455 / 718
第十二章 協議
第十六話 他力本願
しおりを挟む
蒼玉は外の様子を眺めながら少し余裕を取り戻していた。
「……貴様は出向かないのか?」
マクマインは席についたまま蒼玉に尋ねる。どのような支配者であれ、自国を他者の采配に委ねている現状はマクマインにとっては困惑と疑問でしかない。魔障壁で守り、非戦闘員の避難が行われているとはいえ、相手は古代種。それも三体。何が起こっているにせよ民衆の不安を取り除き、一丸となってコトを起こすべき時ではないだろうか?
「ええ、私はやることがありますので……」
そんなマクマインの個人的な見解など無視して蒼玉はアルテミスを見た。
「もう一度伺います。この事態はアルテミス様とは関係がないのでしょうか?」
『知らないにゃ』
アルテミスは涼しい顔で肩を竦める。正直、全く信じられない。アルテミスの顔にはこの先何が起ころうとも驚きもしないというような雰囲気を漂わせている。ラルフの登場にあれほど期待を寄せ、裏切られたと同時に発狂した感情むき出しの癇癪持ちが、この事態にはポーカーフェイスを気取る。複数いると言われる神の間で何らか示し合わせたことは疑いようがないだろう。
それに比べればイミーナの隣で苦虫を噛み潰した顔を崩さないアトムはやはり白だと言える。自分がやりたいことに則さないと余裕ではいられないというアルテミスと似たタイプの神であり、感情を出しているのは自分が知らない事態に対する苛立ちを含んでいるのだと推測出来る。
「……ここでミーシャを片付けようとしたのは大間違いでしたね。私はあなた方とは敵対したくないと考えておりましたが、このような強攻策に出られるとなると私も正気では要られません」
蒼玉は表情にこそ表れないが、かなりの怒りを抱えていた。この言葉からも対立も辞さない覚悟だ。
『落ち着くにゃ~、うちは全能の神ではないにゃ。強いていうなら災いと戦いの神にゃよ?これくらいのことは稀に良くあることにゃ。この箱庭はみんなのもの。であるなら誰が何しようが自由ってことにゃ。そう目くじらを立てたって解決する問題じゃないことは分かってるにゃ?マクマインとかいうイケメンの言う通り、蒼玉も介入するのが正しいとうちも思うにゃ~』
両手を頭の後ろで組んで、椅子の背もたれに寄りかかる。「どう動くか見てやる」と言いたげな態度に蒼玉の表情も引きつった。フゥゥゥ……と息を長く細く吐いて気を落ち着けるとアトムを見た。
「アトム様。あなたはどう何です?この事態をどう見られているのかお聞きしたい」
蒼玉の質問にアトムは微笑みを浮かべる。
『……ふっ、違うな。お前が聞きたいのは私の見解などではない。この私に事態の収拾を委ねようというのだろう?素直に言ったらどうだ?私に奴らのところに赴いてあの獣をどうにかするように説得しろと。この猫なで声が放棄したためにあなたにしか頼れませんとな』
「……それでは動いてくださると?」
『ふざけるな。誰が行くものか』
アトムはプイッとそっぽを向いてしまう。
「話になりませんね。これではミーシャを殺すという目的は達成されそうにありません」
「……それは違うかと思います」
蒼玉の言葉を即座に否定したのはイミーナだった。グラジャラクの一件から信用が著しく低下したイミーナは蒼玉の怒りを買わないように終始黙っていたのだが、ここにきて封を解く。イミーナの発言に冷ややかな目を向けたが、ようやく口を開いた彼女の否定の理由を聞くために蒼玉は続きを促すように頷いた。
「はい。ミーシャは古代竜との戦いに魔力を使い果たしました。つまり今回も同じことが出来ると推測します」
「あなたが背後から射た槍の件でしょうか?あの時はあなたを完全に仲間であると認識した上に、槍の効果を知らなかった。つまり今世紀最大の機会を棒に振ったのです。その栄光をもう一度と言いたいのでしょうか?」
「はい」
「ほう……かなりの自信ですが、その根拠は?」
「まずは三体の獣が勢ぞろいしたという点です。前回のドラゴンは生け捕りの命令でした。相手を屈服させる目的の攻撃は、死なないようにする難しいものだったと私に漏らしています。今回はそのような制限がない中での戦い。一対一なら最強の獣も為す術はなかったでしょうが、三体を片付けるには相応の魔力を必要とします。魔力の底が尽きるのは当然と言えるでしょう」
「なるほど一理ありますね。しかし、今現在他の者たちも戦いに参加していることを思えば、そう簡単にことが運ぶとは思えません。疲弊しきる前に倒されては、目的達成とは言い難いでしょう?」
「蒼玉様はミーシャ以外に古代種に勝てる存在がいるとお思いですか?」
「……」
蒼玉はイミーナの言葉に黙らされる。
ミーシャには倒すだけの力と実績が存在する。他の魔王たちにはない能力だ。もちろんそんな魔王たちを倒せない人族など考慮にも値しない。
