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18章 龍球王国 後編
344、横柄な輩
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ごたごたに便乗してサコンを誘き出す作戦に出たナガヨシは、サコンが出てくるまでの間にモリシゲに話しかけた。
「とんだ現場に遭遇してしまったなぁ。ところでモリシゲ殿はサコンの奴に何の用事で?」
「……拙者はサコンが最近隠れて動いていることを嗅ぎつけ、何をしているのか直接問いただそうと思ったまでのこと。……それで? 東方の侍大将が西方に遥々何の用があって参られた?」
「ん。先ほど貴公の屋敷に行ったが留守だったのでな、先にサコンから済ませようとしたら貴公が争っているのが見えたのだ。ただ事ではないと助太刀を考えたが、やはりその必要はなかったな」
「……『済ませる』とはいったい何のことだ?」
「いやなに、一口では言えんが腕の立つ仲間を募っていてな? 貴公やサコンにも声を掛けようと考えていたのだ。まぁしかし、サコンはどうやら悪事に手を染めている様子。信用に置けぬ輩は入れるべきではないな」
モリシゲは静かに頷く。そしてレッドたちに視線を向けた。
「……タイジョウ家の妹君は知っているが……彼は?」
「あ、俺はレッドです。レッド=カーマイン。最近この国に来た異国人って奴です」
「……噂には聞いている。……仲間を募っているというのは君が関係しているのか?」
「え、えっと……そうなんですけど、そうじゃないというか……」
「……?」
レッドの歯切れの悪い回答に被せるようにモミジが口を開く。
「あたしたちの国の命運が掛かってるんです」
その言葉を聞いた途端モリシゲの瞼が上がる。
「……国の命運?……つまりニシキ様に仇為す何か……ということか?」
「はい。まだ推測の域を出ませんが、国家転覆の危機だと考えればニシキ様が危険であることは想像に難くありません。それを未然に防ぐことがあたしたちのやるべきことです」
モリシゲの目が徐々に見開かれ、それと同時に額に青筋が浮かび始めた。
殺意にも似た怒りがその顔から滲み出ている。ナガヨシはそんなモリシゲの反応にうんと一つ頷いた。
「サコンの件が片付き次第、改めて説明する。その時にどうするか決めてくれ」
モリシゲは虚空を見つめながらコクリと頷いた。狂気的な顔に恐怖を感じるが、愛国心の表れだろうと捨て置く。
このちょっとしたやり取りの終わりにようやくサコンが現れた。
「おいおーい。なんだなんだ? 俺の部下をコテンパンにしてくれたようだなテメーら」
武家の当主とは思えないチンピラの様な風貌と言動でアクセサリーをジャラジャラ言わせながらレッドたちの眼前に立つ。
モリシゲは目当ての人物が来たことでようやく正気に戻ったように目を閉じ、みんなよりも一歩前に出る。
「……勘違いするなよサコン。……彼らはただ居合わせただけだ。……この者たちは拙者が伸した」
「へぇ、そうかい。それじゃテメーは何のためにこんなことをしたのか言ってみろよ糸目野郎っ!」
サコンは唾を飛ばしながらモリシゲに突っかかる。モリシゲは全く気圧されることなくさらに一歩前に出た。
「……昨今のおぬしの動向が気に食わぬ」
「気に食わねぇだぁ? 知るかよボケっ。そんなことでこいつらをヤったってのか?」
「……何を企てているのか吐け。……答えによってはここでおぬしを……」
隠し刀の鯉口を切って脅し掛ける。サコンは額に青筋を立てながらジロっと睨み付け、心胆を振るわせるほどのドスを利かせた声で凄む。
「俺をどうするってんだっ? 言ってみろゴラァっ!!」
──ブゥンッ
サコンは刀を鞘に仕舞ったままで横薙ぎに振り回した。モリシゲは瞬時に後退し、間合いを開けて攻撃を躱した。
「言いがかりを付けてまで俺の部下をボコったんだ。ぶっ殺される覚悟は出来てんだろうなぁモリシゲェっ!!」
「……まだ答えを聞けていないが……そもそも喋るつもりがないと言うのなら……叩き伏せて無理やりにでも吐いてもらうことになるぞっ」
2人は睨み合い、今にも戦闘が始まりそうな雰囲気だが、びっくりするほど蚊帳の外だったレッドも口を挟んだ。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。いきなり手を出し合うのはどうなんでしょうか? まずは話し合いから始めるべきでしょう?」
