悪役令嬢だと気づいたので、破滅エンドの回避に入りたいと思います!

飛鳥井 真理

文字の大きさ
54 / 89
第一章 目覚めた記憶

第54話 不気味です

しおりを挟む
 

 ――主要な攻略対象といえば、クリストファー・ランドル第二王子殿下と、王弟の長男であるハロルド・バイロン公爵令息。
 シリル・レジーナ侯爵令息とフレデリック・サクス伯爵令息、ロイド・リーン子爵令息の五名で、タイプは異なるももの美形揃いで高スペックのキラキラしいメンバーである。



 彼らの攻略は案外難しい……と思ったのかどうかは不明だけど彼女が今、侍らせているのは彼らではない。

 イケメンとなれば、身分の上下を問わず手当たり次第に声を掛け、何人かの大商人や下位貴族の令息を堕として取り巻きを作るのに成功したようなのだ。


 主要キャラ以外の男性とのイベントはほとんど無かったはずなので何をしたのかは不明だが、こぞってヒロインに入れあげているらしい。
 ここ最近では、彼女に愛を囁く集団を嫌でも目撃するのだとリリアンヌからの手紙にあった。
 庶出の男爵令嬢が繰り広げる非常識な桃色空間に、学園が侵食されたようで見るに耐えないと。


 ――主要な五人の高位貴族を攻略するには、ヒロインにも成長を求められる。それが出来なくて、一旦、攻略を中断しているのだろうか?
 恋愛に関してはチート級なのだから、お相手のスペックにこだわらなければいくらでも引っかけられそうだけど……。


 攻略キャラ以外を取り巻きにして侍らせているということは、もう顔と金さえあればなんでもよくなっているのか?


 貴族女性としてのマナーも付け焼き刃で、学力も魔力も突出したものはない、見た目だけの令嬢にどうして夢中になれるのか……。

 リリアンヌからの手紙には、そんな疑問を持つ貴族令嬢も多くいて、ルチル嬢との関係が徐々にギスギスしてきたとも書いてあった。
 令嬢達のなかには、自分の婚約者がヒロインに入れ込んでいる者もいるので、不満や鬱憤が溜まってきているのだとか。

 だがそんな彼女の、おつむが弱くて頼りなげな風情が男の自尊心を煽り、ふわふわと愛らしい姿が庇護欲をそそるのかもしれない。

 滅多にお目にかかれないような美少女に好意的に話しかけられ、頼りにされて甘えられたら、世間知らずの少年達はイチコロなのではないだろうか?



「そこのところ同じ男性として、フレデリック様はどう思われますの?」

「僕的はリリーひと筋なので特に何とも…… 思わないはずなんですが。実際に何度も対面することになっていたら、最終的にどうなるか分かりません」

「……自分の意思とは関係なく、シナリオの強制力に絡め取られるかもしれない、と?」

「ええ。不当に意識を操られそうで怖いですね。ヴィヴィアン嬢のおかげで、努力すれば決まった道筋を変えられる可能性がみえたとはいえ、初めから近づかないのが一番安全かな、と思ってます」

「そうですわね。シリル様からの手紙にも、 取り巻きができても彼らを引き連れて会いに来ているそうですから。攻略を完全に諦めているとは考えられないですしね」


 しかし、そんなに侍らせていてもまだ足りないというのだろうか……どんだけ肉食系女子なんだ、ヒロインのルチル嬢って……。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」 公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。 死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」 目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。 「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」 隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。 そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……? 「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」 資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

処理中です...