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第四章 崩壊
第二十九話 守護者
「何で俺らがこんな面倒な真似しなきゃならないんだ?」
ぶつくさ文句言いつつ久方ぶりの外の空気に羽を伸ばす。エルフェニアにて禁呪”天樹召喚”を用い別世界から運悪く呼び出された守護者達は、先日立ち上った光の柱に向かって進んでいた。中でも一番文句を垂れる守護者のリーダー的存在、イキり野郎もとい獅子谷 正孝(ししたに まさたか)は最も苛立っていた。勝手に出ていけるなら何と言うことはない。しかし、現在エルフ達が守護者を囲って共に外に出ている。つまり自由が存在しない。
「仕事をこなさなきゃ自由は与えられない。仕方がないことだろう」
アンノウンは自己主張の激しい正孝を窘める。
「でも、まーくんの言う通りじゃない?わざわざ異世界に呼んでまで”魔王を倒して~!”なんて……ゲームじゃあるまいし……」
守護者の中で唯一の女性。というより女性だと分かる存在。彼女の名前は阿久津 美咲(あくつ みさき)。ハッキリ言ってかなり男にだらしがない。すぐ後ろでヘラヘラ笑いながらついてきている正孝の腰ぎんちゃくは葛見 茂(くずみ しげる)。とぼとぼ俯き加減で後ろからついて来るエルフたちと並んで歩くのは奥手男子の草部 歩(くさべ あゆむ)。中性は自らをアンノウンと名乗り、誰にも本当の名前を明かしていない。最初こそ中二病まっしぐらな雰囲気に四人で馬鹿にしていたが全く相手にされなかった。つまらないと判断した正孝たちはアンノウンを放っておくことにした。
「ま、いいじゃないっすか。ちゃっちゃと終わらせて自由になりましょうよ。正孝さんも美咲さんもマジ無敵だし、正直瞬殺っしょ」
茂は楽観主義に見せているが、その実、正孝と美咲に全て擦り付けようとしているのが見え見えだ。
「そんな簡単に行くもんかな……」
歩はその楽観発言に異議を唱える。
「あぁ?どういう意味っすか?」
苛立ち気味に尋ねる。
「……だって考えてみたらこの世界の住人で勝てない奴をどうやって僕らが倒すことが出来るのさ。ね?分からないでしょ……?」
正孝は歩を見て、これ見よがしにため息をついた。
「ばーか、ここの奴らを見たら分かんだろうが。どいつもこいつも非力な奴らだ。拳銃すら持ってないんだぜ?見ろよ、弓だぜ?こんな雑魚共が魔王なんて呼ばれてる奴に勝てるわけないだろ」
全員スケイルメイルを装備する弓兵。軽装鎧でとにかく身軽に動くことだけを重視したエルフ達。そんな連中を見れば脆弱に見えるのも無理はない。茂は正孝に便乗する。
「そうっすよ。それに俺たちの力は元の世界の何十倍も引き上げられてるんすよ?木や岩だって素手でどうとでも出来るのに、何を考えることがあるんすか?」
「それは……そうだけど……」
煮え切らない歩。美咲もこのウジウジした男に疑問と不安を抱く。
「あんたさぁ、何が心配なわけ?確かにあんたは弱いかもだけど、私とまーくんは強いじゃん。それじゃダメなん?」
そこなのだ。歩はこの手のファンタジー作品を呼んで夢中になった層だ。自分がもしファンタジー世界に行けたらと夢想し、日々何事もなく生きてきた。それは突然叶う事になった。それも自己の能力を極限まで高められ、特殊能力まで付与された正に理想と呼べる形で。しかし、理想とかけ離れていたのは敵を蹂躙出来るような能力では無かったこと。
その能力は奇しくも自分の一番嫌いな人種、所謂DQNに持っていかれたのだ。歩は探索系能力で彼らは攻撃を得意とする能力。素手だけでも無双できなくはないが、攻撃系能力の有無では意味合いが変わってくる。何故連中が苦労もせずに強い能力を得られて自分にはこんな能力なのか全く理解できなかった。そんなことを言うわけにもいかず、歩は結局正直に話す事も無くだんまりを決め込んだ。
「……何もねーならウジウジすんな。ボケ」
正孝は歩の言動に苛立ちの気持ちを吐き捨てる。森の日差しもあまり入らない薄暗い中、さらに一気に重い空気になってしまう。が、景色が開けるとその様子も一変する。
「……この場所は何だ?」
そこには広大な大地が広がる。草も木も苔すら生えていない不毛の大地。殺風景に思えたこの場所の中心に人影が見えた。エルフがその人影を見ると目を丸くして呟いた。そこには見知った人物が立ち尽くしていたのだ。
