元最強賢者は異世界でメイドカフェを開きます〜転生賢者のメイドカフェ経営〜

津ヶ谷

文字の大きさ
34 / 77

第33話 何故か国王陛下から呼び出されました。

しおりを挟む
「旦那様、王宮より書簡が届いております」

執事のロイクが書簡を手に御影の元にやって来た。

『明日、午前九時王宮へと来られたし』

書簡にはそれだけが書かれていた。

「午前九時って早すぎないか。せっかく明日は休みなのに」

このところ、魔道具の製作などに明け暮れていたため、ろくに寝ていなかったのである。
しかも、明日は御影の誕生日である。
こっちの世界にも誕生日をお祝いするという文化があるということは知っているが、御影は誕生日を誰にも教えていないはずである。

「仕方ないな。行くかぁ」

御影が一気に不機嫌な顔になったのに対して、ロイクはニコニコしている。

「旦那様もこのところ、お疲れでしょうから今日は早めにお休みになられてはいかかがですか?」
「そうだな。そうするよ」

御影は晩御飯を食べ終わると早々に眠りについた。  
 
 翌朝、御影はクラリスたちより早く起き、朝食を食べていた。

「おはようございます。御影さん。今日はお早いですね」

クラリスと杏、メレーヌが起きてきた。

「ああ、今日は国王陛下からお呼び出しを受けたからね」

御影はいつにもまして機嫌が悪かった。

「じゃあ、行ってくる。お昼くらいには帰れると思うから」

御影はいつものスーツに身を包み、王宮までの道を歩いていた。

「ここで、杏と出会ったんだよな。もう、三ヶ月も前か。ずいぶん懐かしく感じるな」

そんなことをぼんやり考えながら歩いていると王宮が見えてきた。
 いつも通り、顔パスで中に入ると、メイドさんにより、応接間に通される。
しばらく待つと陛下が入って来た。  

「今回は何のご用ですか?」
「まあまあ、そんなあからさまに不機嫌な顔をするでないよ」
「今、何時だと思ってるんですか。呼び出すならもう少し遅い時間にしてくださいよ」
「いやぁ、すまんな。ワシがこの時間しか空いてなくてな。最近どうだね? メイドカフェの方は?」
「お陰さまで繁栄してますけど」
「おお、それは良かった。ワシももう一度くらい行きたいぉ。また貸しきりにしてはくれんかね?」
「ええ、まあそれはいいですけど、まさか、そんなことを言うためにわざわざ呼び出したんじゃないですよね?」
「じゃあ、本題に入ろうか」

陛下が真剣な顔になった。
 実は、ロイクさんに言われなくても御影を近々、呼び出すつもりだったらしい。

「また、秘密結社レギロンが動き出した。まだ目的は不明だが、このまま放っておくわけにもいかない。制圧部隊を出すのだが協力してはくれんか?」

秘密結社レギロンは、高度な暗殺部隊や魔術師連中をかき集めた反社会的組織である。
過去には国王の暗殺までを企てた危険な組織である。

「お断りします。うちに店に危害を加えるようなら話は別ですが、何もないなら、僕の出る幕ではありませんから」
「そうか、分かった。気が変わったら教えてくれ」

国王陛下はあっさりと引き下がった。
何だか逆に気持ちが悪い。

 王宮を出るともう、お昼を回っていた。

「たっく、話が長いんだよな王様は」

愚痴をこぼしていると、御影の指輪が光った。

『旦那様、メイドカフェの方で何やらトラブルがあったようです』

うちの家令のロイクにも通信魔道具を渡していた。
仕事の邪魔にならないよう、ブレスレットの形にしたのだが。

「分かった。すぐ行く」

御影は通信を切り、メイドカフェへと走った。            
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

幼子家精霊ノアの献身〜転生者と過ごした記憶を頼りに、家スキルで快適生活を送りたい〜

犬社護
ファンタジー
むか〜しむかし、とある山頂付近に、冤罪により断罪で断種された元王子様と、同じく断罪で国外追放された元公爵令嬢が住んでいました。2人は異世界[日本]の記憶を持っていながらも、味方からの裏切りに遭ったことで人間不信となってしまい、およそ50年間自給自足生活を続けてきましたが、ある日元王子様は寿命を迎えることとなりました。彼を深く愛していた元公爵令嬢は《自分も彼と共に天へ》と真摯に祈ったことで、神様はその願いを叶えるため、2人の住んでいた家に命を吹き込み、家精霊ノアとして誕生させました。ノアは、2人の願いを叶え丁重に葬りましたが、同時に孤独となってしまいます。家精霊の性質上、1人で生き抜くことは厳しい。そこで、ノアは下山することを決意します。 これは転生者たちと過ごした記憶と知識を糧に、家スキルを巧みに操りながら人々に善行を施し、仲間たちと共に世界に大きな変革をもたす精霊の物語。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

処理中です...