、無理」
即答。これには慣れている松宮。
「とうして。俺はすっごい好き。門倉さんに殺されてもいい」
「やめろって本当、冗談じゃない」
「なんで」
「今回だって抱き殺したかと思ってゾッとした……」
「あー、確かに。すごい腰遣いだったもんね、最高」
「最悪だ」
「それが怖いんすか?」
「別に」
すっと視線を逸らされて、松宮は図星と笑った。そんな松宮に門倉は自分の考えていることが筒抜けになっているようで居心地が悪くなる。
「黙って寝てろ」
門倉は腕を松宮へ伸ばすと彼の頭を枕に押し付けるように抑えた。門倉に腕枕されている松宮は門倉の手にサンドイッチされたような気分になって、喉を鳴らしたくなった。
「門倉さん、かーわいー」
「ぜけんなって」
「いいんですよ、俺、イきそうになってビクビク跳ねちゃう体を無理やりに押さえつけられながら種付けされるの最高に好きなので」
「お前、言ってて恥ずかしくないのか」
「もっとしてください」
「いったん、しね」
「無理です。腹上死を狙っていますので」
「お前なぁ」
「あ、自分で乗るのも好きですけど、上からのしかかられるほうが好きなので腹下死ですかね」
「そういうことじゃねぇっつうの」
「まあ、どっちにしろ、簡単に死なないのでいっぱい乱暴してくださいね」
ふふっと軽やかに笑う松宮を門倉は温度のないまなざしで眺めていた。
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