「……ハンターさん?」
その言葉にエルフ達が騒ぎ出す。
「そうだ。あれはハンターさんだ」
「でもどうしてここに……」
ハンターとはエルフ屈指の弓の名手。人類最強”白の騎士団”の候補者であり、エルフの代表でもある”光弓”の後釜としても有名な弓兵。彼らは知る由もないが、アルパザで光の柱を目撃したグレースの研究の一環として、ハンターとイルレアンの騎士を伴ってここまでやって来ていたのだ。ハンターの存在自体全く知らない茂がエルフ達に声をかけた。
「……って誰っすかそれぇ?自分らだけで納得しないで下さいよぉ」
お笑い芸人の様に騒がしく、オーバーリアクションで自己アピールに必死だ。アンノウンはそんなやり取りを一切無視して先々歩いていく。
「あ、おい」
アンノウンを先頭にゾロゾロと後ろからついていく。向かってくる気配に気づいて振り返るハンターと騎士たち。その側でしゃがんで調べているエルフの女性学者グレースは今こちらに来ている人たちに一切気付いていない。
「あれは……ヒューマンとエルフ?我々と同じような……いや、何かおかしいな」
騎士たちは警戒をし始める。剣の柄に手を置いていつでも抜ける様に構える。ハンターはそれに比べると全く警戒していない。弓を手に持ってはいるが矢を番えず、こちらに来るのを待っている。
「この虫は見たことない虫だわ。この辺りに生息しているのか、はたまた新種かは分からないけど毒を持ってる。噛まれないように注意して……聞いてる?」
誰も聞いてないことに気付いて辺りをを見渡す。皆の目が背後に向いているのを確認すると、そちらに目を向ける。歩いてくるヒューマンとエルフが目に映った。特に合流の予定もなかったので不思議に感じていると、十分な間合いを空けてアンノウンが立ち止まった。
「……君たちは誰かな?」
開口一番言い放ったのはアンノウン。
「僕らは調査隊さ。君らは?」
ハンターが代表で口を開く。同時に守護者側のエルフ数人がハンターの元に駆け寄る。
「ハンターさん。よろしければ少しだけあちらに……」
離れた場所でハンターにだけ情報の共有をしようとしている。しかし、そんなことをイルレアンの騎士たちは好ましく思わない。何の為にここまでついてきたのかという話である。
「ここで話せない事なのか?我々にも情報を共有すべきだろう」
ここに揃う八人の騎士たちの中で特別偉そうな髭面の男性が声を上げた。
「騎士殿。大変申し訳ないのですが、この件はエルフ国内の案件なので口外できません。情報の開示要求は上層部に直接お願いします」
取り付く島もない。否定される程度ならごり押しも考えたが、国家間の問題となると口は出せない。エルフ二人がハンターを連れて離れた所で話始めた。エルフの他に気になるのはエルフを抜いたヒューマンたち。不思議な衣装を着こむ彼らは何者なのか?
「その者たちは?どこの国に所属している?」
「エルフェニアだ」
先のエルフとは違うエルフが言い放つ。
「何故エルフがヒューマンを囲う?フッ……奴隷か何かか?」
騎士は苦笑気味に煽る。
「失礼なおっさんだなぁ」
正孝はニヤニヤ笑いながら騎士に近付く。「マサタカ様おやめください」と言うエルフや、騎士に対して同情の念やらを目で示すエルフたち。
「何だ?この俺に文句でもあるのか?奴隷風情がハネっ返りやがって……」
剣の柄に再度手を置く。いつでも抜くぞと脅しをかけ始めた。武器の無い正孝に余裕をかましている。今から起こるであろうことに守護者たちの目は冷ややかだ。
「……こんな言葉を聞いたことはないか?馬鹿は死ななきゃ治らないってさ……」
安い挑発だ。しかし、騎士のプライドは傷ついた。髭面の男の顔が醜く歪むと剣を引き抜いた。
「ひゅ~、やる気かよ。やっぱ馬鹿じゃん?」
「ほざけ。これがおもちゃに見えるか?騎士を侮辱する事がどれだけ危険か身をもって知れ」
騎士たちはこの意見に賛成である。どこの馬の骨とも知らない愚か者に世の中の厳しさというものを教えてやらねばなるまい。流石に剣を抜くのはやりすぎだとも思ったが、臆す事無く未だ調子に乗るこの男のにやけ面が鼻についた。出来れば完膚無きまで叩きのめしてほしいくらいだ
エルフたちは止める事無く黙って見守る。この圧倒的不利な状況を如何に潜り抜けるのかそれが見たかったからだ。素手で大木をへし折り、岩を砕くとされる守護者。彼のゴブリンを無傷で殲滅したその力の一端を見るいい機会でもあった。
