「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜

大好き丸

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3章

19、感動の再会

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 一体何が起こっているのか分からないミルレースはレッドに聞こうと口を開きかけたが、レッドもポカーンとしているのに気付いて口を閉じた。

(え?何だ?……俺は約束を取り付けたじゃないか……受付嬢のミス?いや、まっ、まさか……っ!)

 レッドは目を見開いてリックを見た。

「な、なぁ……質問に質問を返すようで悪いんだけど、君はリックだろ?だよな?も、もしかしてだけどニールに言われて来たのか?もしかしてニールたちは俺に会う気が無いのか?」
『そ、そんな!嘘でしょ!?』

 ゴールデンビートルのことが頭をよぎる。またしてもレッドの心を傷つけようというのか。緊張するレッドにリックは首を横に振った。

「……いや、ニールたちは店の中だ。ちゃんと居るし、話し合う気でいるよ。今ここであんたと対面しているのは俺の独断だ」

 その瞬間、絶望に彩られていたレッドとミルレースの顔から少しだけ安堵が見えた。しかし依然として険しいリックにレッドはおずおずと尋ねる。

「……お、俺は話をしに来ただけなんだ。や、やましい気持ちなんて何もないぞ?あ、あの……ニールを信じてさ……と、通してくれないか?」
「やましい気持ちがない、か……じゃなんでどもるんだ?堂々とすれば良いじゃないか。そうやって誤魔化そうとするのは裏がある証拠だぜ」

 リックの心無い決め付けがレッドの心を抉って言葉を詰まらせる。
 堂々としていられるなら最初からやっている。性格上そういうことが出来ない人間だっているのに、自分の尺度でものを測って普通一般を押し付ける奴とは相容れない。ミルレースもレッドの隣で腕を組んだ。
 もう何を言っても無駄だと悟ったレッドは、小さく首を振って気持ちを切り替えようと努める。

「……ニールに会わせてくれ」
「なぁ、何で俺がここでこうして話しているのか理解してるんだろ?俺がまず聞いて、伝えるべきことかを精査してから部屋に案内してやるよ」
「いや、重要な話なんだ。君に聞いてもらうにしてもここではちょっと……」
「ここじゃなきゃどこだよ?何が言いづらいんだ?……大方、メンバーに戻してくれって頼みたいんだろ?」
「ち、違う!!」

 レッドは先のゴールデンビートルとの会話のようだと慌てて否定する。

『この手の方々はなんでこう……』

 ミルレースは呆れた。レッドを自分勝手に責める連中は同じようなことしか言わない。ミルレースはビフレストに懐疑的になっていた。
 そんなことなど気にする余裕のないレッドは「しまった……」と後悔していた。語気が強かったのか、リックの顔が更に険しくなって行くのを見てしまったせいだ。

「あ……す、すまない。別に怒ったわけじゃないんだ……ただ……」
「はっ!……図星かよ。ニールは優しいからな。土下座でもされたら、せっかくあんたを遠ざけたってのに気の迷いでメンバーに入れちまいそうだぜ。知ってるぞ。幼馴染みなんだってな?性格を知り尽くしてるからこその手かよ。ったく、汚ぇよな……」
「な、何でそうなるんだよ……俺は元に戻ろうなんて……一言も……」
「往生際が悪いぜレッド。言いたかなかったけどな、みんなあんたとは会いたくないってよ!今回会おうとしたのも、今後こういうことが二度と無いように約束させるためだ!分かっただろ?だからもう金輪際近寄るんじゃねぇよ!!」

 ガーンッ

 レッドの頭に雷でも落ちたかのような衝撃が走る。リックの言葉が脳内で反響し、レッドはショックで放心状態となった。クラッと平衡感覚を失い、目の前が暗くなってくる貧血のような状態に陥る。
 信じるものを失い、支えるものも立っている地面さえ失ったような頼りなさに、レッドは自分自身を喪失しかけていた。

(も……もう……生きていけない……)

 レッドが絶望の淵に立たされたその瞬間、一部の世界が震撼する。

 ──……ォォオオンッ

 足元から這い上がってくる恐怖。まるで地の底から命を吸い取る闇の何かが世界を覆い尽くすような……または空から小惑星が堕ちてくるような世界滅亡の足音。

 ゾゾォッと背筋が凍る。今この場で臓物を撒き散らしながら死ぬ想像がフラッシュバックのように頭を巡る。

 ガタンッ

 立ち上がったニールに合わせるようにプリシラ、ローランド、ジン、アルマ、ワンが同時に立ち上がった。
 全員が顔を見合わせる。その顔は冷や汗にまみれ、恐怖に歪んでいる。この元凶がどこにあるのかはすぐに分かった。
 一言も口に出すこともなく全員が部屋を飛び出す。連携しているかのように立ち止まること無く速やかに、風のように店の廊下を走り抜ける。
 出入り口から最初に飛び出したニールは、トイレに行ったと思っていたリックがレッドの前に立っているのを発見。恐怖で押し潰れそうな重圧の中、ニールだけは何とかリックに辿り着いた。

「リィィィックッ!!やめろぉぉおっ!!」

 リックとレッドの前に滑り込む。自分を盾にリックを守ろうとした。
 今にも死にそうだった青ざめたレッドの顔はニールを視界に入れた途端に、一気に血色が戻っていった。同時に空が堕ちてくるのではないかと思われる重圧が、まるで最初から無かったかのようにパッと消えた。

 ジワッと脂汗が滲み出る。貼り付いた恐れは拭い去れなかったが、とにかく世界滅亡による死は回避したと心の底から安堵した。多分リックの言動がレッドをキレさせたに違いない。
 レッドはニールの顔を立てて、リックへの殺意を取り下げたようだった。ニールは何とか間に合って良かったと心から思った。

 店から慌てて飛び出し、大声で割って入ってきたニールの焦りっぷりにリックはたじろいだ。

「な、何だよニール」

 ニールはまずリックの体をザッと見渡す。死んでないことは元より掠り傷一つ付いていないのを確認し、肩をポンポンと2度叩いた。
 そっと振り返り、自分を身代わりにするようにリックを隠しながらレッドに歩み寄る。

『あ、この方がニール?ふーん……少しは話の分かりそうな方が来ましたね』
「……ああ、当たり前だ……俺の親友だぞ……?」

 レッドは嬉しそうに呟き、何度か小さく頷きながらニールを待つ。それに応えるようにニールはにこりと笑った。

「……すまなかったレッド。リックがやったことを許してくれ。もし許せないと言うなら僕が償う。だから……」
「ちょちょちょっ……!ちょっと待てよ!何を言い出すんだ!!これは俺が勝手に……!!」

 自分の命をも差し出そうとしそうなニールにリックは焦って声を張り上げた。ニールは振り向くことなく手だけでリックを制止しようとするも、リックは聞き分けることはない。

「おいコラ!ちょっと黙ってろリック!」

 ジンが声を荒げる。それに便乗するようにプリシラも「そうよリック!」と続いた。リックはムッとした顔でレッドを睨んだ。しかしそんなことなど御構い無しにレッドは昔の仲間を見渡した。

「……みんなも元気そうで何よりだなぁ……」

 感慨深くニヤつくレッドに世界最高のチームは背筋を凍らせた。



「……コヒュッ!ゴホッ!ゴホゴホッ!!」

 青肌の魔族ロータスは止まっていた息を急に吸い込んだせいか思いっきりむせた。先ほど感じた凄まじい重圧。最強を自負する魔族の頭領たちですら命の危機を感じるほどの力。中でも最も粋っていたハウザーが押し黙っている。

「……んだよ。おい……危うく自分で心臓を握り潰しちまうところだったぜ……俺が自殺なんて笑い話にもなんねぇ」
「な、何だったのでしょうか?あれほどの力を感じたのは生まれて初めてですよ……まるで物理的圧力が掛かったかのようなプレッシャーは……」
「全員が初めてじゃねぇか?ははっ……あんなもん人間の発するもんじゃねぇだろ」

 首を捻りながら肩を怒らせる仮面男に対し、心臓を弄びながらハウザーは笑った。その顔は張り付いたような作り笑いだった。

「ここにいる全員が凄まじい力を感じたのは確かなようだが、これは……いや、こいつどうしたんだ?」

 グルガンは眼の前でうずくまるバトラーに指を差した。その姿は雷を怖がる子犬のように頼りない。
 圧倒的力ゆえ絶対的自信の元、誰の前であろうと、どんなことがあろうともブレることのなかった直立不動の執事はどこにも居なかった。