「あ? 誰だテメー……いや、よせっ。自己紹介なんざいらねぇっ。誰だって関係ねぇよ。こいつが先に俺の部下をぶっ飛ばしたんだぜ? 何で俺が我慢しなきゃなんねぇんだよっ!」
「いや、それはそうなんですけど。でも元はと言えば先に武器を抜いたのはそっちですよ? モリシゲさんは自分を守ろうとしただけで……」
「だからなんだ? どうせこいつが引き下がらなかっただけだろっ。煽るのは良いってのかっ?……いや、質問じゃねぇ。テメーの答えなんざ聞いてねぇっ! こいつは家同士の話だっ。一般人が首を突っ込むなっ!」
サコンはレッドを指差して頭ごなしに言い放つ。モミジは終始嫌そうな顔でサコンを見ていたが、レッドに対する態度で眉が釣り上がり、怒りの表情を覗かせた。
サコンは言うことを言ってスッキリしたのか、鼻を鳴らしてモリシゲに向き直る。このタイミングでナガヨシが口を開いた。
「ならばこの俺が仲裁に入ろう。武家の当主の俺なら立場は変わらんだろう?」
「あんたは口を出さないでくれ。居合わせただけなんだからな。……いや? ちょうど良いや。あんたの顔を立ててこの喧嘩を終わりにしても良いぜ? こいつを連れ帰ってくれるなら今回の件はお咎めなしにしてやるよ。どうだ?」
どうするべきか考えあぐねいた時に降りて来た天啓。サコンは自分で言ってて鳥肌が立つほど感動していた。
面倒なモリシゲとの対立を終わらせることも出来るし、ナガヨシを遠ざけることも出来る。まさに一石二鳥の案だ。
どうもさっきから話を聞いてみれば、モリシゲは想像通りただの勘で探りを入れてきたということと、ナガヨシはただの通りすがりで間違いなさそうだ。トガノジョウの名が一言も出てこないことに安堵する。
それも当然だろう。どれほど気を遣って匿ったと思っているのか。一朝一夕で暴かれるような間抜けではない。
しかし、この横柄で上から目線の態度は聞いていて気持ちの良い物ではない。モミジやモリシゲは言わずもがな、レッドもサコンを嫌いになっていた。多分ヒラミツよりも輪を掛けて嫌いである。
3人の怒りに比べてナガヨシは落ち着いたもので、サコンの提案にニヤリと笑いながら首を横に振る。
「……そいつは難しい。俺にも引くに引けん事情があってな。両者が納得の末に矛を収めることが今の俺がやるべきことだと考えている。まずは事情を話し合ってから……」
「話になんねぇっ! 俺への被害はまるっと無視かよっ!!」
「ほぅ? そうか、被害の話をしたいか。ならば今すぐにも『亀鎧』に通報し、モリシゲ殿の罪を問うがよい。貴公の言い分だけならモリシゲ殿は罪を免れまいが、第三者となる俺たちは通りがかった際に先の争いを一部始終見ている。どちらに軍配が上がるか見ものだな」
「ぐっ……このっ……!」
サコンは言い負かされ、言葉に詰まると同時に振り上げる手も弱弱しくなっていた。
ここで強がっても警備機動部隊『亀鎧』に参戦されては確実に痛い目を見るのは自分。トガノジョウの一件まで明るみになればもう二度と天征十一将に上がることは出来ないだろう。
かくなる上はそれらしい罪をでっちあげてマシラ家の重鎮を引き渡し手打ちとするか、ここで4人と最悪死ぬまで戦うかのどちらかである。
二者択一なら考えるまでもない。
前者の濡れ衣を着させてマシラ家の重鎮を引き渡すことが最も合理的で傷が浅い。
モリシゲが気になっていることにピタッと照準を合わせればナガヨシも納得する。さっきからゴネていたのも家臣を守るためだったと認識させることが出来るだろう。
(後はどんな罪状で守っていたことにするか……)
ここまで勿体ぶったのならそれなりにデカい罪の方が良い。強盗や殺人も悪くないが、コウカク家への謀反を企てていたことにすれば、サコンが身を挺して改心させようとしていた箔が付く可能性もある。ここで信用を勝ち取るのも悪くない選択だ。
「……分かった分かった。降参だ」
サコンはぶっきらぼうに手を振ってナガヨシたちの気を引く。
「……ようやく喋る気になったか。……聞かせてもらおうか? お主の悪事を」
「チッ……うるせぇ野郎だ。テメーに促されなくたってとっとと喋る」
こう言いつつも頭で話始めから終わりまでを組み立てる。一拍置いて「実は……」と言いかけた時、サコンの肩に剥き身の刃が背後からそっと置かれた。
「私に就くと言っておいてもう裏切りかサコン」
