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第4章 帝都アウシルバード編
62 盛り上がる酒席
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「ヴァン様! お待ちしておりました! 随分と到着が早かったですね!」
「当たり前であろう! お主からの連絡のあと、すぐにリーフに仕事を押し付けて飛んできたのだ! 急に仕事を振られてリーフは泣きそうになっておったがな。ガハハハハッ!」
フライヤがヴァン様に連絡したのか。それで急いで来られたわけね。なるほど。
『相変わらず騒がしいなヴァンよ。まったく酒のことになると人が変わるな』
「ルシア殿! これは仕方ないのです! 珍しい酒は飲めるときに飲んでおかなければ後悔しますからな! フライヤがすぐに連絡をくれたので間に合いましたわい」
フライヤとはずっと一緒にいたけど、一体どのタイミングでヴァン様に連絡したんだろう? 僕はふと気になったので聞いてみた。
「ねえ、フライヤ。ヴァン様が来られてびっくりしたけど、いつの間に連絡したの?」
するとフライヤが答える前に、ヴァン様が僕の方に近付いて来る。
「ガハハッ! レアンデルよ。ほんの少しの間にまた成長したようだのう。充実した魔力を感じるぞ」
「いえ、まだまだ修行を積まないといけません。最近は会う人たちがとんでもなく強いので、早く追いつかなければと焦ってます」
「グハハハッ!! そうかそうか! 確かにお主の周りは強いものが多いのう。この場には龍族だけではなく、獣人族の強者も揃っておるしのう。しかし焦ることはないぞ。ルシア殿についていけば間違いはない」
うん。旅を始めてから随分と強くなったことは実感してる。ただ、フライヤもそうだけど、レオーネ皇帝やロンジン隊長もすごい実力だって分かるから、僕はまだまだ未熟だなと痛感してるんだよね。
「話が脱線してしまったな。フライヤが吾輩にいつ連絡を寄こしたのかというと、20分ほど前だな。すごく美味しい古酒があると連絡してきたので、大急ぎで飛んできたというわけだ。フライヤとリーフは眷属であるから、どんなに離れていようが念じるだけで吾輩とやりとりができるのだ。フライヤには美味い酒を見つけたらすぐ報告するように命じてあるからな!」
なるほど。眷属の二人は念じるだけでヴァン様に連絡できるのか。それはすごく便利だな。
「ヴァン様。お話はいったんその辺りにして、この古酒をどうぞ。ロンジンが見つけてきたのですが、これは本当に美味いです」
レオーネ皇帝がヴァン様に並々と注がれたグラスを差し出す。うん。どう見ても普通の大きさのグラスじゃないね。僕のグラスの倍の大きさはあるよ。
ヴァン様はそのグラスに注がれた古酒を一気に飲み干した。
「プハ~ッ! これは美味いな!! まろやかでコクがあるのにすっきりとした飲み口。もう一杯注いでくれんか」
「次は私がお注ぎしますぞ。この古酒を東の村で見つけた瞬間にヴァン様が喜ばれる姿が目に浮かびました。なかなかこんな良い状態のものは見つかりませんからな」
そういうと、ロンジン隊長がヴァン様のグラスに零れんばかりの古酒を注ぐ。
「いや~本当に美味い!! ロンジンよ。よくぞこんな美味しい酒を見つけてくれた。何か褒美を与えたいぐらいだ」
「ヴァン様からは風の加護をいただいておりますし、眷属のお二人にも尽力してもらっていますからな。美味しいお酒を探してくるぐらいお安い御用ですぞ。よろしければリーフ殿の分も用意しておりますのでお持ち帰りくだされ。さあさあ、まだ古酒はたくさんありますぞ! どんどん飲みましょう!」
「ガハハハッ! いつも悪いな。しかし今日はルシア殿もおられるし、こうして大勢で飲むのは格別に美味い! さあ、みんな! 今日はどんどん飲むぞ!」
