23 / 61
第1章
第23話 国王陛下からの依頼
王都に到着した翌日のことである。
ラースは国王陛下と謁見する為に、王宮へと向かった。
「緊張してますか?」
隣を歩くクレインが尋ねてきた。
「そうですね。国王陛下からの依頼ってなると」
国王陛下がわざわざラース宛に書簡をよこしたのだ。
それは、国が動くほどの大きな治療であることを示している。
「大丈夫です。私も居ますから」
「ありがとうございます」
王宮に到着すると、陛下からの書簡を警備の騎士に見せる。
そして、王宮の中に通された。
「ラース様、クレイン様、お待ちしておりました。ご案内いたします。こちらへ」
王宮の従者によって案内されたのは、謁見の間ではなく、応接室であった。
中には高価そうではあるが、決して下品にはならないように調度品が並べられている。
「こちらで少々お待ちください」
「わかりました」
ラースたちはソファーに腰を下ろし、出された紅茶を一口飲む。
数分待つと、再び応接間の扉が開かれた。
白髪に逞しい真っ白な髭を生やした壮年の男性。
彼こそが、ここローラン王国国王である。
「待たせてすまんな。まあ、座ってくれ」
「失礼します」
陛下の言葉でラースたちは腰を下ろす。
「まずは、突然の呼び出しに応えてくれて感謝する。ジェイル・ローランだ」
「いえ、構いません」
「ラース殿には、甥は大変失礼なことをしてしまいもう訳なく思っている」
そう言うと、陛下は頭を下げた。
「頭を上げてください。もう、気にしてませんから」
「感謝する」
「それより、私に治療依頼があるそうですね」
「では、本題に入らせてもらう」
陛下は頭を上げて、座り直す。
「ラースさんはドラグス王国については知っているだろうか?」
「ええ、龍と盟約を結んだ国ですよね。祖父から聞いたことがあります」
そして、ドラグス王国とローラン王国は隣国ということで、2年前から同盟関係にある。
「そのドラグス王国から協力要請があった。龍の治療をできる獣医を派遣して欲しいと」
「それで、私に?」
「都合のいい事は分かっている。でも、どうか、我が国にそなたの力を貸して欲しい。頼む」
陛下は再び頭を下げた。
「頭を上げてください。一国の王ともあろう方が簡単に頭を下げるものではありません」
「では、受けてくれるのか?」
「そこに、私の治療を待っている動物がいるのなら私は行きます。ただ、一つ条件を出してもいいでしょうか?」
「なんだね? 言ってみてくれ」
「オーランドの私の病院に獣医を一人、派遣してもらってもよろしいですか?」
ドラグス王国に行くということは、しばらく留守にすることになってしまう。
その間、ずっと休診にしておくのも無責任というものだろう。
「分かった。すぐに、王都から医師を派遣しよう」
「ありがとうございます」
「では、これが私からの委任状だ。これを向こうの担当者に見せれば分かるはずだ」
「頂戴します」
ラースは委任状を受け取ると、ポケットに仕舞った。
「出発は明後日とします。彼も私の護衛として連れてもよろしいですか?」
「もちろんだ。クレイン君、ラースさんを守ってくれ」
「はい、承知しました」
ラースはクレインと共にドラグス王都へと、龍の治療に行くことになった。
ラースは国王陛下と謁見する為に、王宮へと向かった。
「緊張してますか?」
隣を歩くクレインが尋ねてきた。
「そうですね。国王陛下からの依頼ってなると」
国王陛下がわざわざラース宛に書簡をよこしたのだ。
それは、国が動くほどの大きな治療であることを示している。
「大丈夫です。私も居ますから」
「ありがとうございます」
王宮に到着すると、陛下からの書簡を警備の騎士に見せる。
そして、王宮の中に通された。
「ラース様、クレイン様、お待ちしておりました。ご案内いたします。こちらへ」
王宮の従者によって案内されたのは、謁見の間ではなく、応接室であった。
中には高価そうではあるが、決して下品にはならないように調度品が並べられている。
「こちらで少々お待ちください」
「わかりました」
ラースたちはソファーに腰を下ろし、出された紅茶を一口飲む。
数分待つと、再び応接間の扉が開かれた。
白髪に逞しい真っ白な髭を生やした壮年の男性。
彼こそが、ここローラン王国国王である。
「待たせてすまんな。まあ、座ってくれ」
「失礼します」