「……奴だ……これは……奴だ……!」

 ブルブル震えるのはシャドーガロンを葬った男への恐怖。シャドーガロンがまるでその辺の小動物のようにあっという間に斬り刻まれた事実に心底怯えている。トラウマ以外の何物でもない。
 容量の得ないバトラーの言葉に女王陛下と思しき魔族がポツリと呟く。

「……レッド=カーマイン」

 その呟きにバトラーはビクンッと体を跳ねさせた。バトラーはハッとしたようにキョロキョロと辺りを見渡し、自分がいつの間にかうずくまっていたことを知る。サッと立ち上がって反省の意を示すように頭を深々と下げた。

「冗談だろ?さっきのあれが?」
にわかに……信じ難い……」

 ハウザーとロータスは顔を見合わせる。先程まで煽り合っていたとは思えないほど神妙に危機感を募らせている。
 仮面男は顎に手を当ててチラリとグルガンに視線を送った。

「……これは本日集まれなかった方々にも周知しなければなりませんねぇ……」
「ああ、そうだ。我らを脅かす存在など考えたくもないことだがな。……女神を超える重圧。もしや新たな神の顕現か?」
「んなことどうでもいいだろ?野郎が女神復活を狙ってんなら、欠片を持つ俺たちはいずれ戦うことになる。どの道戦うってんなら、すぐ叩くか先延ばしにすんのかを決めようぜ」

 ハウザーの意見はシンプルだ。短慮とも思える提案に仮面男が即座に反応した。

「相手の戦力が不明すぎます。より緻密に分析をしてから戦うのが最適解でしょう。私は先延ばしを選択しますね」
「既にシャドーガロンがバラバラにされてんだろうが。他に誰がどうやって野郎の隠し玉を引き出せるってんだ?んなもん見る前にぶっ殺しゃ良いんだよ。つーことで俺は”奇襲”を推すぜ」
「奇襲に加え、暗殺が良い。寝込みを襲うレベルの……女神より慎重に扱うべきだ……真っ向から戦うべきじゃない……」
「これはロータスが正解だな。しかしそうであるなら誰を指名するかだ。少なくとも男爵バロン以上の実力でなければなるまい……」

 バッと手を上げたのはハウザー。今すぐ戦いたそうに目を輝かせている。

「……戦闘狂めが……だがその意気や良し。どうだろうか?ここは一つハウザーにやらせてみては?」

 誰も肯定も否定もしない。強いて言うなら黙認していると言える。
 ハウザーで決まりだろうという雰囲気を切り裂くように、女王と思しき魔族が口を開いた。

「貴方に奇襲や暗殺は期待していない。貴方は自身の領域で完膚無きまでに叩くのが得意。であるなら、自領に留まるべき。わたくしは暗殺自体を否定する」
「おい嘘だろ?ここに来てそりゃ無いぜフィニアス。俺が出ればまるっと解決する!信じてくれよ!」
「……わたくしは貴方に搦手からめてを期待していないと言った。自領に誘い込み、敵を討つ。それが貴方のすべきこと」

 その言葉でハウザーはハッとし、ニヤリとしたり顔で笑った。

「お待ちくださいフィニアス様……それでは先の話し合いの意味が……」
「黙れベルギルツ。フィニアスに逆らうつもりか?」

 仮面男ベルギルツにグルガンは喉を鳴らして威嚇した。

「何を馬鹿な。そんなわけがないでしょう?ハウザーが戦う方法については一考の余地ありと思い、失礼を承知で進言したまでのこと……如何でしょうかフィニアス様」
「ベルギルツ。貴方の言わんとすることは分かる。しかしわたくしはハウザーを……あなた方の能力を信頼している。ダンベルクは残念だったものの、ハウザーならばレッドを倒し、わたくしたちに平穏をもたらしてくれる。そう信じている」
「流石だぜフィニアス!よく言ってくれた!!この俺に全幅の信頼を寄せてくれるフィニアス陛下に敬意を評し、得意分野でねじ伏せることを誓おう。あ、そうだ。この場合アヴァンティアの人間を全滅させちまっても良いよな?うっかり殺しちまってどやされたら困るからよ」
「……半分までならば許そう」

 ハウザーは高笑いしながら椅子から離れた。ハウザー的にはただ立ち上がってフィニアスの前にひざまずいただけなのだが、その速度はロータス、グルガン、ベルギルツをもって捉えきれない。身体能力随一を誇る最強の一角。
 ハウザーはフィニアスの対面に跪き、右手に握っている心臓を掲げた。

「御意のままに」
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