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Ⅲ.女神の祝福を持つ少女たち
124.聖女討伐隊(ホーリーフォース)の公式発動
しおりを挟む美弥子達が、たくさんの神官戦士達を連れて、各地の浄化のための国内行脚に出た。らしい。
まずは王都に近い、貴族領地内から。
一応、理由は人が多いから、らしいけど。
人の多さだけなら、商業都市の方が多いらしいし、既に廃墟になっている、穢れどころか瘴気と闇落ちを発生させまくっている立ち入り禁止の土地はどうするのかと思うけど、そこには救うべき(生きた)人間はいないらしいので、美弥子達が闇祓いに慣れるまで放置は続くらしい。
そこから闇落ち魔怪は抜け出してこないのかしら。
精霊を使った結界を張って封印しているらしいけれど、王都にいる唯一の精霊術士は、残念ながら光属性ではないらしい。
「正直、今まで保ってるのが不思議だよ」
四大元素の人型をとれる精霊を介して、強引に押し込めている力技で、封印というよりかは、重石で蓋をしているようなもの。時間と共に効果は薄れるので、定期的に重ねがけしている状況らしい。
封印は完全ではないと言うことなので、瘴気や闇落ちを刺激しないよう、中に立ち入りはおろか、封印に近づく事も許されない。
結界が崩壊したら、国の、人の世の終焉を意味するとまで言われている。
それはかなりヤバい状況なのですね⋯⋯
それでも、新たな瘴気を発生させる訳にもいかず、人の多い場所からまわることになったらしい。
美弥子達、大丈夫かな⋯⋯
「心配かい?」
今日はカインハウザー様も一緒に、街中を見廻っている。
お祭りの後で、他国から大神殿へ詣った人達のUターンラッシュとも言うべき人出で、あちこちに負の感情の凝りが蟠っているのだ。
大神殿の目がなくなったので、こそこそせずにゆったりと、アリアンロッドと一緒に見つけ次第、瘴気に発展する前に、凝りや穢れを祓って歩いている。
精霊や妖精に声をかけて交流するついでに、穢れ祓いの修行も積んでいくことには、もう抵抗はなかった。
──町の人々のために、私に出来ることは何でもやらなくちゃ
温かくて優しいこの街の人達の笑顔を護っていきたい。そう決心したから。
「はい。とても大きな光の精霊と契約したと聞いていますから、役目を果たせるかについてはそこまでは。ただ、どうしても危険を伴う行為なので、怪我をしたり不測の事態に陥る事もあるかもしれないから⋯⋯」
「大神殿所属の僧兵や神官戦士が多く追従しているはずだから、突然襲われて大怪我ということは少ないだろう」
──少ない
ない訳じゃないんだよね、やっぱり。怪我をしないに越したことはないけれど、彩愛さんがいれば、なんとかなるのかな。
西花屋敷彩愛さんは、美弥子の同級生で、緑気の巫女として治癒能力に長けた神聖術を使える。神殿に詰める治療士達の上級職で、緑気の精霊の加護を持っている。
もう一人の同級生、さくらさんも、小動物の姿をした光の精霊と契約した巫女で、『聖女』である美弥子が格式は上だけど、彼女も立派に穢れ祓いはやってのけるという。
「浄化巡りに出るようになったと言うことは、僧兵や神官戦士の武具に、精霊力を授ける事が出来るようになったんだろうから、そう心配することもないんじゃないかな?」
サヴィアンヌの見立てでは、美弥子と契約した光の精霊は、かなり大きく年古りた存在で、一体でもそうそう闇落ちに負けたりしないとの事だった。
《それに、シオリは精霊に好かれるカラ、契約した精霊としか交信しないミヤコより柔軟に対応できるようになるはずヨ? アリアンだっているんダシ。なんならついてク? 襲われたら助けてアゲル?》
現実問題、そんなことになったら、大神官達に囲い込まれて、ここへは戻ってこれなくなりそうだし、何より美弥子のプライドや神経を逆なでするんじゃないかしら。
《確かに、お礼を言うどころか、余計なことをしたと罵られそうヨネ》
《あの光のは、どこがよくてミヤコと契約したのかしら? まあまあ澄んだ魂だったけれど、どこか歪でシオリほど綺麗じゃないわ》
フィリシアは精霊なのに、眉を顰めて豊かな表情を見せる。そして、正直者だ。
美弥子への印象はよくないらしい。
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