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竜王国って、竜の国?
🚷6 シー(妖精)の足跡
しおりを挟むつるっとしてさらさら肌触りのポリエステル繊維の吸汗速乾シャツ、ポリウレタン10%でぴったしスパッツ、レーヨン100%のワイドパンツ、テンセルのフードパーカー。水深3㎝まで防水のシューズ。
異世界の娘さん姿完成。
改めて、坑道を魔物が掘り進めた洞穴から伸びる獣道を歩き出す。
所々、陽がたくさん当たっている、草や木のない開けた場所が有るけれど、基本、腰まで伸びた草を掻き分けて進む獣道だ。
─ああ、あれは妖精の環の跡だね
「妖精もいるの?」
──いるよ
──醜鬼だって、ニンゲンは妖魔って呼んでるけど、妖精族の一種じゃん
──綺麗で可愛いのは妖精で、醜くて悪さするやつは妖魔って呼び分けてるのはニンゲンの都合
──モモカの言う妖精って、バン・シーとかクー・シーとかピクシーの「シー」でしょ?
──まあ、精霊と妖精の明確な差って、あんまりないよね
「ええっ!?」
──肉体を持たず生まれた属性に特化してるか、核に存在値を固定してあらゆる物に憑ける妖気を纏っているか?
──妖精も肉体がない幽鬼みたいなのもいるしね
──まあ、妖精は色んな魔法を使うかな?
「え? じゃあ、妖精の方が上位なの?」
──なんで?
──ボクたち、属性のスペシャリストじゃん
──て言うか、どちらが上とか比べられるものじゃないよね
──妖精は、依り代を持って色んな魔法を使ったりイタズラしたり出来るけど、世界の根幹や理に係わってる訳じゃない
──ボクたちはイタズラしたり属性以外の魔法を使ったりは出来ないけど、世界の理を司って、有るべき姿であるように保つのが存在意義
──似てるけど全くの別物だよね
そうなのか。
──ちなみに、そこの妖精の環は、クー・シーの輪舞の跡だよ
──犬系らしくドタドタした跡だよね
私には、違いは判らなかったけど、精霊達を視る眼が育てば違うのかな。
次話
🚷7 そして、山に陽は落ちる
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