陛下の言葉でラースたちは腰を下ろす。
「まずは、突然の呼び出しに応えてくれて感謝する。ジェイル・ローランだ」
「いえ、構いません」
「ラース殿には、甥は大変失礼なことをしてしまいもう訳なく思っている」
そう言うと、陛下は頭を下げた。
「頭を上げてください。もう、気にしてませんから」
「感謝する」
「それより、私に治療依頼があるそうですね」
「では、本題に入らせてもらう」
陛下は頭を上げて、座り直す。
「ラースさんはドラグス王国については知っているだろうか?」
「ええ、龍と盟約を結んだ国ですよね。祖父から聞いたことがあります」
そして、ドラグス王国とローラン王国は隣国ということで、2年前から同盟関係にある。
「そのドラグス王国から協力要請があった。龍の治療をできる獣医を派遣して欲しいと」
「それで、私に?」
「都合のいい事は分かっている。でも、どうか、我が国にそなたの力を貸して欲しい。頼む」
陛下は再び頭を下げた。
「頭を上げてください。一国の王ともあろう方が簡単に頭を下げるものではありません」
「では、受けてくれるのか?」
「そこに、私の治療を待っている動物がいるのなら私は行きます。ただ、一つ条件を出してもいいでしょうか?」
「なんだね? 言ってみてくれ」
「オーランドの私の病院に獣医を一人、派遣してもらってもよろしいですか?」
ドラグス王国に行くということは、しばらく留守にすることになってしまう。
その間、ずっと休診にしておくのも無責任というものだろう。
「分かった。すぐに、王都から医師を派遣しよう」
「ありがとうございます」
「では、これが私からの委任状だ。これを向こうの担当者に見せれば分かるはずだ」
「頂戴します」
ラースは委任状を受け取ると、ポケットに仕舞った。
「出発は明後日とします。彼も私の護衛として連れてもよろしいですか?」
「もちろんだ。クレイン君、ラースさんを守ってくれ」
「はい、承知しました」
ラースはクレインと共にドラグス王都へと、龍の治療に行くことになった。
あなたにおすすめの小説
【完】夫から冷遇される伯爵夫人でしたが、身分を隠して踊り子として夜働いていたら、その夫に見初められました。
112
恋愛
伯爵家同士の結婚、申し分ない筈だった。
エッジワーズ家の娘、エリシアは踊り子の娘だったが為に嫁ぎ先の夫に冷遇され、虐げられ、屋敷を追い出される。
庭の片隅、掘っ立て小屋で生活していたエリシアは、街で祝祭が開かれることを耳にする。どうせ誰からも顧みられないからと、こっそり抜け出して街へ向かう。すると街の中心部で民衆が音楽に合わせて踊っていた。その輪の中にエリシアも入り一緒になって踊っていると──
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。
再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。
妻を一途に想い続ける夫と、
その想いを一ミリも知らない妻。
――攻防戦の幕が、いま上がる。
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
異世界に召喚されたけど、従姉妹に嵌められて即森に捨てられました。
バナナマヨネーズ
恋愛
香澄静弥は、幼馴染で従姉妹の千歌子に嵌められて、異世界召喚されてすぐに魔の森に捨てられてしまった。しかし、静弥は森に捨てられたことを逆に人生をやり直すチャンスだと考え直した。誰も自分を知らない場所で気ままに生きると決めた静弥は、異世界召喚の際に与えられた力をフル活用して異世界生活を楽しみだした。そんなある日のことだ、魔の森に来訪者がやってきた。それから、静弥の異世界ライフはちょっとだけ騒がしくて、楽しいものへと変わっていくのだった。
全123話
※小説家になろう様にも掲載しています。
【完】王妃の座を愛人に奪われたので娼婦になって出直します
112
恋愛
伯爵令嬢エレオノールは、皇太子ジョンと結婚した。
三年に及ぶ結婚生活では一度も床を共にせず、ジョンは愛人ココットにうつつを抜かす。
やがて王が亡くなり、ジョンに王冠が回ってくる。
するとエレオノールの王妃は剥奪され、ココットが王妃となる。
王宮からも伯爵家からも追い出されたエレオノールは、娼婦となる道を選ぶ。