騎士と睨み合う中、突如戦端が開かれる。騎士が上段から剣を振り下ろした。この髭の騎士はかなり腕のいい騎士だ。剣の切っ先で氷の塊を美しい女神に彫り上げる事も出来る。氷を引き合いに出したのは彼が魔法剣士である事を意味している。切っ先に魔力を集め、破壊しない様にそして溶かさない様に彫り上げる技量を持っているからだ。整えた立派な髭と刻まれた皺の年数が彼の経験の長さを物語っている。彼の狙いは右耳。逆らおうとする気概、反感を右耳と共にそぎ落とし、騎士の強さと威厳を保とうと考えてだ。速い。ハッキリ言って一般人では見切る事はおろか、動く瞬間すら見る事は出来ないだろう。
だが正孝には通用しない。その技巧、その経験を鼻で笑う程の力を有している。
パキィンッ
その甲高い音はこの荒野に響く。ハンターたちもその音に敏感に反応した。騎士の放った一撃は右手の人差し指と中指で簡単に挟み止められ、瞬く間も与えられず剣を中側から拳でへし折られる。髭の騎士が驚いたのも束の間、折った切っ先を騎士の利き手であろう右手に突き立てた。
「ぎゃあぁ!!」
思ってもみなかった攻撃に叫び声が出る。それもそのはず、正孝の攻撃は丈夫な手甲を貫通させ自慢の利き腕に穴をあけたのだ。
「!?……馬鹿な!」
騎士たちが一斉に剣を引き抜く。痛みのあまりうずくまって腕を抑える髭の騎士に別の騎士が一人つくと、他の騎士たちは庇う様に前に出た。いきり立つ騎士たちにヘラヘラしながら茂と正孝が前に出る。
「ちょっと何してんの!?ウチらは敵じゃない!!ほら、剣を下ろして!!」
グレースが慌てて止めに入る。騎士が剣を抜いた事でビビッて動けなかったが、対立が大きくなった時にようやく前に出られた。髭の騎士が始めた事なので彼に関しては自業自得だが、ここで対立するのは違う。せっかくの楽しみに正孝たちが水を差された形となったのでグレースに絡んでいく。
「あんた女だったんすか?エルフってマジで体格じゃ誰が誰だか分かんねーっすよねー……」
茂がグレースに近付こうと歩き始めた時、足元に矢が三本突き刺さる。ダンッと一回しか音が鳴らない程に速く均等に並んだ弓矢。「うぉわっ!!」驚きのあまり間抜けな声が出る。腰砕けになって尻もちをつくほどだった。放ったのはハンター。神業ともいえる速射三連発は異世界人の反応速度すら上回った。
「ぷっは!何そのリアクション!!しげピー元の世界帰ったら真面目にお笑い芸人目指したら?」
ケラケラ笑いながら美咲が茂を馬鹿にする。カーッと顔を赤くして恥ずかしさと怒りからハンターを睨みつける。弓矢を放った体勢でフッと笑う。馬鹿にしているように見えるのはグレースから視線をそらす為だが上手くいったようだ。歯ぎしりをしながら立ち上がると悔しさのあまりハンターに向かっていこうとする。
「……待て」
それを正孝は止めた。
「なんで止めるんすか!?アイツは俺を馬鹿にしたんすよ!」
「お前が馬鹿にされるなんて当然の事だ。ま、俺も大人げなかった。こっちも辱めを受けたし痛み分けだな。そうだろ?」
一方的に茂に我慢させる。茂はこの時、正孝の腰ぎんちゃくをしている事をひどく後悔したが、今更遅いと渋々後ろに下がった。エルフとの密談を終えたのか騎士たちと攻防のあった場所まで戻ってくる。ハンターは守護者を一瞥すると冷たい口調で言い放った。
「事情は分かりました。しかし、いくら守護者と言えど礼節は弁えてください」
(守護者?)グレースと騎士たちに疑問が走る。ニヤニヤ笑って「そうか」と正孝は後ろに歩いて行った。笑ってはみたがハンターに対し油断ならない相手だと認識する。傍から見ていた自分ですらその弓矢の軌跡を見る事は叶わなかった。この世界の人間の実力の違いが天と地ほどもある事に気付いたのが大きい。(見た目では判別しにくい……)そう思うと、ふと歩を見る。
「おい歩。ちょっと来い」
歩は少し嫌そうな顔をしたが、逆らう事なく正孝に近付く。肩を組んで誰にも聞けない様にボソッと喋る。
「お前確か探索能力だったよな……」
「え?……う、うん」
「ならその探索能力とやらで相手の実力が図れるのか?」