サコンの背後に現れたのは白髪の武人。この場の全員が見覚えのあるその男の名はトガノジョウ=トウダ。
「っ!?……トガノジョウっ!!」
「おぬし……っ! どうしてここに……っ?!」
この瞬間にサコンの頭の中は真っ白になった。
「とんだ現場に遭遇してしまったなぁ。ところでモリシゲ殿はサコンの奴に何の用事で?」
「……拙者はサコンが最近隠れて動いていることを嗅ぎつけ、何をしているのか直接問いただそうと思ったまでのこと。……それで? 東方の侍大将が西方に遥々何の用があって参られた?」
「ん。先ほど貴公の屋敷に行ったが留守だったのでな、先にサコンから済ませようとしたら貴公が争っているのが見えたのだ。ただ事ではないと助太刀を考えたが、やはりその必要はなかったな」
「……『済ませる』とはいったい何のことだ?」
「いやなに、一口では言えんが腕の立つ仲間を募っていてな? 貴公やサコンにも声を掛けようと考えていたのだ。まぁしかし、サコンはどうやら悪事に手を染めている様子。信用に置けぬ輩は入れるべきではないな」
モリシゲは静かに頷く。そしてレッドたちに視線を向けた。
「……タイジョウ家の妹君は知っているが……彼は?」
「あ、俺はレッドです。レッド=カーマイン。最近この国に来た異国人って奴です」
「……噂には聞いている。……仲間を募っているというのは君が関係しているのか?」
「え、えっと……そうなんですけど、そうじゃないというか……」
「……?」
レッドの歯切れの悪い回答に被せるようにモミジが口を開く。
「あたしたちの国の命運が掛かってるんです」
その言葉を聞いた途端モリシゲの瞼が上がる。
「……国の命運?……つまりニシキ様に仇為す何か……ということか?」
「はい。まだ推測の域を出ませんが、国家転覆の危機だと考えればニシキ様が危険であることは想像に難くありません。それを未然に防ぐことがあたしたちのやるべきことです」
モリシゲの目が徐々に見開かれ、それと同時に額に青筋が浮かび始めた。
殺意にも似た怒りがその顔から滲み出ている。ナガヨシはそんなモリシゲの反応にうんと一つ頷いた。
「サコンの件が片付き次第、改めて説明する。その時にどうするか決めてくれ」
モリシゲは虚空を見つめながらコクリと頷いた。狂気的な顔に恐怖を感じるが、愛国心の表れだろうと捨て置く。
このちょっとしたやり取りの終わりにようやくサコンが現れた。
「おいおーい。なんだなんだ? 俺の部下をコテンパンにしてくれたようだなテメーら」
武家の当主とは思えないチンピラの様な風貌と言動でアクセサリーをジャラジャラ言わせながらレッドたちの眼前に立つ。
モリシゲは目当ての人物が来たことでようやく正気に戻ったように目を閉じ、みんなよりも一歩前に出る。
「……勘違いするなよサコン。……彼らはただ居合わせただけだ。……この者たちは拙者が伸した」
「へぇ、そうかい。それじゃテメーは何のためにこんなことをしたのか言ってみろよ糸目野郎っ!」
サコンは唾を飛ばしながらモリシゲに突っかかる。モリシゲは全く気圧されることなくさらに一歩前に出た。
「……昨今のおぬしの動向が気に食わぬ」
「気に食わねぇだぁ? 知るかよボケっ。そんなことでこいつらをヤったってのか?」
「……何を企てているのか吐け。……答えによってはここでおぬしを……」
隠し刀の鯉口を切って脅し掛ける。サコンは額に青筋を立てながらジロっと睨み付け、心胆を振るわせるほどのドスを利かせた声で凄む。
「俺をどうするってんだっ? 言ってみろゴラァっ!!」
──ブゥンッ
サコンは刀を鞘に仕舞ったままで横薙ぎに振り回した。モリシゲは瞬時に後退し、間合いを開けて攻撃を躱した。
「言いがかりを付けてまで俺の部下をボコったんだ。ぶっ殺される覚悟は出来てんだろうなぁモリシゲェっ!!」
「……まだ答えを聞けていないが……そもそも喋るつもりがないと言うのなら……叩き伏せて無理やりにでも吐いてもらうことになるぞっ」
2人は睨み合い、今にも戦闘が始まりそうな雰囲気だが、びっくりするほど蚊帳の外だったレッドも口を挟んだ。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。いきなり手を出し合うのはどうなんでしょうか? まずは話し合いから始めるべきでしょう?」
「あ? 誰だテメー……いや、よせっ。自己紹介なんざいらねぇっ。誰だって関係ねぇよ。こいつが先に俺の部下をぶっ飛ばしたんだぜ? 何で俺が我慢しなきゃなんねぇんだよっ!」
「いや、それはそうなんですけど。でも元はと言えば先に武器を抜いたのはそっちですよ? モリシゲさんは自分を守ろうとしただけで……」
「だからなんだ? どうせこいつが引き下がらなかっただけだろっ。煽るのは良いってのかっ?……いや、質問じゃねぇ。テメーの答えなんざ聞いてねぇっ! こいつは家同士の話だっ。一般人が首を突っ込むなっ!」
サコンはレッドを指差して頭ごなしに言い放つ。モミジは終始嫌そうな顔でサコンを見ていたが、レッドに対する態度で眉が釣り上がり、怒りの表情を覗かせた。
サコンは言うことを言ってスッキリしたのか、鼻を鳴らしてモリシゲに向き直る。このタイミングでナガヨシが口を開いた。
「ならばこの俺が仲裁に入ろう。武家の当主の俺なら立場は変わらんだろう?」
「あんたは口を出さないでくれ。居合わせただけなんだからな。……いや? ちょうど良いや。あんたの顔を立ててこの喧嘩を終わりにしても良いぜ? こいつを連れ帰ってくれるなら今回の件はお咎めなしにしてやるよ。どうだ?」
どうするべきか考えあぐねいた時に降りて来た天啓。サコンは自分で言ってて鳥肌が立つほど感動していた。
面倒なモリシゲとの対立を終わらせることも出来るし、ナガヨシを遠ざけることも出来る。まさに一石二鳥の案だ。
どうもさっきから話を聞いてみれば、モリシゲは想像通りただの勘で探りを入れてきたということと、ナガヨシはただの通りすがりで間違いなさそうだ。トガノジョウの名が一言も出てこないことに安堵する。
それも当然だろう。どれほど気を遣って匿ったと思っているのか。一朝一夕で暴かれるような間抜けではない。
しかし、この横柄で上から目線の態度は聞いていて気持ちの良い物ではない。モミジやモリシゲは言わずもがな、レッドもサコンを嫌いになっていた。多分ヒラミツよりも輪を掛けて嫌いである。
3人の怒りに比べてナガヨシは落ち着いたもので、サコンの提案にニヤリと笑いながら首を横に振る。
「……そいつは難しい。俺にも引くに引けん事情があってな。両者が納得の末に矛を収めることが今の俺がやるべきことだと考えている。まずは事情を話し合ってから……」
「話になんねぇっ! 俺への被害はまるっと無視かよっ!!」
「ほぅ? そうか、被害の話をしたいか。ならば今すぐにも『亀鎧』に通報し、モリシゲ殿の罪を問うがよい。貴公の言い分だけならモリシゲ殿は罪を免れまいが、第三者となる俺たちは通りがかった際に先の争いを一部始終見ている。どちらに軍配が上がるか見ものだな」
「ぐっ……このっ……!」
サコンは言い負かされ、言葉に詰まると同時に振り上げる手も弱弱しくなっていた。
ここで強がっても警備機動部隊『亀鎧』に参戦されては確実に痛い目を見るのは自分。トガノジョウの一件まで明るみになればもう二度と天征十一将に上がることは出来ないだろう。
かくなる上はそれらしい罪をでっちあげてマシラ家の重鎮を引き渡し手打ちとするか、ここで4人と最悪死ぬまで戦うかのどちらかである。
二者択一なら考えるまでもない。
前者の濡れ衣を着させてマシラ家の重鎮を引き渡すことが最も合理的で傷が浅い。
モリシゲが気になっていることにピタッと照準を合わせればナガヨシも納得する。さっきからゴネていたのも家臣を守るためだったと認識させることが出来るだろう。
(後はどんな罪状で守っていたことにするか……)
ここまで勿体ぶったのならそれなりにデカい罪の方が良い。強盗や殺人も悪くないが、コウカク家への謀反を企てていたことにすれば、サコンが身を挺して改心させようとしていた箔が付く可能性もある。ここで信用を勝ち取るのも悪くない選択だ。
「……分かった分かった。降参だ」
サコンはぶっきらぼうに手を振ってナガヨシたちの気を引く。
「……ようやく喋る気になったか。……聞かせてもらおうか? お主の悪事を」
「チッ……うるせぇ野郎だ。テメーに促されなくたってとっとと喋る」
こう言いつつも頭で話始めから終わりまでを組み立てる。一拍置いて「実は……」と言いかけた時、サコンの肩に剥き身の刃が背後からそっと置かれた。
「私に就くと言っておいてもう裏切りかサコン」
サコンの背後に現れたのは白髪の武人。この場の全員が見覚えのあるその男の名はトガノジョウ=トウダ。
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