22 / 77
第21話 メイドのスカウトはご遠慮下さい。
しおりを挟む
メレーヌさんもだいぶ、メイドの仕事が板についてきた。
「だいぶ慣れてきたみたいだね」
「あ、御影さん。はい、杏さんとクラリスさんに色々教えてもらいましたので」
やっと御影のやりたかったメイドカフェに近づいてきた。
ありがたいことか、王様からのお呼び出しもない。
「おかえりなさいませ。ご主人様。こちらのお席にどうぞ」
メレーヌが接客している。
「ん? この辺じゃ見ない顔だな。一応、注意しておくか」
その男は御影と似たようなスーツ姿であり、髪形も決めているが、どこか、チンピラのような雰囲気を纏っている。
『感覚拡張』
御影は魔法を展開した。
視界にその男を捉えつつ、聴覚に意識を持っていく。
「ご注文お決まりですか?」
杏が注文を聞きに行く。
「ん。じゃあ、ホットの紅茶で」
男が答えたのが聞こえた。
「かしこまりました」
注文を取って、杏が戻ってくる。
今のところ問題は無いな。
御影は少し安心した。
このまま何事もないといいのだが。
面倒事は出来る限り避けたい。
一応、飲食店なのだから、そんなにホイホイ面倒事を持ち込まないでいただきたいものだが。
そんな、御影の期待は打ち砕かれることになる。
「お待たせしました。ホットの紅茶です」
メレーヌがお盆に紅茶を乗せて、その男の席まで運んだ。
「君、この前まで娼館で働いていたよね?」
「へ?!」
男がメレーヌに向かってニヤニヤとした笑みを浮かべながら言った。
「まずいな」
御影は心の中でそうつぶやいた。
「娼館の次はメイドさんか? どうだ? もう一度、娼婦として働かねぇか?」
「も、もう、娼婦なんてやりませんし、する必要がありません!! 失礼します」
「ちょっと待てよ。娼婦やっていた事ばらされたくないだろ?」
その男がメレーヌの腕をつかんだ。
「あ、あの人、終わりましたね」
「ええ、そうね」
少し離れた所から見ていた杏とクラリスが言った。
溜息混じりに御影がキッチンから出てきた。
「お客さん、メイドにお触りは厳禁って書いてあるよな? それとも馬鹿には読めなかったか?」
「うるさい! 男はすっこんでろ。こいつはな、娼婦だったんだぞ」
男は息を荒くしながら言い放った。
「だから何だ? こっちはな、それを知った上で雇ってんだよ。うちの店でスカウトするとはいい度胸だな。スカウトならよそでやれ。それとも、痛い目を見ないとわからないか?」
御影もドスの効いた声で言い放った。
それと同時に向けた殺気に男は言葉を詰まらせたが、次の瞬間、懐からナイフを抜いた。
こちらに向かってくるナイフを持った手首をとり、捻り上げて、ナイフを落とす。
落ちたナイフをカウンターの方まで蹴り飛ばし、手の届かないようにする。
捻った手を一度離し、よろめいた所に回し蹴りをお見舞いした。
「き、貴様、何者だ?」
「叢雲御影、この世界で最強と言われた者だよ」
「む、叢雲だと?! なんで魔法使いが体術なんて使えるんだ!!」
驚いたような顔をこちらに向けた。
「だってここ内だし。魔法なんて放つわけにはいかんでしょうに」
御影の戦闘スキルは常人をはるかに超えている。
「お前うちのメイドに手を出すのが悪い。さっさと消えな」
御影の迫力にスカウトの男は足早に立ち去った。
「大丈夫か? 変なのに絡まれて大変だったな」
「いえ、それは大丈夫なんですけど、御影さん、強すぎませんか?」
「え? そう? 普通だよ。まあ、ちょっとムカついたしね」
離れている所から見ていた杏とクラリスは呆れていた。
「さあ、仕事に戻りましょう」
御影の指示で何事も無かったかのように仕事を再開するのであった。
「だいぶ慣れてきたみたいだね」
「あ、御影さん。はい、杏さんとクラリスさんに色々教えてもらいましたので」
やっと御影のやりたかったメイドカフェに近づいてきた。
ありがたいことか、王様からのお呼び出しもない。
「おかえりなさいませ。ご主人様。こちらのお席にどうぞ」
メレーヌが接客している。
「ん? この辺じゃ見ない顔だな。一応、注意しておくか」
その男は御影と似たようなスーツ姿であり、髪形も決めているが、どこか、チンピラのような雰囲気を纏っている。
『感覚拡張』
御影は魔法を展開した。
視界にその男を捉えつつ、聴覚に意識を持っていく。
「ご注文お決まりですか?」
杏が注文を聞きに行く。
「ん。じゃあ、ホットの紅茶で」
男が答えたのが聞こえた。
「かしこまりました」
注文を取って、杏が戻ってくる。
今のところ問題は無いな。
御影は少し安心した。
このまま何事もないといいのだが。
面倒事は出来る限り避けたい。
一応、飲食店なのだから、そんなにホイホイ面倒事を持ち込まないでいただきたいものだが。
そんな、御影の期待は打ち砕かれることになる。
「お待たせしました。ホットの紅茶です」
メレーヌがお盆に紅茶を乗せて、その男の席まで運んだ。
「君、この前まで娼館で働いていたよね?」
「へ?!」
男がメレーヌに向かってニヤニヤとした笑みを浮かべながら言った。
「まずいな」
御影は心の中でそうつぶやいた。
「娼館の次はメイドさんか? どうだ? もう一度、娼婦として働かねぇか?」
「も、もう、娼婦なんてやりませんし、する必要がありません!! 失礼します」
「ちょっと待てよ。娼婦やっていた事ばらされたくないだろ?」
その男がメレーヌの腕をつかんだ。
「あ、あの人、終わりましたね」
「ええ、そうね」
少し離れた所から見ていた杏とクラリスが言った。
溜息混じりに御影がキッチンから出てきた。
「お客さん、メイドにお触りは厳禁って書いてあるよな? それとも馬鹿には読めなかったか?」
「うるさい! 男はすっこんでろ。こいつはな、娼婦だったんだぞ」
男は息を荒くしながら言い放った。
「だから何だ? こっちはな、それを知った上で雇ってんだよ。うちの店でスカウトするとはいい度胸だな。スカウトならよそでやれ。それとも、痛い目を見ないとわからないか?」
御影もドスの効いた声で言い放った。
それと同時に向けた殺気に男は言葉を詰まらせたが、次の瞬間、懐からナイフを抜いた。
こちらに向かってくるナイフを持った手首をとり、捻り上げて、ナイフを落とす。
落ちたナイフをカウンターの方まで蹴り飛ばし、手の届かないようにする。
捻った手を一度離し、よろめいた所に回し蹴りをお見舞いした。
「き、貴様、何者だ?」
「叢雲御影、この世界で最強と言われた者だよ」
「む、叢雲だと?! なんで魔法使いが体術なんて使えるんだ!!」
驚いたような顔をこちらに向けた。
「だってここ内だし。魔法なんて放つわけにはいかんでしょうに」
御影の戦闘スキルは常人をはるかに超えている。
「お前うちのメイドに手を出すのが悪い。さっさと消えな」
御影の迫力にスカウトの男は足早に立ち去った。
「大丈夫か? 変なのに絡まれて大変だったな」
「いえ、それは大丈夫なんですけど、御影さん、強すぎませんか?」
「え? そう? 普通だよ。まあ、ちょっとムカついたしね」
離れている所から見ていた杏とクラリスは呆れていた。
「さあ、仕事に戻りましょう」
御影の指示で何事も無かったかのように仕事を再開するのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
幼子家精霊ノアの献身〜転生者と過ごした記憶を頼りに、家スキルで快適生活を送りたい〜
犬社護
ファンタジー
むか〜しむかし、とある山頂付近に、冤罪により断罪で断種された元王子様と、同じく断罪で国外追放された元公爵令嬢が住んでいました。2人は異世界[日本]の記憶を持っていながらも、味方からの裏切りに遭ったことで人間不信となってしまい、およそ50年間自給自足生活を続けてきましたが、ある日元王子様は寿命を迎えることとなりました。彼を深く愛していた元公爵令嬢は《自分も彼と共に天へ》と真摯に祈ったことで、神様はその願いを叶えるため、2人の住んでいた家に命を吹き込み、家精霊ノアとして誕生させました。ノアは、2人の願いを叶え丁重に葬りましたが、同時に孤独となってしまいます。家精霊の性質上、1人で生き抜くことは厳しい。そこで、ノアは下山することを決意します。
これは転生者たちと過ごした記憶と知識を糧に、家スキルを巧みに操りながら人々に善行を施し、仲間たちと共に世界に大きな変革をもたす精霊の物語。
50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく
かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。
ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!?
俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。
第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。
「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」
信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。
賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。
様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する!
異世界ざわつき転生譚、ここに開幕!
※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。
※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる