最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷

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第16話 奴隷購入①

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 ブリュノが奴隷購入についての流れを説明してくれる。

「まずは、お客様のご要望をお伺いします。見た目、種族、年齢、性別、目的といったものでしょうか。それを聞いた上で私の方でお客様の要望に沿った奴隷をご紹介させて頂きます。奥に部屋が分けれてありますのでそちらで奴隷を確認して頂き、気に入った者がいたら、代金を頂戴いたします。最後に奴隷契約を結ぶ形になります」

 ブリュノは丁寧に説明してくれた。

「なるほどな。見た目は良いに越したことは無い。種族は人間かエルフで頼む。年齢は25歳より下で、性別は女、目的はうちの使用人として雇いたい」
「雇うということは賃金を与えるということでよろしいでしょうか?」
「もちろんだ」
「ちなみにいかほど……?」
「一日の労働につき、銀貨で3枚出す」
「え!?」

 ブリュノは驚いた顔をした。

「なんだ、少なかったか? ならもっと……」
「い、いや、多すぎでは?」
「そこは別に気にしていない。他の使用人と同じ仕事をしてもらうのに差別するのはおかしな話だろ」
「そ、そうでございますね。では、さっそくご案内させて頂きます」

 ブリュノの案内で入った最初の部屋には綺麗な服を着ており、身なりの整った女性たちが居た。
ここで、樹の奴隷に対するイメージは打ち砕かれることになった。
檻の中には居るのだが、皆、椅子に座っており、笑顔を樹に向けてくる。
種族は人族が多いようであった。

「彼女たちは没落貴族の息女などです」
「うーん、なんか違う気がする」
「おや、お気に召しませんでしたか。では、こちらに」

 ブリュノの先導の元、次の部屋へと移った。

「こちらには戦闘スキルに長けた者を揃えております」
「ほう、獣人か。他は居ないのか?」
「ここにも居ないとなると次の部屋になりますが、あまりお勧めは出来ませんよ」
「構わん、見せてくれ」

 次の部屋に入ると明らかにさっきの雰囲気とは違う感じが漂っていた。
不衛生とまではいかないが、先ほどの部屋よりは衛生面が少し気になる。
奴隷たちもぐったりしている者が多かった。

「ここには、うちに来た時には治らない怪我や病気を抱えた者たちになります。他の奴隷と同じ扱いをしていますが、正直、慈善事業に近い形になります」

 国からの許可がないと営業できない奴隷商はこういった者たちが巡ってくることがあっても断らずに受け入れているのだとか。

「なるほどな……」

 樹はスキル鑑定を使って一人ひとりのステータスを確認していく。
すると、そこに気になるステータスを持った少女が居た。

「この子は?」
「ああ、彼女は恐らく、人族だと思いますが、両耳、右目が欠損しており、足にも後遺症があります。前の主人に酷い扱いをされたのでしょう。人にステータスを見られるのをひどく嫌がります」

 それを聞いて、樹は悪いことをしてしまったと思ったが、樹の決心は決まった。

「この子にする。いくらだ?」
「はい!?」
「だから、この子を買うと言っているんだ」
「ほ、本当によろしいのですか?」
「ああ、もう、決めたからな」
「き、金貨三枚でいかがでしょうか?」

 金貨三枚というのが奴隷の中では最安値に近いのだろう。
それでも樹はどうしても彼女のステータスが気になったのだ。

称号:エルフの里長老の娘

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