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「……お兄ちゃん、今までずーっと、頑張ってきたよね」
ごはんのおかわり3杯目をよそいながら、彩がぽつりと言った。
「ん? まあね。頑張ってはいたつもり。結果、会社なくなって、彼女にフラれて、人生バグったけど?」
「いや、それバグじゃなくて“バフ”じゃない? 3億円当てた人のセリフじゃないよそれ!」
「それ言われると返せないな……うん……急に幸せすぎてまだ受け止めきれてないというか……」
彼が箸を置いたその瞬間だった。
「……ていうかさ」
彩が急に真剣な顔で言葉を継いだ。
「私、ずっと好きだったんだよ。……兄妹とかじゃなくて、一人の人として。」
「……へ?」
ぽかんとする彼。味噌汁の湯気だけが、時間を埋める。
「いや、えっ、それって――あの、恋愛感情的な?」
「うん。まあ、今さらすぎるし、びっくりだよね。でもさ、うちの両親も言ってたよ。“あの子と一緒になったら、人生安泰だ”って。」
「いやいや、安泰って……俺、さっきまで無職だったんだけど!?」
「でも今は、ほら、現金3億円&地道に日記書く真面目さの合わせ技で、国家公務員より安定してるってうちの母が言ってたよ?」
「すげえ評価……しかも“日記”が評価ポイントになってるとは……」
彼がまだフリーズしていると、彩は少しだけ頬を赤らめながら、早口で続けた。
「だからね、これ以上どんでん返し来る前に言っちゃう! 私と結婚しない? いや、今すぐ決めろとは言わないけど、いやむしろ決めてもらえるとこっちは助かるというか、えっと、そう、婚姻届、実は書いてあるんだけど――!」
「えっ!? 早すぎん!?」
「いやもうさ! 3億円当てて戻ってきた元同居兄に、“好きでした”って言って、放置したら負けじゃん!?」
「そのロジック、何競技?!」
「愛の全力競技ですけど!?」
彼は目をぱちぱちさせたあと、深呼吸をひとつ。
「……じゃあ、聞くけど」
「うん」
「俺と結婚して、やっていける? 笑ったり怒ったりしながら、1日1個、幸せを一緒に数えていく生活を」
彩は、少し泣きそうな笑顔で、うなずいた。
「むしろ、それがずっと夢だったんだけど」
こうして、“従妹歴25年”のふたりは、その日のうちに役所に向かうことになる。
しかも、婚姻届はすでに書かれていた。ペンと印鑑も、しっかり封筒に入っていた。
準備力、さすがだった。
最後までお読みいただきありがとうございます🌷
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あなたのひと言が、次のお話を書く力になります✨
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「ん? まあね。頑張ってはいたつもり。結果、会社なくなって、彼女にフラれて、人生バグったけど?」
「いや、それバグじゃなくて“バフ”じゃない? 3億円当てた人のセリフじゃないよそれ!」
「それ言われると返せないな……うん……急に幸せすぎてまだ受け止めきれてないというか……」
彼が箸を置いたその瞬間だった。
「……ていうかさ」
彩が急に真剣な顔で言葉を継いだ。
「私、ずっと好きだったんだよ。……兄妹とかじゃなくて、一人の人として。」
「……へ?」
ぽかんとする彼。味噌汁の湯気だけが、時間を埋める。
「いや、えっ、それって――あの、恋愛感情的な?」
「うん。まあ、今さらすぎるし、びっくりだよね。でもさ、うちの両親も言ってたよ。“あの子と一緒になったら、人生安泰だ”って。」
「いやいや、安泰って……俺、さっきまで無職だったんだけど!?」
「でも今は、ほら、現金3億円&地道に日記書く真面目さの合わせ技で、国家公務員より安定してるってうちの母が言ってたよ?」
「すげえ評価……しかも“日記”が評価ポイントになってるとは……」
彼がまだフリーズしていると、彩は少しだけ頬を赤らめながら、早口で続けた。
「だからね、これ以上どんでん返し来る前に言っちゃう! 私と結婚しない? いや、今すぐ決めろとは言わないけど、いやむしろ決めてもらえるとこっちは助かるというか、えっと、そう、婚姻届、実は書いてあるんだけど――!」
「えっ!? 早すぎん!?」
「いやもうさ! 3億円当てて戻ってきた元同居兄に、“好きでした”って言って、放置したら負けじゃん!?」
「そのロジック、何競技?!」
「愛の全力競技ですけど!?」
彼は目をぱちぱちさせたあと、深呼吸をひとつ。
「……じゃあ、聞くけど」
「うん」
「俺と結婚して、やっていける? 笑ったり怒ったりしながら、1日1個、幸せを一緒に数えていく生活を」
彩は、少し泣きそうな笑顔で、うなずいた。
「むしろ、それがずっと夢だったんだけど」
こうして、“従妹歴25年”のふたりは、その日のうちに役所に向かうことになる。
しかも、婚姻届はすでに書かれていた。ペンと印鑑も、しっかり封筒に入っていた。
準備力、さすがだった。
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