それは自分でも思いつかなかった事だ。というのも探索系能力というだけで自分の可能性を閉ざしたのが原因だ。言われてみてそういうのがあれば便利だと気付く。「や、やってみる」と一言言うとその場の人間を見渡す。能力を使用すると目が虹色に光を放つ。
「……見える」
「マジか?どうなってる?数値か?」
「いや、漠然と強いか弱いかくらいしか……鍛えたらそういうの見えるかもしれないけど……」
一瞬使えないかと思ったが、漠然とでも強さが見えるのは僥倖と言える。
「……じゃあこの中で誰が一番強いんだ?」
その言葉を聞いて今一度辺りを見渡す。
「……それは……間違いなく正孝君だよ。二番目が美咲さんで三番目にあのエルフが来る。茂君が四番くらいかな。僕が多分その下で、他は軒並み同じくらい。あの女エルフが最後だね」
それを聞いて疑問が生まれる。
「アンノウンは?」
「それが……見えないんだ。アンノウンさんはオーラ自体がない……」
そのセリフに言い知れぬ不安を抱く。そこでふと某有名漫画が頭を過ぎった。
「あの人はもしかするとこの世界に一番馴染んでいるのかも……ほら、気を隠すとかそんな奴……」
となれば全てが……名前も能力も基本ステータスすら未知数と言える。この事を早い段階で気付いていれば能力ぐらいは測れたかもと自分の可能性を閉じた事を後悔した。
「……つーことは俺や美咲以上の場合があるってことか?」
「ちょっとちょっと何の話っすか?」
茂が正孝にいつものテンションでやって来る。
「引っ込んでろ雑魚」
正孝は辛らつに茂を突き放す。
「ひっど!なんなんすか?」
半笑いでいつものノリを貫く。
「んー、まぁ分かったわ。了解了解。今後もよろしくな」
歩の背中を軽く叩いて離れた。茂には情報を与えない様にしている。
「なんなんすかさっきの……歩、教えろ」
茂はいつもの調子のいい仮面を捨てて歩に詰め寄るが、「何やってんだ茂!来い!」と言って正孝に呼ばれた。苦虫を噛み潰した顔で「はいはい」と歩から離れる。歩のこの能力は自分の物だけにしたいという表れなのか?この能力の優位性が分かってきた歩は今後の情報の開示の仕方を考える。
(共有しなければ勝手に潰されるかもしれない。そうなればこの息苦しい感じも……)
今後の事に頭の中で花を咲かせつつハンターたちと今一度対峙する。
「騎士の方々。お疲れさまでした。ここからはエルフの同胞たちもいるので、いつ戻っていただいても大丈夫です。怪我もされましたし、どうぞお帰り下さい」
ハンターは丁寧に騎士たちとのお別れに言葉を添える。だが、騎士たちとしてはそういうわけにはいかない。マクマイン公爵よりこの二人から目を離さないよう命じられているからだ。
「いえ、このまま同行させてください。怪我人も回復材にて既に完治しておりますし問題ございません。それに何と言いますか……」
声を落として周りに聞こえないようハンターに耳打ちする。
「あの者たちは信用なりません」
それを聞くとハンターも(律儀な人たちだなぁ)と感心し、「ならばあなた方の気の済むまでよろしくお願いします」と手を取り握手した。
「ちょっとハンター」
そんな時、グレースが声をかけた。
「守護者ってあれでしょ?”天樹召喚”の……」
とこれまたそっと耳打ちする。
「知ってたの?流石グレースは博識だなぁ」
「ちょ……馬鹿言ってないで……私の見聞が正しければ守護者は酷い奴らだって……」
ハンターはスッと無表情になる。
「その通り……今回、魔王討伐に呼ばれたらしい。同胞からの情報では横暴で無知蒙昧だと情報が入っているから、あまり近付かないようにね」
とはいうものの守護者は自分たちと行く道は同じだ。本当ならここでエルフェニアに帰りたいところだが、それを言うとグレースが意固地になるので、怖がらせることで帰省を間接的に促す。しかし、自分の恋した女性はこんなところで帰る様な素直な性格ではない。
「じゃあ近付かれない様にウチを守ってよね……」
口をとがらせて可愛げのある上目遣いでハンターの心を揺さぶる。これを天然でやるのだからグレースの事が嫌いになれない。
「当然。僕は”光弓”に代わるエースだよ?君の事は絶対に守る」
対するグレースも思う。(なんてキザなセリフ……)しかし、これを素でやるのだから天然のたらしだと言える。そんな二人だけの空間を見て美咲がイケメンのハンターにときめく。
(なんかよく見ると滅茶苦茶カッコ良くない!?エルフの里で見なかったカッコ良さなんだけど!?)
最初こそ鼻持ちならない印象だったが、グレースを前にすると険が取れる。その柔和な表情に一目惚れしたのだ。思いと思惑が錯綜する現状にアンノウンはため息を吐いた。
「くだらない……」
ぶつくさ文句言いつつ久方ぶりの外の空気に羽を伸ばす。エルフェニアにて禁呪”天樹召喚”を用い別世界から運悪く呼び出された守護者達は、先日立ち上った光の柱に向かって進んでいた。中でも一番文句を垂れる守護者のリーダー的存在、イキり野郎もとい獅子谷 正孝(ししたに まさたか)は最も苛立っていた。勝手に出ていけるなら何と言うことはない。しかし、現在エルフ達が守護者を囲って共に外に出ている。つまり自由が存在しない。
「仕事をこなさなきゃ自由は与えられない。仕方がないことだろう」
アンノウンは自己主張の激しい正孝を窘める。
「でも、まーくんの言う通りじゃない?わざわざ異世界に呼んでまで”魔王を倒して~!”なんて……ゲームじゃあるまいし……」
守護者の中で唯一の女性。というより女性だと分かる存在。彼女の名前は阿久津 美咲(あくつ みさき)。ハッキリ言ってかなり男にだらしがない。すぐ後ろでヘラヘラ笑いながらついてきている正孝の腰ぎんちゃくは葛見 茂(くずみ しげる)。とぼとぼ俯き加減で後ろからついて来るエルフたちと並んで歩くのは奥手男子の草部 歩(くさべ あゆむ)。中性は自らをアンノウンと名乗り、誰にも本当の名前を明かしていない。最初こそ中二病まっしぐらな雰囲気に四人で馬鹿にしていたが全く相手にされなかった。つまらないと判断した正孝たちはアンノウンを放っておくことにした。
「ま、いいじゃないっすか。ちゃっちゃと終わらせて自由になりましょうよ。正孝さんも美咲さんもマジ無敵だし、正直瞬殺っしょ」
茂は楽観主義に見せているが、その実、正孝と美咲に全て擦り付けようとしているのが見え見えだ。
「そんな簡単に行くもんかな……」
歩はその楽観発言に異議を唱える。
「あぁ?どういう意味っすか?」
苛立ち気味に尋ねる。
「……だって考えてみたらこの世界の住人で勝てない奴をどうやって僕らが倒すことが出来るのさ。ね?分からないでしょ……?」
正孝は歩を見て、これ見よがしにため息をついた。
「ばーか、ここの奴らを見たら分かんだろうが。どいつもこいつも非力な奴らだ。拳銃すら持ってないんだぜ?見ろよ、弓だぜ?こんな雑魚共が魔王なんて呼ばれてる奴に勝てるわけないだろ」
全員スケイルメイルを装備する弓兵。軽装鎧でとにかく身軽に動くことだけを重視したエルフ達。そんな連中を見れば脆弱に見えるのも無理はない。茂は正孝に便乗する。
「そうっすよ。それに俺たちの力は元の世界の何十倍も引き上げられてるんすよ?木や岩だって素手でどうとでも出来るのに、何を考えることがあるんすか?」
「それは……そうだけど……」
煮え切らない歩。美咲もこのウジウジした男に疑問と不安を抱く。
「あんたさぁ、何が心配なわけ?確かにあんたは弱いかもだけど、私とまーくんは強いじゃん。それじゃダメなん?」
そこなのだ。歩はこの手のファンタジー作品を呼んで夢中になった層だ。自分がもしファンタジー世界に行けたらと夢想し、日々何事もなく生きてきた。それは突然叶う事になった。それも自己の能力を極限まで高められ、特殊能力まで付与された正に理想と呼べる形で。しかし、理想とかけ離れていたのは敵を蹂躙出来るような能力では無かったこと。
その能力は奇しくも自分の一番嫌いな人種、所謂DQNに持っていかれたのだ。歩は探索系能力で彼らは攻撃を得意とする能力。素手だけでも無双できなくはないが、攻撃系能力の有無では意味合いが変わってくる。何故連中が苦労もせずに強い能力を得られて自分にはこんな能力なのか全く理解できなかった。そんなことを言うわけにもいかず、歩は結局正直に話す事も無くだんまりを決め込んだ。
「……何もねーならウジウジすんな。ボケ」
正孝は歩の言動に苛立ちの気持ちを吐き捨てる。森の日差しもあまり入らない薄暗い中、さらに一気に重い空気になってしまう。が、景色が開けるとその様子も一変する。
「……この場所は何だ?」
そこには広大な大地が広がる。草も木も苔すら生えていない不毛の大地。殺風景に思えたこの場所の中心に人影が見えた。エルフがその人影を見ると目を丸くして呟いた。そこには見知った人物が立ち尽くしていたのだ。
「……ハンターさん?」
その言葉にエルフ達が騒ぎ出す。
