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【萌々香 Ⅱ】
📵13 消えた溶岩流?
しおりを挟むその、気持ち悪くて恐ろしい魔物は、愛唯の火球でオーバーキルされ蒸発してしまったのに周りはまだ燃え盛ってて、溶けた岩がグツグツと煮え滾ってて、視覚に訴えて恐怖心を煽ってます。
醜鬼や豚鬼は、討ち漏らすと徒党を組んで襲って来たり、女性を掠って爆発的に繁殖する(多産)らしいので、殲滅推奨モンスター。
だからってなんで、辺り一面、火山活動してるみたいになってるんや。
連れ去られた女性達ごと、巣まで焼き尽くす気か。
(もういいよね、これ、収まらないかな)
──え? 要らない? そうだよね、木とか草とか動物とか、可哀想だよね~
──解る解る
──止めよーよ? 消しちゃえ!
え? 本当に、嘘みたいに、フッと愛唯の放った火球が消え、煮え滾っていた周辺の土地が冷えて、真っ黒で磨き込まれた石材のような、真っ平らの石床になっていた。
うーん、黒いスケートリンクみたい。急激に冷えた熔岩は、ガラス状に巨大な一枚板として、私を中心に半径50mくらい広がっている。
「なに? どうなってんの?」
──モモカ、火はもう要らないって
──だから消した
──草原の生き物にも迷惑だよね
「萌々香!! アンタ、何かした?」
どう見ても怒ってる風の愛唯に、無言で首を横に振る。怖い。
少なくとも、私はやってない。周りが酷いから、収まらないかなと思っただけ⋯⋯
精霊がお願いを聞いてくれた感じ?
「あまりにも凄いから、精霊が鎮めてくれたんじゃないかな? アオイ、火力高いね」
マクロンさんのフォローが入り、みんなで相談した結果、火力が高過ぎたので、周りへの影響を鑑みた精霊達が、威力を削ぎ魔法をキャンセルしたということになったみたい。
みたい、と言うのは、腰が抜けた私は、ガラス板の上から動けないから。魔法士達の相談会に参加できなかったのだ。
そして、拾いに来てくれたマクロンさんのお父さん抱っこで馬車に運ばれたのは言うまでもない。
❈❈❈❈❈❈❈
オークについて、補足
ネットで調べた結果、やはり、豚面でおっさん体型のエロい亜人なのは日本ばかりで、欧米諸国では、緑や土気色の肌のオーガ風が主流みたいでした
(私の妙な偏った知識は、一応間違いではなかった Ԑ=(´∀`*) ホッ)
次話
📵14 逃げたい萌々香
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