その音頭を皮切りにして、ヴァン様は遅れを取り戻すかのようにお酒を飲み、フライヤもレオーネ皇帝も、ロンジン隊長も、そしてルシアもどんどんお酒が進んで盛り上がっていた。
僕も食事を楽しみながら色んなことを聞くことができた。
風龍様のヴァン様はラムセティッド大陸のあちこちに出没してはお酒を楽しんでいるそうだ。
そんなわけでサンネイシス帝国では、ほとんどの住民がヴァン様に尊敬と感謝の気持ちを持ちつつ、親しみを感じているような状況らしい。ここのレオーネ皇帝のプライベートバーには3か月を空けずにやってくるんだって。
そしてフライヤがヴァン様の眷属だと知っているのは、レオーネ皇帝を始めとした国家の重職を担う限られた人たちだけらしい。大半の人たちは帝国が誇るSランクハンターとしてフライヤのことを尊敬しているそうだ。そういえばレナールさんもフライヤを尊敬しているって言ってたもんな。
そんなことを話していると少しお酒に酔ったフライヤがルシアに近付いていく。
「ルシア様、ラムセティッド大陸のグルメは楽しんでもらえていますか?」
『ああ。ここの食事は酒に合うように趣向が凝らされていてとても美味いな。お酒好きには最高の場所に違いない』
「そうなんです! 私もヴァン様もお酒が大好きですから、ここの食事はたまらないんですよ! どうしてもルシア様にも味わって欲しかったのです」
『ふむ。我はお主たちほどの酒好きではないが、美味しいものは何でも好きだ。食事も美味しかったが、お酒も大満足だぞ』
ルシアから褒められたフライヤは満面の笑顔で喜んでいる。本当にルシアのことを楽しませたいというのが伝わってくるよ。
するとこちらも楽しそうな笑みを浮かべたレオーネ皇帝が話に加わってきた。
「食事とお酒を満足いただけたなら嬉しい限り。そしてヴァン様とフライヤが尊敬するというルシア殿に会えたのは本当に喜ばしいことです。フライヤの話だとレンを鍛えながら旅をしているとか。
こちらにはいつまで滞在できるのでしょう? よろしければルシア殿とレンに皇宮の食事を振る舞わせてもらいたいと思うのですがいかがですか?」
『是非、ご馳走になろう』
はやっ! 相変わらずの即答。食事のことになると基本即決なんだよな。
「ルシア。明後日の午後はハンターギルドの帝都支部に行かないといけないよ」
『分かっておる』
「それでしたら明日の夕食はいかがですかな?」
『大丈夫だ』
「決まりですな。そうしたらルシア殿とレンは皇宮の離れを宿泊施設として自由にお使いくだされ。ヴァン様とフライヤもいかがかな?」
「ガハハハ。魅力的な提案であるが、吾輩はここのバーに飲みに来られるだけで十分だ。それに明日も飲みに出かけたらリーフのやつが拗ねてしまうわい」
「私は堅苦しい席が嫌いだが、ルシア様が参加されるのであれば同席しないわけにはいかない。ぜひとも参加させてもらおう」
ヴァン様は不参加で、フライヤは参加するんだね。
「フライヤが参加するとは珍しいな。しかし堅苦しい席にするつもりはないぞ。服装も今日と同じで構わんしな。単純に美味いものを食べるための食事会だ。大臣たちを呼ぶつもりもないし、身内だけが参加する気軽な食事会と思ってくれ」
いや、レオーネ皇帝の身内って、皇后陛下や皇子、皇女だろうから、気軽とはほど遠いと思うんですけど……
「ガハハハハ。楽しそうではないか。フライヤも楽しんでこい。ルシア殿をよろしく頼むぞ」
「はい。かしこまりました」
ヴァン様のOKももらったし、フライヤも気が楽になったみたいだな。
「しかし、フライヤ。一つだけ気になることがあるのだ」
「何でしょうか?」
「お主、レアンデルと随分親しげではないか。フライヤ、レンと呼ぶ間柄のようだし、話し方もくだけていて楽しそうだ。吾輩がレアンデルに友だち付き合いをお願いしたときは見事に断られたのだぞ。どんな技を使ったのだ? ……ずるいではないか!」