「どう足掻こうとも、最後にはミーシャが何とかするしかない。そして幸運なことに、ここに座す神々と他の方々もミーシャの死を望んでいる。だとするならあそこの三体全て彼女の命を狙っているということ。今のところ肉壁となっている鉄や竜胆が邪魔をしていても、いずれ力尽き、ミーシャが全てに対処することを余儀なくされるのは時間の問題。古代種の犠牲は止むを得ませんが、それで殺せるなら安いと提案いたします」
イミーナの説明は的を射ていた。ハッキリ古代種にトドメをさせるのはミーシャのみ。となれば必然戦いは多くなり、いずれ魔力は尽きる。その”いずれ”を待つだけの餌を待つヒナになるのは癪だが、勝てそうな戦略なら試さない手はない。
『ちょーっと聞き捨てならない面もあるけど、概ね良い線いってるにゃ!』
アルテミスは上機嫌で言葉を弾ませた。
『どうなるか高みの見物か。悪くない』
アトムも珍しくイミーナを褒める。得意満面のイミーナだったが、要するに棚からぼた餅を再現しようとしているだけだ。他人任せの戦略が果たして上手くいくのかと問われれば、完全な肯定はしかねる。
しかし、これは実態に基づいた意見であることも考慮しなければならない。魔力を空に出来る自信と根拠は確かに存在した。ならば試すだけでも価値があると言える。ただの高みの見物であっても、そこには確かな戦略が存在した。
「……詰める必要はありますが。それではどうなるか成り行きを見守りましょう」
蒼玉もイミーナの日和った意見に賛成だった。マクマインは若干否定気味に頭をひねっていたが、腕を組んで押し黙った。結局失敗しても大きな痛手になるのはペルタルク。もはや気分は野次馬だった。
*
「……あぁ面倒臭い」
ミーシャの頭の許容量はすでに限界に達していた。元々戦略家でもないのに、考えすぎたのが仇となった。
「もういいや、倒しちゃお。ベルフィア!よくやった!後は私がやる!」
ひとりでやると言い出したミーシャ。ベルフィアは一瞬焦ったが、すぐに意向を聞き入れ、頭を下げた。
「御意。……お気をつけて」
「ああ」
ベルフィアはその場で下がり、ミーシャの獲物から距離を取る。これから始まる凄まじい戦闘のために気持ち場所を空けた。
先ほどまで本気を出すことなく戦闘を流して、見に回っていたミーシャだったが、ようやく動く。
「……貴様は出向かないのか?」
マクマインは席についたまま蒼玉に尋ねる。どのような支配者であれ、自国を他者の采配に委ねている現状はマクマインにとっては困惑と疑問でしかない。魔障壁で守り、非戦闘員の避難が行われているとはいえ、相手は古代種。それも三体。何が起こっているにせよ民衆の不安を取り除き、一丸となってコトを起こすべき時ではないだろうか?
「ええ、私はやることがありますので……」
そんなマクマインの個人的な見解など無視して蒼玉はアルテミスを見た。
「もう一度伺います。この事態はアルテミス様とは関係がないのでしょうか?」
『知らないにゃ』
アルテミスは涼しい顔で肩を竦める。正直、全く信じられない。アルテミスの顔にはこの先何が起ころうとも驚きもしないというような雰囲気を漂わせている。ラルフの登場にあれほど期待を寄せ、裏切られたと同時に発狂した感情むき出しの癇癪持ちが、この事態にはポーカーフェイスを気取る。複数いると言われる神の間で何らか示し合わせたことは疑いようがないだろう。
それに比べればイミーナの隣で苦虫を噛み潰した顔を崩さないアトムはやはり白だと言える。自分がやりたいことに則さないと余裕ではいられないというアルテミスと似たタイプの神であり、感情を出しているのは自分が知らない事態に対する苛立ちを含んでいるのだと推測出来る。
「……ここでミーシャを片付けようとしたのは大間違いでしたね。私はあなた方とは敵対したくないと考えておりましたが、このような強攻策に出られるとなると私も正気では要られません」
蒼玉は表情にこそ表れないが、かなりの怒りを抱えていた。この言葉からも対立も辞さない覚悟だ。
『落ち着くにゃ~、うちは全能の神ではないにゃ。強いていうなら災いと戦いの神にゃよ?これくらいのことは稀に良くあることにゃ。この箱庭はみんなのもの。であるなら誰が何しようが自由ってことにゃ。そう目くじらを立てたって解決する問題じゃないことは分かってるにゃ?マクマインとかいうイケメンの言う通り、蒼玉も介入するのが正しいとうちも思うにゃ~』
両手を頭の後ろで組んで、椅子の背もたれに寄りかかる。「どう動くか見てやる」と言いたげな態度に蒼玉の表情も引きつった。フゥゥゥ……と息を長く細く吐いて気を落ち着けるとアトムを見た。
「アトム様。あなたはどう何です?この事態をどう見られているのかお聞きしたい」
蒼玉の質問にアトムは微笑みを浮かべる。
『……ふっ、違うな。お前が聞きたいのは私の見解などではない。この私に事態の収拾を委ねようというのだろう?素直に言ったらどうだ?私に奴らのところに赴いてあの獣をどうにかするように説得しろと。この猫なで声が放棄したためにあなたにしか頼れませんとな』
「……それでは動いてくださると?」
『ふざけるな。誰が行くものか』
アトムはプイッとそっぽを向いてしまう。
「話になりませんね。これではミーシャを殺すという目的は達成されそうにありません」
「……それは違うかと思います」
蒼玉の言葉を即座に否定したのはイミーナだった。グラジャラクの一件から信用が著しく低下したイミーナは蒼玉の怒りを買わないように終始黙っていたのだが、ここにきて封を解く。イミーナの発言に冷ややかな目を向けたが、ようやく口を開いた彼女の否定の理由を聞くために蒼玉は続きを促すように頷いた。
「はい。ミーシャは古代竜との戦いに魔力を使い果たしました。つまり今回も同じことが出来ると推測します」
「あなたが背後から射た槍の件でしょうか?あの時はあなたを完全に仲間であると認識した上に、槍の効果を知らなかった。つまり今世紀最大の機会を棒に振ったのです。その栄光をもう一度と言いたいのでしょうか?」
「はい」
「ほう……かなりの自信ですが、その根拠は?」
「まずは三体の獣が勢ぞろいしたという点です。前回のドラゴンは生け捕りの命令でした。相手を屈服させる目的の攻撃は、死なないようにする難しいものだったと私に漏らしています。今回はそのような制限がない中での戦い。一対一なら最強の獣も為す術はなかったでしょうが、三体を片付けるには相応の魔力を必要とします。魔力の底が尽きるのは当然と言えるでしょう」
「なるほど一理ありますね。しかし、今現在他の者たちも戦いに参加していることを思えば、そう簡単にことが運ぶとは思えません。疲弊しきる前に倒されては、目的達成とは言い難いでしょう?」
「蒼玉様はミーシャ以外に古代種に勝てる存在がいるとお思いですか?」
「……」
蒼玉はイミーナの言葉に黙らされる。
ミーシャには倒すだけの力と実績が存在する。他の魔王たちにはない能力だ。もちろんそんな魔王たちを倒せない人族など考慮にも値しない。
「どう足掻こうとも、最後にはミーシャが何とかするしかない。そして幸運なことに、ここに座す神々と他の方々もミーシャの死を望んでいる。だとするならあそこの三体全て彼女の命を狙っているということ。今のところ肉壁となっている鉄や竜胆が邪魔をしていても、いずれ力尽き、ミーシャが全てに対処することを余儀なくされるのは時間の問題。古代種の犠牲は止むを得ませんが、それで殺せるなら安いと提案いたします」
イミーナの説明は的を射ていた。ハッキリ古代種にトドメをさせるのはミーシャのみ。となれば必然戦いは多くなり、いずれ魔力は尽きる。その”いずれ”を待つだけの餌を待つヒナになるのは癪だが、勝てそうな戦略なら試さない手はない。
『ちょーっと聞き捨てならない面もあるけど、概ね良い線いってるにゃ!』
アルテミスは上機嫌で言葉を弾ませた。
『どうなるか高みの見物か。悪くない』
アトムも珍しくイミーナを褒める。得意満面のイミーナだったが、要するに棚からぼた餅を再現しようとしているだけだ。他人任せの戦略が果たして上手くいくのかと問われれば、完全な肯定はしかねる。
しかし、これは実態に基づいた意見であることも考慮しなければならない。魔力を空に出来る自信と根拠は確かに存在した。ならば試すだけでも価値があると言える。ただの高みの見物であっても、そこには確かな戦略が存在した。
「……詰める必要はありますが。それではどうなるか成り行きを見守りましょう」
蒼玉もイミーナの日和った意見に賛成だった。マクマインは若干否定気味に頭をひねっていたが、腕を組んで押し黙った。結局失敗しても大きな痛手になるのはペルタルク。もはや気分は野次馬だった。
*
「……あぁ面倒臭い」
ミーシャの頭の許容量はすでに限界に達していた。元々戦略家でもないのに、考えすぎたのが仇となった。
「もういいや、倒しちゃお。ベルフィア!よくやった!後は私がやる!」
ひとりでやると言い出したミーシャ。ベルフィアは一瞬焦ったが、すぐに意向を聞き入れ、頭を下げた。
「御意。……お気をつけて」
「ああ」
ベルフィアはその場で下がり、ミーシャの獲物から距離を取る。これから始まる凄まじい戦闘のために気持ち場所を空けた。
先ほどまで本気を出すことなく戦闘を流して、見に回っていたミーシャだったが、ようやく動く。
0
あなたにおすすめの小説
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる