悪役令嬢だと気づいたので、破滅エンドの回避に入りたいと思います!

飛鳥井 真理

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第一章 目覚めた記憶

第48話 相性の良い属性

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 ヒロインに都合よく有利に働くこの世界は、悪役令嬢であるヴィヴィアンに厳しいのである。

 とりあえず、今判明している中では精霊契約が幸運値を上げられる近道のようだが、運のないヴィヴィアンには不利であることに変わらない。


「契約にどれだけ時間が掛かるか不明ですが、一番いいのは守護精霊と契約できることです。でも、一般的な四属性精霊との契約でも少しは効果が出るはずです」

「挑戦してみないと分かりませんものね。でも、成長した成果が出るかもしれないと思うと、期待してしまいますの」

「前世では体験できないことですしね。僕も結構ワクワクしてますよ、場所が場所ですし」

「この森には魔法学院の生徒しか入れませんものね」

「はい。エルフ族である学院長先生がいらっしゃるおかげで、精霊達も人に好意的なものが集まっていますし。恩恵を受けれる可能性が高い稀有な場所ですから」

「ええ、本当に、ありがたいことです」



 精霊は、自然の力が漲っている力ある場所を好む。

 例えば活動中の火山や、太古の状態を維持している森などだ。気まぐれな気質を持つため、人を気に入って力を貸すものや、森の中でのんびり過ごしていくものと様々だが、多くは人跡未踏の地にいる。
 そのため、中々こんなに身近な場所に絶好のスポットはなく、入れるだけヴィヴィアン達は恵まれているのだ。

「精霊は、元々精霊が多くいる場所や、精霊に好かれる人がいるところに集まりやすいといわれています。その習性を利用しましょう」

「まずはフレデリック様だけでも成功するといいのですが。そうやって挑戦し契約した精霊達を連れた上で、シリル様達の契約を手伝うという流れでいいのかしら?」

「はい、効率よく契約するにはその方法がいいんじゃないかと考えています」

「確率が上がりそうですわね。精霊学の授業では、自分の得意な属性の精霊とは契約しやすいと習いました」

「ええ、森の中ですと土と水、風属性が有利だと思います」



 基本的には、火、水、風、土の4大属性のものが大半を締め、極一部のレアな精霊のみ、光や闇、雷の特殊属性を持つらしい。

 ヴィヴィアンであれば火魔法が得意なので火属性の精霊と、フレデリックならば風属性、シリルとリリアンヌは水属性といった感じだ。

 この場所には火属性の精霊は少ないので、又々ヴィヴィアンには不利だが、少ないだけでいない訳ではないので精霊の気まぐれに期待をかけるしかない。



 ――そうやって話している内に、二人は本日の目的地に辿り着いた。




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