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第4章
第1話 獣人の使者
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ベルベッド記念病院は順調に機能し始めている。
伝説に消えた名医の遺志は確実にラースによって受け継がれている。
そう感じることも増えて来た。
ラースは今日もオーランドの街で魔獣たちを救っている。
そんな日々の中、王都の国王から面会の要請が来た。
「また、急になんでしょうね?」
クレインがラースに召集がかかったことに疑問を浮かべた。
「でも、陛下が会いたいと仰っているのですから命に関わることかもしれませんね。とりあえず、会ってきます」
ラースは王都へと向かうことにする。
いつも通りの支度をして、翌日には準備が整った。
クレインも同行してくれるらしい。
無事に王都へ着くと、謁見の予定が組まれた。
♢
王都に到着した翌日、ラースたちは王宮を訪れていた。
「急な呼び出しに応えてくれて感謝する」
ラースの対面に座る陛下は言った。
その隣には見慣れない獣人の男が座っている。
「いえ、ちょうどベルベッド記念病院の方も見たかったですし、大丈夫ですよ。それで、そちらの方は?」
ラースは陛下の隣に座っている壮年の男に視線を移した。
「紹介しよう。彼はガイル神獣国から使者としてやってきた、アレン殿だ」
「お初にお目にかかります。ガイル神獣国からやって参りましたアレンと申します」
「初めまして。ラースです」
ガイル神獣国、それは隣国にある獣人が国の人口のほとんどを占める国である。
代々、神獣を神として崇めて信仰している珍しい国である。
「そんな神獣国の方が私にどういったご用件でしょうか?」
「ラース様のご活躍は我、ガイル神獣国にまで届いております。そこで、無理を承知でお願いに参りました」
どうやら、ラースの作った記念病院は国内だけではなく他国にまで伝わっているらしい。
「お伺いします」
「神獣国のメディス・ガイル国王を治療してはいただけないでしょうか?」
「それは、ガイル国王陛下がご病気ということでしょうか?」
隣国の国王が、病に倒れているという情報は入ってきて無いかったので驚いた。
「はい、その通りにございます。1ヶ月ほど前から病に倒れております。今までは混乱を避けるために伏せておりましたが、もうそんなことを言っている状況ではございません」
使者として来たアレンの口ぶりを見るに、ガイル国王の容態は深刻であると言える。
「でも、なぜ私に? 神獣国にも医者はいるでしょう。それに、私は獣医が本業です」
獣人は身体能力がとても高い。
しかし、それ以外は人間とさほど変わらない。
獣医学の専門知識は必要無いと思われる。
「確かに、医者はいます。でも、神獣の加護を受けている国王を治療するのは神獣様を治療するのと同じくらい難しいのです」
「なるほど。それで私に」
神獣を治療するには、高度な専門知識と技術が必要になるだろう。
「国王陛下をお助けください。お願いします」
そう言って、アレンは頭を下げた。
それを見て、ラースは陛下の方に視線を移す。
陛下は黙って頷いた。
「分かりました。お引き受けします」
【あとがき】
お久しぶりです。
辺境の獣医令嬢、第4章をスタートさせます!
今回の舞台は獣人の国、ガイル神獣国です。
ラースの獣医としての成長を見守って頂ければ幸いです。
また、新作の方も準備中ですので、ご期待ください。
異世界医療ドラマ、楽しんでいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
伝説に消えた名医の遺志は確実にラースによって受け継がれている。
そう感じることも増えて来た。
ラースは今日もオーランドの街で魔獣たちを救っている。
そんな日々の中、王都の国王から面会の要請が来た。
「また、急になんでしょうね?」
クレインがラースに召集がかかったことに疑問を浮かべた。
「でも、陛下が会いたいと仰っているのですから命に関わることかもしれませんね。とりあえず、会ってきます」
ラースは王都へと向かうことにする。
いつも通りの支度をして、翌日には準備が整った。
クレインも同行してくれるらしい。
無事に王都へ着くと、謁見の予定が組まれた。
♢
王都に到着した翌日、ラースたちは王宮を訪れていた。
「急な呼び出しに応えてくれて感謝する」
ラースの対面に座る陛下は言った。
その隣には見慣れない獣人の男が座っている。
「いえ、ちょうどベルベッド記念病院の方も見たかったですし、大丈夫ですよ。それで、そちらの方は?」
ラースは陛下の隣に座っている壮年の男に視線を移した。
「紹介しよう。彼はガイル神獣国から使者としてやってきた、アレン殿だ」
「お初にお目にかかります。ガイル神獣国からやって参りましたアレンと申します」
「初めまして。ラースです」
ガイル神獣国、それは隣国にある獣人が国の人口のほとんどを占める国である。
代々、神獣を神として崇めて信仰している珍しい国である。
「そんな神獣国の方が私にどういったご用件でしょうか?」
「ラース様のご活躍は我、ガイル神獣国にまで届いております。そこで、無理を承知でお願いに参りました」
どうやら、ラースの作った記念病院は国内だけではなく他国にまで伝わっているらしい。
「お伺いします」
「神獣国のメディス・ガイル国王を治療してはいただけないでしょうか?」
「それは、ガイル国王陛下がご病気ということでしょうか?」
隣国の国王が、病に倒れているという情報は入ってきて無いかったので驚いた。
「はい、その通りにございます。1ヶ月ほど前から病に倒れております。今までは混乱を避けるために伏せておりましたが、もうそんなことを言っている状況ではございません」
使者として来たアレンの口ぶりを見るに、ガイル国王の容態は深刻であると言える。
「でも、なぜ私に? 神獣国にも医者はいるでしょう。それに、私は獣医が本業です」
獣人は身体能力がとても高い。
しかし、それ以外は人間とさほど変わらない。
獣医学の専門知識は必要無いと思われる。
「確かに、医者はいます。でも、神獣の加護を受けている国王を治療するのは神獣様を治療するのと同じくらい難しいのです」
「なるほど。それで私に」
神獣を治療するには、高度な専門知識と技術が必要になるだろう。
「国王陛下をお助けください。お願いします」
そう言って、アレンは頭を下げた。
それを見て、ラースは陛下の方に視線を移す。
陛下は黙って頷いた。
「分かりました。お引き受けします」
【あとがき】
お久しぶりです。
辺境の獣医令嬢、第4章をスタートさせます!
今回の舞台は獣人の国、ガイル神獣国です。
ラースの獣医としての成長を見守って頂ければ幸いです。
また、新作の方も準備中ですので、ご期待ください。
異世界医療ドラマ、楽しんでいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
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