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第一章 目覚めた記憶
第5話 魔法学院へ
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そうして迎えた、二度目の入学式。
ここは王都郊外にある、乙女ゲームの舞台となる王立学園とは別の、より専門的で高度な魔法が学べる、魔法学院。
入学時期が一ヶ月ズレていることが幸いし、無事に試験を受け合格することができた私は、ここまで逃げられれば大丈夫だろうとホッとしながら式に出席していた。
魔法学院とは、入学試験その他諸々がやたらと難しく、厳しい教育機関である。
しかしそこは、幼少時から英才教育を受け続けてきた、貴族令嬢としての底力が役立った。
プライドが高く、人に劣ることをよしとせず、自分にも人にも厳しい性格は婚約者には煙たがられたが、幸いその努力に見合う結果を出せる地頭の良さもあって、見事に難関を突破したのだ。
ヒロインのライバル令嬢という設定だけあって、その辺は高スペックなのである。感謝しかない。
だが、王立学園より余程厳しいといわれる所以はその進級方法にあり、入学したからといって油断できない。
毎年行われる進級試験に合格しなければ即退学になるし、その試験が難しく今まで飛び級したものも殆どいないと聞く。
ここは袖の下が通用しない、完全なる実力主義の世界なのだ。たとえ王であっても、横やり一切、入れることができないという特殊な環境なのである。
卒業までの条件が厳しいので、在校生は必死に勉学に励む必要があり、一部の天才を除いて、社交の場に出ることさえ難しくなってしまうほどだとか……。
貴族にとって、社交界での人脈作りは大切なもの。成人した後の立ち位置にも影響を及ぼす可能性がある。致命的となりうるため、主要な大貴族はこの学園に通うことを避けるため、入学者数も少ない。
しかし王立学園なら、その点は安心である。
最短の学びの期間は一年間以上。在学には、十三歳から十七歳までの年齢制限があるが、その間に試験に合格してしまえばいつでも卒業することが出来るのだから。
上級貴族は入園前には既に学園で学ぶ知識を一通り身につけており、勉学のみが目的なら行く必要はない。
それでもここへ通うのは人脈を築き、貴族にとって大切な社交の基本を学園生活中に身につける為だ。
つまり、万が一にもキラキラした輝かしい経歴を誇る攻略対象の青年貴族達が来ることはなく、勿論、メインの攻略対象がいる王立学園を捨ててまでヒロインが来ることもあり得ないだろう。
王立学園の入学式に、彼女が出席していたかどうかの確認はとれていないが、その点は心配していない。
王立学園は、社交術も含め、広く浅くいろんな知識を学べるが、ここ魔法学院では魔法のみの一点突破。
それだけにつける職は限られてくるが私にとっては都合がいい。専門性が高いため、職に就くのが難しい女性であっても食いっぱぐれることも少ないからだ。
万が一、シナリオの強制力とやらが働いて家から追放されてしまった場合でも、十分生きていけるだろう。
ここで得られる知識は、必ず将来役に立つこと間違いないのだ。
という訳でこの魔法学院は悪役令嬢ヴィヴィアンにとって、破滅に向かってまっしぐらな未来を回避しながら学べるという、優しさ溢れる場所なのである。
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