37 / 132
第37話 シャルの稽古②
しおりを挟む
その翌日、樹はアリアに起こされた。
「そろそろ起きて下さい。もう、いい時間ですよ」
「うん、おはよう」
「はい、おはようございます」
樹はベットから起きると黒シャツへ袖を通した。
「今日、シャルさんの稽古をしよううと思うのですが、樹さまは弓はお持ちでないですよね?」
「ん? あるよ。これでいい?」
樹はストレージから弓と何本か矢を取り出した。
「樹さまのストレージには何でも入っているんですね」
アリアは感心していた。
「まあ、武器は一通り集めたからな。結局、使わない物ばかりだったけど」
「そうなんですね。ありがとうございます」
「あ、それ、シャルにあげちゃって構わないから」
「はい、かしこまりました」
そう言うとアリアは中庭に向かうようだった。
樹は二階のテラスからシャルの稽古の様子を眺めていた。
「いいですか、まずはこの的を狙って打ちます」
そう言ってアリアは少し離れた位置に的を立てた。
「まず、私が手本を見せますね」
アリアは綺麗に弓を引くと矢を放った。
すると、的の中心に矢が刺さった。
「まあ、こんな感じです」
アリアは的に刺さった矢を抜きながら言った。
「す、すごいです!」
シャルは目を輝かせていた。
「いいですか、弓は大きく引いて大きく離します。それと、矢は常に肩線と並行で床面に対して水平にします。これを意識して引いてみて下さい」
アリアのアドバイスを受けるとシャルが弓を引いた。
放った矢は的の中心からは少し外れたが、それでも当てるだけで大したものだ。
「やった、当たりました」
「すごいですよ。最初から当てるなんて。しかし、実践ではこれを素早くやる必要があります。もっと練習しましょう」
「はい、私、頑張ります!」
シャルは張り切っていた。
「シャルさん、頑張っているようですね」
いつの間にか隣にいたセザールが話しかけてきた。
「ああ、屋敷の管理の人手不足解消のために来てもらったのに、目的とずれちゃってすまんな」
「いえ、旦那様とアリアの技術を直々に教えてもらっているのです。シャルさん、きっと光りますよ」
「セザールもそう思うか?」
「はい、最初から旦那様方の稽古についていけるなんて大したものですよ。屋敷のことは私が何とかしますから」
「頼りにしてるぜ」
「お任せを」
そう言うとセザールは仕事に戻って行った。
「アリア、シャルはどうだ?」
稽古を終えたアリアに尋ねた。
「はい、なかなかいい線行ってると思います。後はもう少し実践的な事を入れていけば、前線でも戦えるかと」
「だよな。明日辺りにでも簡単な魔獣討伐の依頼を受けに行こうか」
「それもありだと思います」
「その前にシャルを冒険者登録させなきゃいけないか」
「ええ、依頼を受けるならその必要がありますね。しかし、奴隷は冒険者登録できないのでは?」
「その辺は陛下に頼めばな」
樹はニヤッと笑みを浮かべた。
「職権乱用しないでくださいよ」
「まあまあ、固いこと言うなよ。飯の時にでもシャルの意思を聞いてみよう」
「そうですね」
こうして、夕食の時間まで二人はそれぞれのやることをやり始めた。
「そろそろ起きて下さい。もう、いい時間ですよ」
「うん、おはよう」
「はい、おはようございます」
樹はベットから起きると黒シャツへ袖を通した。
「今日、シャルさんの稽古をしよううと思うのですが、樹さまは弓はお持ちでないですよね?」
「ん? あるよ。これでいい?」
樹はストレージから弓と何本か矢を取り出した。
「樹さまのストレージには何でも入っているんですね」
アリアは感心していた。
「まあ、武器は一通り集めたからな。結局、使わない物ばかりだったけど」
「そうなんですね。ありがとうございます」
「あ、それ、シャルにあげちゃって構わないから」
「はい、かしこまりました」
そう言うとアリアは中庭に向かうようだった。
樹は二階のテラスからシャルの稽古の様子を眺めていた。
「いいですか、まずはこの的を狙って打ちます」
そう言ってアリアは少し離れた位置に的を立てた。
「まず、私が手本を見せますね」
アリアは綺麗に弓を引くと矢を放った。
すると、的の中心に矢が刺さった。
「まあ、こんな感じです」
アリアは的に刺さった矢を抜きながら言った。
「す、すごいです!」
シャルは目を輝かせていた。
「いいですか、弓は大きく引いて大きく離します。それと、矢は常に肩線と並行で床面に対して水平にします。これを意識して引いてみて下さい」
アリアのアドバイスを受けるとシャルが弓を引いた。
放った矢は的の中心からは少し外れたが、それでも当てるだけで大したものだ。
「やった、当たりました」
「すごいですよ。最初から当てるなんて。しかし、実践ではこれを素早くやる必要があります。もっと練習しましょう」
「はい、私、頑張ります!」
シャルは張り切っていた。
「シャルさん、頑張っているようですね」
いつの間にか隣にいたセザールが話しかけてきた。
「ああ、屋敷の管理の人手不足解消のために来てもらったのに、目的とずれちゃってすまんな」
「いえ、旦那様とアリアの技術を直々に教えてもらっているのです。シャルさん、きっと光りますよ」
「セザールもそう思うか?」
「はい、最初から旦那様方の稽古についていけるなんて大したものですよ。屋敷のことは私が何とかしますから」
「頼りにしてるぜ」
「お任せを」
そう言うとセザールは仕事に戻って行った。
「アリア、シャルはどうだ?」
稽古を終えたアリアに尋ねた。
「はい、なかなかいい線行ってると思います。後はもう少し実践的な事を入れていけば、前線でも戦えるかと」
「だよな。明日辺りにでも簡単な魔獣討伐の依頼を受けに行こうか」
「それもありだと思います」
「その前にシャルを冒険者登録させなきゃいけないか」
「ええ、依頼を受けるならその必要がありますね。しかし、奴隷は冒険者登録できないのでは?」
「その辺は陛下に頼めばな」
樹はニヤッと笑みを浮かべた。
「職権乱用しないでくださいよ」
「まあまあ、固いこと言うなよ。飯の時にでもシャルの意思を聞いてみよう」
「そうですね」
こうして、夕食の時間まで二人はそれぞれのやることをやり始めた。
15
あなたにおすすめの小説
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)
たぬころまんじゅう
ファンタジー
小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。
しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。
士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。
領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。
異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル!
圧倒的不利な状況を武と知略で切り抜ける!
☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
魔力ゼロの俺だけが、呪いの装備を『代償なし』で使い放題 ~命を削る魔剣も、俺が持てば『ただのよく切れる剣』~
仙道
ファンタジー
現代日本で天才研究者だった相模登(さがみ のぼる)は、ある日突然、異世界へ転移した。 そこは『スキル』と『魔力』が全てを決める世界。
しかし登には、ステータス画面もなければ、魔力も、スキルも一切存在しなかった。
ただの一般人として迷宮に放り出された彼は、瀕死の女騎士と出会う。彼女の前には、使う者の命を瞬時に吸い尽くす『呪いの魔剣』が落ちていた。
武器はそれしかない。女騎士は絶望していたが、登は平然と魔剣を握りしめる。 「なぜ……生きていられるの?」 登には、剣が対価として要求する魔力は存在しない。故に、魔剣はデメリットなしの『ただのよく切れる剣』として機能した。
これは、世界で唯一「対価」を支払う必要がない登が、呪われた武具を次々と使いこなし、その副作用に苦しむ女騎士やエルフ、聖女を救い出し、無自覚に溺愛されていく物語。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる