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竜王国って、竜の国?
🚷27 水道引くと驚かれるの?
しおりを挟む恐らくこの世界にはプラスチックはないから、素材や技術の問題で、気楽にパイプを引くという発想はなかったのだろう。
モーターや電動ポンプも、電動機器やコンセントもないんだし、魔力で稼働させる魔道具を作るにも、何かしら制約があるのかもしれない。
「手入れは面倒ですけど、魔法があるんだから、精霊に定期的に点検させるとか掃除させるとか。陶器か金属で作って各部屋に繋げれば⋯⋯」
「二階以上に水が行くかしら?」
「貯水タンクを屋上に設置するか、一階や地下に貯水池を設置しても、水圧をかければ上がるでしょう?」
魔法が普通にある世界。科学工業技術よりかは楽に色々出来るんじゃないのかしら。
「いや、あの、魔法を使ってお湯を作るのも、人それぞれ属性の相性とか魔力の個人差があるだろうし、バケツで運ぶのも何往復するねんって、大変だろうから、必要な場所へ、それぞれ各部屋にお水の方から来て貰えたら楽かなーと、思った、のです、が⋯⋯」
アディライトさんが、マディラさんが、眼をきらきらさせてこちらを見ている。
「地上や地下の貯水池は、周りや上の地に、馬や野生動物を入れないようにしないと、糞尿とか濾過した水が混じると困りますけど、屋上に貯水タンクを設置するなら、水魔法の得意な人が定期的に補充すれば、困らないでしょう?」
な、何? 既にやってるとか、やってみたけど問題があったとか?
途中二階以上に水が行き渡るか辺りから部屋に入ってきて、話を聞いていたガヴィルさんが溜め息をつく。
「なるほど。異世界人は保護しておかなければいけない訳ですな。向こうの常識が、こちらでは新技術になる可能性があるのがよく解る。悪い人間に捕まって利用されたらと思うと、想像だけでも恐ろしい」
うーん、これもまた、やらかしちゃったのかな。
どうやらここの人達は、個人で魔法が普通に生活の一部として使えるので、逆に使えない人のための利便性には目が行かないらしい。
私のようなただの女子高生でも、現代知識チートが出来ちゃうよ。
美土里や愛唯も、あの国でやらかして、巫女様聖女様って、ちやほやされてんのかな?
次話
🚷28 天然なのに合成繊維?
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