ヴァン様から思わぬクレームが飛んできちゃったよ……。
「当たり前であろう! お主からの連絡のあと、すぐにリーフに仕事を押し付けて飛んできたのだ! 急に仕事を振られてリーフは泣きそうになっておったがな。ガハハハハッ!」
フライヤがヴァン様に連絡したのか。それで急いで来られたわけね。なるほど。
『相変わらず騒がしいなヴァンよ。まったく酒のことになると人が変わるな』
「ルシア殿! これは仕方ないのです! 珍しい酒は飲めるときに飲んでおかなければ後悔しますからな! フライヤがすぐに連絡をくれたので間に合いましたわい」
フライヤとはずっと一緒にいたけど、一体どのタイミングでヴァン様に連絡したんだろう? 僕はふと気になったので聞いてみた。
「ねえ、フライヤ。ヴァン様が来られてびっくりしたけど、いつの間に連絡したの?」
するとフライヤが答える前に、ヴァン様が僕の方に近付いて来る。
「ガハハッ! レアンデルよ。ほんの少しの間にまた成長したようだのう。充実した魔力を感じるぞ」
「いえ、まだまだ修行を積まないといけません。最近は会う人たちがとんでもなく強いので、早く追いつかなければと焦ってます」
「グハハハッ!! そうかそうか! 確かにお主の周りは強いものが多いのう。この場には龍族だけではなく、獣人族の強者も揃っておるしのう。しかし焦ることはないぞ。ルシア殿についていけば間違いはない」
うん。旅を始めてから随分と強くなったことは実感してる。ただ、フライヤもそうだけど、レオーネ皇帝やロンジン隊長もすごい実力だって分かるから、僕はまだまだ未熟だなと痛感してるんだよね。
「話が脱線してしまったな。フライヤが吾輩にいつ連絡を寄こしたのかというと、20分ほど前だな。すごく美味しい古酒があると連絡してきたので、大急ぎで飛んできたというわけだ。フライヤとリーフは眷属であるから、どんなに離れていようが念じるだけで吾輩とやりとりができるのだ。フライヤには美味い酒を見つけたらすぐ報告するように命じてあるからな!」
なるほど。眷属の二人は念じるだけでヴァン様に連絡できるのか。それはすごく便利だな。
「ヴァン様。お話はいったんその辺りにして、この古酒をどうぞ。ロンジンが見つけてきたのですが、これは本当に美味いです」
レオーネ皇帝がヴァン様に並々と注がれたグラスを差し出す。うん。どう見ても普通の大きさのグラスじゃないね。僕のグラスの倍の大きさはあるよ。
ヴァン様はそのグラスに注がれた古酒を一気に飲み干した。
「プハ~ッ! これは美味いな!! まろやかでコクがあるのにすっきりとした飲み口。もう一杯注いでくれんか」
「次は私がお注ぎしますぞ。この古酒を東の村で見つけた瞬間にヴァン様が喜ばれる姿が目に浮かびました。なかなかこんな良い状態のものは見つかりませんからな」
そういうと、ロンジン隊長がヴァン様のグラスに零れんばかりの古酒を注ぐ。
「いや~本当に美味い!! ロンジンよ。よくぞこんな美味しい酒を見つけてくれた。何か褒美を与えたいぐらいだ」
「ヴァン様からは風の加護をいただいておりますし、眷属のお二人にも尽力してもらっていますからな。美味しいお酒を探してくるぐらいお安い御用ですぞ。よろしければリーフ殿の分も用意しておりますのでお持ち帰りくだされ。さあさあ、まだ古酒はたくさんありますぞ! どんどん飲みましょう!」
「ガハハハッ! いつも悪いな。しかし今日はルシア殿もおられるし、こうして大勢で飲むのは格別に美味い! さあ、みんな! 今日はどんどん飲むぞ!」
その音頭を皮切りにして、ヴァン様は遅れを取り戻すかのようにお酒を飲み、フライヤもレオーネ皇帝も、ロンジン隊長も、そしてルシアもどんどんお酒が進んで盛り上がっていた。
僕も食事を楽しみながら色んなことを聞くことができた。
風龍様のヴァン様はラムセティッド大陸のあちこちに出没してはお酒を楽しんでいるそうだ。
そんなわけでサンネイシス帝国では、ほとんどの住民がヴァン様に尊敬と感謝の気持ちを持ちつつ、親しみを感じているような状況らしい。ここのレオーネ皇帝のプライベートバーには3か月を空けずにやってくるんだって。
そしてフライヤがヴァン様の眷属だと知っているのは、レオーネ皇帝を始めとした国家の重職を担う限られた人たちだけらしい。大半の人たちは帝国が誇るSランクハンターとしてフライヤのことを尊敬しているそうだ。そういえばレナールさんもフライヤを尊敬しているって言ってたもんな。
そんなことを話していると少しお酒に酔ったフライヤがルシアに近付いていく。
「ルシア様、ラムセティッド大陸のグルメは楽しんでもらえていますか?」
『ああ。ここの食事は酒に合うように趣向が凝らされていてとても美味いな。お酒好きには最高の場所に違いない』
「そうなんです! 私もヴァン様もお酒が大好きですから、ここの食事はたまらないんですよ! どうしてもルシア様にも味わって欲しかったのです」
『ふむ。我はお主たちほどの酒好きではないが、美味しいものは何でも好きだ。食事も美味しかったが、お酒も大満足だぞ』
ルシアから褒められたフライヤは満面の笑顔で喜んでいる。本当にルシアのことを楽しませたいというのが伝わってくるよ。
するとこちらも楽しそうな笑みを浮かべたレオーネ皇帝が話に加わってきた。
「食事とお酒を満足いただけたなら嬉しい限り。そしてヴァン様とフライヤが尊敬するというルシア殿に会えたのは本当に喜ばしいことです。フライヤの話だとレンを鍛えながら旅をしているとか。
こちらにはいつまで滞在できるのでしょう? よろしければルシア殿とレンに皇宮の食事を振る舞わせてもらいたいと思うのですがいかがですか?」
『是非、ご馳走になろう』
はやっ! 相変わらずの即答。食事のことになると基本即決なんだよな。
「ルシア。明後日の午後はハンターギルドの帝都支部に行かないといけないよ」
『分かっておる』
「それでしたら明日の夕食はいかがですかな?」
『大丈夫だ』
「決まりですな。そうしたらルシア殿とレンは皇宮の離れを宿泊施設として自由にお使いくだされ。ヴァン様とフライヤもいかがかな?」
「ガハハハ。魅力的な提案であるが、吾輩はここのバーに飲みに来られるだけで十分だ。それに明日も飲みに出かけたらリーフのやつが拗ねてしまうわい」
「私は堅苦しい席が嫌いだが、ルシア様が参加されるのであれば同席しないわけにはいかない。ぜひとも参加させてもらおう」
ヴァン様は不参加で、フライヤは参加するんだね。
「フライヤが参加するとは珍しいな。しかし堅苦しい席にするつもりはないぞ。服装も今日と同じで構わんしな。単純に美味いものを食べるための食事会だ。大臣たちを呼ぶつもりもないし、身内だけが参加する気軽な食事会と思ってくれ」
いや、レオーネ皇帝の身内って、皇后陛下や皇子、皇女だろうから、気軽とはほど遠いと思うんですけど……
「ガハハハハ。楽しそうではないか。フライヤも楽しんでこい。ルシア殿をよろしく頼むぞ」
「はい。かしこまりました」
ヴァン様のOKももらったし、フライヤも気が楽になったみたいだな。
「しかし、フライヤ。一つだけ気になることがあるのだ」
「何でしょうか?」
「お主、レアンデルと随分親しげではないか。フライヤ、レンと呼ぶ間柄のようだし、話し方もくだけていて楽しそうだ。吾輩がレアンデルに友だち付き合いをお願いしたときは見事に断られたのだぞ。どんな技を使ったのだ? ……ずるいではないか!」
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