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第47話 先々代長老の想い
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樹たちは中庭へと出ると、転移魔法で元エルフの里へと向かった。
「ここがエルフの里......」
シャルは自分が見た光景に目を丸くしていた。
「ああ、信じたくはないだろうがな」
「はい......」
「なんとか復興させてやりたいんだがな。流石に手が回らなかった。すまないな」
樹は頭を下げた。
「い、いえ、旦那様が謝る事じゃないですよ。だから謝らないでください」
「ありがとうな」
「それより、ブレーズさんは?」
「今日は居ないのかな」
そう言って樹とアリアは辺りを見回した。
「若者よ」
どこからともなく、あの時と同じお爺さんの声が聞こえて来た。
「この声」
「あの時と同じですね」
樹たちは声のする方へと振り返った。
「ブレーズさん」
シャルが驚いた声で言った。
「え、本当にブレーズさんなの?」
樹とアリアもまだ信じられなかった。
「おや、先日の若者にシャルちゃんじゃないか。大きくなったなぁ」
「ご無沙汰しております。15になりました。それよりこれはいったい......?」
シャルがブレーズに尋ねた。
「そうでよね。死んだ身がこうして出たらそれは驚くでしょう」
「はい」
「私は志半ばにしてこの世を去ることになりました。すると、死後の世界で神を名乗るお方にこう言われたのです」
『なにか後悔があるのではないか?』
「そう言われた私は迷うことなくこう言いました」
『里の今後を見守っていきたい』
「するとその神様は私の願いを叶えてくださりました。だから、こうして今、皆様の前に姿を見せることが出来ているという訳です」
「なるほど。そういうことだったのですね」
樹たちは少し、納得することができた。
「こんな話、信じて頂けるのですか?」
ブレーズさんは驚いていた。
「信じます!」
「俺も信じるよ」
「私もです」
「皆さん、ありがとうございます」
ブレーズは涙目になりながら喜んでいた。
「ああ、ああ。泣くな泣くな。いい大人なんだから」
「三年前、この里は忌まわしき組織により、ボロボロにされてしまいました。そんな中、またもあの組織がこの里で悪さをしようとしていました。私もなんとかしたい所でしたが、この体ではどうしようもなく。そしたら、強いオーラが出ていたお二人が来ていたのでつい声をかけてしまったのです」
そう言ってブレーズは微かに涙を浮かべた。
「この里を守って下さり、ありがとうございました」
「ああ、ボロボロにしちまったのもきっと元に直すよ」
樹はそう言うと微笑んだ。
「本当にありがとう」
すると、ブレーズさんの体が次第に薄くなっていった。
「これは......」
樹たちは驚いた。
「どうやら、私の心残りが消えたようです。神様と心残りが消えたらこの体は消滅すると言われておりましたから」
そう言ってブレーズさんは最後に優しく笑うと完全にその姿は見えなくなってしまった。
残ったのは彼の涙と樹たちに託した最後の想いだけであった。
この想いに応えなければならないと樹たちは心に誓ったのである。
「ここがエルフの里......」
シャルは自分が見た光景に目を丸くしていた。
「ああ、信じたくはないだろうがな」
「はい......」
「なんとか復興させてやりたいんだがな。流石に手が回らなかった。すまないな」
樹は頭を下げた。
「い、いえ、旦那様が謝る事じゃないですよ。だから謝らないでください」
「ありがとうな」
「それより、ブレーズさんは?」
「今日は居ないのかな」
そう言って樹とアリアは辺りを見回した。
「若者よ」
どこからともなく、あの時と同じお爺さんの声が聞こえて来た。
「この声」
「あの時と同じですね」
樹たちは声のする方へと振り返った。
「ブレーズさん」
シャルが驚いた声で言った。
「え、本当にブレーズさんなの?」
樹とアリアもまだ信じられなかった。
「おや、先日の若者にシャルちゃんじゃないか。大きくなったなぁ」
「ご無沙汰しております。15になりました。それよりこれはいったい......?」
シャルがブレーズに尋ねた。
「そうでよね。死んだ身がこうして出たらそれは驚くでしょう」
「はい」
「私は志半ばにしてこの世を去ることになりました。すると、死後の世界で神を名乗るお方にこう言われたのです」
『なにか後悔があるのではないか?』
「そう言われた私は迷うことなくこう言いました」
『里の今後を見守っていきたい』
「するとその神様は私の願いを叶えてくださりました。だから、こうして今、皆様の前に姿を見せることが出来ているという訳です」
「なるほど。そういうことだったのですね」
樹たちは少し、納得することができた。
「こんな話、信じて頂けるのですか?」
ブレーズさんは驚いていた。
「信じます!」
「俺も信じるよ」
「私もです」
「皆さん、ありがとうございます」
ブレーズは涙目になりながら喜んでいた。
「ああ、ああ。泣くな泣くな。いい大人なんだから」
「三年前、この里は忌まわしき組織により、ボロボロにされてしまいました。そんな中、またもあの組織がこの里で悪さをしようとしていました。私もなんとかしたい所でしたが、この体ではどうしようもなく。そしたら、強いオーラが出ていたお二人が来ていたのでつい声をかけてしまったのです」
そう言ってブレーズは微かに涙を浮かべた。
「この里を守って下さり、ありがとうございました」
「ああ、ボロボロにしちまったのもきっと元に直すよ」
樹はそう言うと微笑んだ。
「本当にありがとう」
すると、ブレーズさんの体が次第に薄くなっていった。
「これは......」
樹たちは驚いた。
「どうやら、私の心残りが消えたようです。神様と心残りが消えたらこの体は消滅すると言われておりましたから」
そう言ってブレーズさんは最後に優しく笑うと完全にその姿は見えなくなってしまった。
残ったのは彼の涙と樹たちに託した最後の想いだけであった。
この想いに応えなければならないと樹たちは心に誓ったのである。
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