「そうだ。あれはハンターさんだ」
「でもどうしてここに……」
ハンターとはエルフ屈指の弓の名手。人類最強”白の騎士団”の候補者であり、エルフの代表でもある”光弓”の後釜としても有名な弓兵。彼らは知る由もないが、アルパザで光の柱を目撃したグレースの研究の一環として、ハンターとイルレアンの騎士を伴ってここまでやって来ていたのだ。ハンターの存在自体全く知らない茂がエルフ達に声をかけた。
「……って誰っすかそれぇ?自分らだけで納得しないで下さいよぉ」
お笑い芸人の様に騒がしく、オーバーリアクションで自己アピールに必死だ。アンノウンはそんなやり取りを一切無視して先々歩いていく。
「あ、おい」
アンノウンを先頭にゾロゾロと後ろからついていく。向かってくる気配に気づいて振り返るハンターと騎士たち。その側でしゃがんで調べているエルフの女性学者グレースは今こちらに来ている人たちに一切気付いていない。
「あれは……ヒューマンとエルフ?我々と同じような……いや、何かおかしいな」
騎士たちは警戒をし始める。剣の柄に手を置いていつでも抜ける様に構える。ハンターはそれに比べると全く警戒していない。弓を手に持ってはいるが矢を番えず、こちらに来るのを待っている。
「この虫は見たことない虫だわ。この辺りに生息しているのか、はたまた新種かは分からないけど毒を持ってる。噛まれないように注意して……聞いてる?」
誰も聞いてないことに気付いて辺りをを見渡す。皆の目が背後に向いているのを確認すると、そちらに目を向ける。歩いてくるヒューマンとエルフが目に映った。特に合流の予定もなかったので不思議に感じていると、十分な間合いを空けてアンノウンが立ち止まった。
「……君たちは誰かな?」
開口一番言い放ったのはアンノウン。
「僕らは調査隊さ。君らは?」
ハンターが代表で口を開く。同時に守護者側のエルフ数人がハンターの元に駆け寄る。
「ハンターさん。よろしければ少しだけあちらに……」
離れた場所でハンターにだけ情報の共有をしようとしている。しかし、そんなことをイルレアンの騎士たちは好ましく思わない。何の為にここまでついてきたのかという話である。
「ここで話せない事なのか?我々にも情報を共有すべきだろう」
ここに揃う八人の騎士たちの中で特別偉そうな髭面の男性が声を上げた。
「騎士殿。大変申し訳ないのですが、この件はエルフ国内の案件なので口外できません。情報の開示要求は上層部に直接お願いします」
取り付く島もない。否定される程度ならごり押しも考えたが、国家間の問題となると口は出せない。エルフ二人がハンターを連れて離れた所で話始めた。エルフの他に気になるのはエルフを抜いたヒューマンたち。不思議な衣装を着こむ彼らは何者なのか?
「その者たちは?どこの国に所属している?」
「エルフェニアだ」
先のエルフとは違うエルフが言い放つ。
「何故エルフがヒューマンを囲う?フッ……奴隷か何かか?」
騎士は苦笑気味に煽る。
「失礼なおっさんだなぁ」
正孝はニヤニヤ笑いながら騎士に近付く。「マサタカ様おやめください」と言うエルフや、騎士に対して同情の念やらを目で示すエルフたち。
「何だ?この俺に文句でもあるのか?奴隷風情がハネっ返りやがって……」
剣の柄に再度手を置く。いつでも抜くぞと脅しをかけ始めた。武器の無い正孝に余裕をかましている。今から起こるであろうことに守護者たちの目は冷ややかだ。
「……こんな言葉を聞いたことはないか?馬鹿は死ななきゃ治らないってさ……」
安い挑発だ。しかし、騎士のプライドは傷ついた。髭面の男の顔が醜く歪むと剣を引き抜いた。
「ひゅ~、やる気かよ。やっぱ馬鹿じゃん?」
「ほざけ。これがおもちゃに見えるか?騎士を侮辱する事がどれだけ危険か身をもって知れ」
騎士たちはこの意見に賛成である。どこの馬の骨とも知らない愚か者に世の中の厳しさというものを教えてやらねばなるまい。流石に剣を抜くのはやりすぎだとも思ったが、臆す事無く未だ調子に乗るこの男のにやけ面が鼻についた。出来れば完膚無きまで叩きのめしてほしいくらいだ
エルフたちは止める事無く黙って見守る。この圧倒的不利な状況を如何に潜り抜けるのかそれが見たかったからだ。素手で大木をへし折り、岩を砕くとされる守護者。彼のゴブリンを無傷で殲滅したその力の一端を見るいい機会でもあった。
