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第93話薬膳つけ麺、海に舞う! 〜王姫と姉弟子のラーメン勝負!?〜
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「じゃーん! 本日、私が考案しました“クラリーチェ式東方涼香つけ麺”でございます!」
「えっ!? 姫様、それ本気の挑戦状ッスか!?!?」
王宮の大広間に設置された特設キッチン。
美月が一時帰国している間、ソルティナはクラリーチェの指南役を兼任しながら、ラーメン文化の啓発に励んでいた。
しかし、その“生徒”は――思っていたよりもずっと、ぐいぐい来るタイプだった。
「このつけ麺は、海洋国家で得た食材と、あなたの教えを融合させて完成した、いわば“わたくしの渾身の一杯”ですの!」
「いや、だからって……試食会って聞いてたのに、どうして勝負形式になってるんスか~~!」
「ふふふ、海と風と香辛料、そして愛。全部入ってますのよ!」
「……それ、スパイス入れすぎる女子のやつッス!」
リリアーナがくいっと扇子を動かして登場した。
「よろしいですこと。では、審査員はこのわたくしが務めましょう。どちらの麺が“より夏を感じさせる一杯”か、しかと見届けて差し上げますわ」
「って、えぇぇ~~!? 本当にガチ勝負なんスか!?」
________________________________________
◆勝負開始! つけ麺姉妹対決
「姫様のつけ麺、いただきま~す……うおっ、ミントの清涼感と、出汁に漬けられた白魚の風味……まるで、潮風を食べてるみたいッス!!」
「でしょう? ミヅキカモミールとミヅキレモンの皮も隠し味にしてありますの!」
「くぅぅ~~~! じゃあ、次は……姉弟子・ソルティナ作、“三日寝かせ冷燻つけ麺”! いっきます!」
「む……!? こっちは……炭火で軽く燻された鶏の香りがスープに溶け込んでいて……しかも、噛むたびに風味が広がって……これは、ラーメンというより一種の芸術ですわ!」
「ふふん、やったッス! 地味に準備に三日かけた甲斐があった~!」
「いい勝負ですわ、ソルティナ……いえ、姉弟子!」
「姫様ぁああああ、今さらその呼び方やめてほしいッスううう!」
________________________________________
◆そして、新たな祭へ――
その日の午後、ソルティナたちは新たな告知に驚愕する。
「美月様からの緊急連絡ですわ。“つけ麺フェス外交編”が正式に各国に採択されましたって!」
「……あ、これ趣味じゃなかったんスか?」
「ええ、もはや“国家規模の食文化交流事業”ですわ」
「ソルティナ殿、これよりつけ麺外交団として、諸国を巡る準備を――」
「ひええええぇ!? いや、姉弟子って、そんなに出世する役職だったんスか~~~!?」
________________________________________
◆その夜のひとコマ
「……でもさ」
ソルティナは王宮の中庭で、クラリーチェと並んで腰かけていた。
「今日の勝負、負けても嬉しかったッス。姫様が、ラーメンのこと、あんなに真剣に考えてくれてて」
「うふふ、わたくしもですわ。教わるだけでは満足できなくなって、自分で何かを作りたくなったのです。これもきっと、美月様とあなたのおかげですわね」
「……姫様。あの、いつか……本当にラーメン屋、開きます?」
「ええ、夢ではありませんわ。だって、わたくしたちには、“ラーメン”という共通の魔法があるのですもの」
「……うまいこと言ったッスね。姫様って、詩人だったんスか?」
「いいえ、“詩人志望の麺職人”ですわ」
「新ジャンルすぎるッスよぉぉぉ!!」
「えっ!? 姫様、それ本気の挑戦状ッスか!?!?」
王宮の大広間に設置された特設キッチン。
美月が一時帰国している間、ソルティナはクラリーチェの指南役を兼任しながら、ラーメン文化の啓発に励んでいた。
しかし、その“生徒”は――思っていたよりもずっと、ぐいぐい来るタイプだった。
「このつけ麺は、海洋国家で得た食材と、あなたの教えを融合させて完成した、いわば“わたくしの渾身の一杯”ですの!」
「いや、だからって……試食会って聞いてたのに、どうして勝負形式になってるんスか~~!」
「ふふふ、海と風と香辛料、そして愛。全部入ってますのよ!」
「……それ、スパイス入れすぎる女子のやつッス!」
リリアーナがくいっと扇子を動かして登場した。
「よろしいですこと。では、審査員はこのわたくしが務めましょう。どちらの麺が“より夏を感じさせる一杯”か、しかと見届けて差し上げますわ」
「って、えぇぇ~~!? 本当にガチ勝負なんスか!?」
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◆勝負開始! つけ麺姉妹対決
「姫様のつけ麺、いただきま~す……うおっ、ミントの清涼感と、出汁に漬けられた白魚の風味……まるで、潮風を食べてるみたいッス!!」
「でしょう? ミヅキカモミールとミヅキレモンの皮も隠し味にしてありますの!」
「くぅぅ~~~! じゃあ、次は……姉弟子・ソルティナ作、“三日寝かせ冷燻つけ麺”! いっきます!」
「む……!? こっちは……炭火で軽く燻された鶏の香りがスープに溶け込んでいて……しかも、噛むたびに風味が広がって……これは、ラーメンというより一種の芸術ですわ!」
「ふふん、やったッス! 地味に準備に三日かけた甲斐があった~!」
「いい勝負ですわ、ソルティナ……いえ、姉弟子!」
「姫様ぁああああ、今さらその呼び方やめてほしいッスううう!」
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◆そして、新たな祭へ――
その日の午後、ソルティナたちは新たな告知に驚愕する。
「美月様からの緊急連絡ですわ。“つけ麺フェス外交編”が正式に各国に採択されましたって!」
「……あ、これ趣味じゃなかったんスか?」
「ええ、もはや“国家規模の食文化交流事業”ですわ」
「ソルティナ殿、これよりつけ麺外交団として、諸国を巡る準備を――」
「ひええええぇ!? いや、姉弟子って、そんなに出世する役職だったんスか~~~!?」
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◆その夜のひとコマ
「……でもさ」
ソルティナは王宮の中庭で、クラリーチェと並んで腰かけていた。
「今日の勝負、負けても嬉しかったッス。姫様が、ラーメンのこと、あんなに真剣に考えてくれてて」
「うふふ、わたくしもですわ。教わるだけでは満足できなくなって、自分で何かを作りたくなったのです。これもきっと、美月様とあなたのおかげですわね」
「……姫様。あの、いつか……本当にラーメン屋、開きます?」
「ええ、夢ではありませんわ。だって、わたくしたちには、“ラーメン”という共通の魔法があるのですもの」
「……うまいこと言ったッスね。姫様って、詩人だったんスか?」
「いいえ、“詩人志望の麺職人”ですわ」
「新ジャンルすぎるッスよぉぉぉ!!」
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