騎士と睨み合う中、突如戦端が開かれる。騎士が上段から剣を振り下ろした。この髭の騎士はかなり腕のいい騎士だ。剣の切っ先で氷の塊を美しい女神に彫り上げる事も出来る。氷を引き合いに出したのは彼が魔法剣士である事を意味している。切っ先に魔力を集め、破壊しない様にそして溶かさない様に彫り上げる技量を持っているからだ。整えた立派な髭と刻まれた皺の年数が彼の経験の長さを物語っている。彼の狙いは右耳。逆らおうとする気概、反感を右耳と共にそぎ落とし、騎士の強さと威厳を保とうと考えてだ。速い。ハッキリ言って一般人では見切る事はおろか、動く瞬間すら見る事は出来ないだろう。
だが正孝には通用しない。その技巧、その経験を鼻で笑う程の力を有している。
パキィンッ
その甲高い音はこの荒野に響く。ハンターたちもその音に敏感に反応した。騎士の放った一撃は右手の人差し指と中指で簡単に挟み止められ、瞬く間も与えられず剣を中側から拳でへし折られる。髭の騎士が驚いたのも束の間、折った切っ先を騎士の利き手であろう右手に突き立てた。
「ぎゃあぁ!!」
思ってもみなかった攻撃に叫び声が出る。それもそのはず、正孝の攻撃は丈夫な手甲を貫通させ自慢の利き腕に穴をあけたのだ。
「!?……馬鹿な!」
騎士たちが一斉に剣を引き抜く。痛みのあまりうずくまって腕を抑える髭の騎士に別の騎士が一人つくと、他の騎士たちは庇う様に前に出た。いきり立つ騎士たちにヘラヘラしながら茂と正孝が前に出る。
「ちょっと何してんの!?ウチらは敵じゃない!!ほら、剣を下ろして!!」
グレースが慌てて止めに入る。騎士が剣を抜いた事でビビッて動けなかったが、対立が大きくなった時にようやく前に出られた。髭の騎士が始めた事なので彼に関しては自業自得だが、ここで対立するのは違う。せっかくの楽しみに正孝たちが水を差された形となったのでグレースに絡んでいく。
「あんた女だったんすか?エルフってマジで体格じゃ誰が誰だか分かんねーっすよねー……」
茂がグレースに近付こうと歩き始めた時、足元に矢が三本突き刺さる。ダンッと一回しか音が鳴らない程に速く均等に並んだ弓矢。「うぉわっ!!」驚きのあまり間抜けな声が出る。腰砕けになって尻もちをつくほどだった。放ったのはハンター。神業ともいえる速射三連発は異世界人の反応速度すら上回った。
「ぷっは!何そのリアクション!!しげピー元の世界帰ったら真面目にお笑い芸人目指したら?」
ケラケラ笑いながら美咲が茂を馬鹿にする。カーッと顔を赤くして恥ずかしさと怒りからハンターを睨みつける。弓矢を放った体勢でフッと笑う。馬鹿にしているように見えるのはグレースから視線をそらす為だが上手くいったようだ。歯ぎしりをしながら立ち上がると悔しさのあまりハンターに向かっていこうとする。
「……待て」
それを正孝は止めた。
「なんで止めるんすか!?アイツは俺を馬鹿にしたんすよ!」
「お前が馬鹿にされるなんて当然の事だ。ま、俺も大人げなかった。こっちも辱めを受けたし痛み分けだな。そうだろ?」
一方的に茂に我慢させる。茂はこの時、正孝の腰ぎんちゃくをしている事をひどく後悔したが、今更遅いと渋々後ろに下がった。エルフとの密談を終えたのか騎士たちと攻防のあった場所まで戻ってくる。ハンターは守護者を一瞥すると冷たい口調で言い放った。
「事情は分かりました。しかし、いくら守護者と言えど礼節は弁えてください」
(守護者?)グレースと騎士たちに疑問が走る。ニヤニヤ笑って「そうか」と正孝は後ろに歩いて行った。笑ってはみたがハンターに対し油断ならない相手だと認識する。傍から見ていた自分ですらその弓矢の軌跡を見る事は叶わなかった。この世界の人間の実力の違いが天と地ほどもある事に気付いたのが大きい。(見た目では判別しにくい……)そう思うと、ふと歩を見る。
「おい歩。ちょっと来い」
歩は少し嫌そうな顔をしたが、逆らう事なく正孝に近付く。肩を組んで誰にも聞けない様にボソッと喋る。
「お前確か探索能力だったよな……」
「え?……う、うん」
「ならその探索能力とやらで相手の実力が図れるのか?」
それは自分でも思いつかなかった事だ。というのも探索系能力というだけで自分の可能性を閉ざしたのが原因だ。言われてみてそういうのがあれば便利だと気付く。「や、やってみる」と一言言うとその場の人間を見渡す。能力を使用すると目が虹色に光を放つ。
「……見える」
「マジか?どうなってる?数値か?」
「いや、漠然と強いか弱いかくらいしか……鍛えたらそういうの見えるかもしれないけど……」
一瞬使えないかと思ったが、漠然とでも強さが見えるのは僥倖と言える。
「……じゃあこの中で誰が一番強いんだ?」
その言葉を聞いて今一度辺りを見渡す。
「……それは……間違いなく正孝君だよ。二番目が美咲さんで三番目にあのエルフが来る。茂君が四番くらいかな。僕が多分その下で、他は軒並み同じくらい。あの女エルフが最後だね」
それを聞いて疑問が生まれる。
「アンノウンは?」
「それが……見えないんだ。アンノウンさんはオーラ自体がない……」
そのセリフに言い知れぬ不安を抱く。そこでふと某有名漫画が頭を過ぎった。
「あの人はもしかするとこの世界に一番馴染んでいるのかも……ほら、気を隠すとかそんな奴……」
となれば全てが……名前も能力も基本ステータスすら未知数と言える。この事を早い段階で気付いていれば能力ぐらいは測れたかもと自分の可能性を閉じた事を後悔した。
「……つーことは俺や美咲以上の場合があるってことか?」
「ちょっとちょっと何の話っすか?」
茂が正孝にいつものテンションでやって来る。
「引っ込んでろ雑魚」
正孝は辛らつに茂を突き放す。
「ひっど!なんなんすか?」
半笑いでいつものノリを貫く。
「んー、まぁ分かったわ。了解了解。今後もよろしくな」
歩の背中を軽く叩いて離れた。茂には情報を与えない様にしている。
「なんなんすかさっきの……歩、教えろ」
茂はいつもの調子のいい仮面を捨てて歩に詰め寄るが、「何やってんだ茂!来い!」と言って正孝に呼ばれた。苦虫を噛み潰した顔で「はいはい」と歩から離れる。歩のこの能力は自分の物だけにしたいという表れなのか?この能力の優位性が分かってきた歩は今後の情報の開示の仕方を考える。
(共有しなければ勝手に潰されるかもしれない。そうなればこの息苦しい感じも……)
今後の事に頭の中で花を咲かせつつハンターたちと今一度対峙する。
「騎士の方々。お疲れさまでした。ここからはエルフの同胞たちもいるので、いつ戻っていただいても大丈夫です。怪我もされましたし、どうぞお帰り下さい」
ハンターは丁寧に騎士たちとのお別れに言葉を添える。だが、騎士たちとしてはそういうわけにはいかない。マクマイン公爵よりこの二人から目を離さないよう命じられているからだ。
「いえ、このまま同行させてください。怪我人も回復材にて既に完治しておりますし問題ございません。それに何と言いますか……」
声を落として周りに聞こえないようハンターに耳打ちする。
「あの者たちは信用なりません」
それを聞くとハンターも(律儀な人たちだなぁ)と感心し、「ならばあなた方の気の済むまでよろしくお願いします」と手を取り握手した。
「ちょっとハンター」
そんな時、グレースが声をかけた。
「守護者ってあれでしょ?”天樹召喚”の……」
とこれまたそっと耳打ちする。
「知ってたの?流石グレースは博識だなぁ」
「ちょ……馬鹿言ってないで……私の見聞が正しければ守護者は酷い奴らだって……」
ハンターはスッと無表情になる。
「その通り……今回、魔王討伐に呼ばれたらしい。同胞からの情報では横暴で無知蒙昧だと情報が入っているから、あまり近付かないようにね」
とはいうものの守護者は自分たちと行く道は同じだ。本当ならここでエルフェニアに帰りたいところだが、それを言うとグレースが意固地になるので、怖がらせることで帰省を間接的に促す。しかし、自分の恋した女性はこんなところで帰る様な素直な性格ではない。
「じゃあ近付かれない様にウチを守ってよね……」
口をとがらせて可愛げのある上目遣いでハンターの心を揺さぶる。これを天然でやるのだからグレースの事が嫌いになれない。
「当然。僕は”光弓”に代わるエースだよ?君の事は絶対に守る」
対するグレースも思う。(なんてキザなセリフ……)しかし、これを素でやるのだから天然のたらしだと言える。そんな二人だけの空間を見て美咲がイケメンのハンターにときめく。
(なんかよく見ると滅茶苦茶カッコ良くない!?エルフの里で見なかったカッコ良さなんだけど!?)
最初こそ鼻持ちならない印象だったが、グレースを前にすると険が取れる。その柔和な表情に一目惚れしたのだ。思いと思惑が錯綜する現状にアンノウンはため息を吐いた。
「くだらない……」
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