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第十四章 驚天動地
第二十四話 消したら増える
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『このクズどもっ!我の前に出て来いって言ってるだろっ!!』
空中浮遊要塞スカイ・ウォーカーの目の前に突如として現れた人影。
後光が射しているスラッとしたイケメン男性、その名をユピテル。拳を振り上げ、血管を浮かせながらキレ散らかしている。
「あれ?……さっきも見たような……」
大広間でまったりお茶を楽しんでいたラルフたちは、モニターに映された光景に首を傾げた。
「ん?待ってぇ。さっきと違うよぉ?」
エレノアの指摘通り、ユピテルの側に少年が一緒に浮いている。少年の肩には猫と思われる獣が乗っている。
「ああ、確かに違うな。今度の奴は一味違いそうだぜ?」
ラルフは草臥れたハットを被り直して立ち上がる。それに合わせて全員が立ち上がった。ミーシャはすぐにラルフの横に立つ。
「また魔力砲で消したら?」
「いや、根本的な解決にならねぇ。サトリが言ってたんだが、神は死んでも特別な空間に戻るだけで死なねぇんだと。ミーシャが頭を吹っ飛ばしたアルテミスがすぐに戻ってこなかったから油断してたが、こんなに早く戻ってくるとは思っても見なかったぜ」
ラルフの発言を聞いてイミーナがここぞとばかりに口を挟む。
「だから最初は対話から始めようと言ったのです。空気の読めないアンデッドのせいで面倒なことに……」
「ああ?なっとらんワ!元から奴らは面倒な存在じゃ。斯くなル上は奴らを無限に殺し、もう二度と近寄りタくないと思わせてやル。対話などと日和っタことを撤回すルなら、そちを仲間に入れてやっても良いぞ?」
「んふふ……誰が仲間に入りたいと言いましたか?図に乗るのも大概にしていただきたい」
イミーナには協調性がない。ベルフィアも然程変わらないが、イミーナの言動は端から見ても心配になってくるレベルだ。
(まぁ、どっちもミーシャが実質使役してるようなもんだし?安心っちゃ安心なんだが……)
ラルフはフラッと外に出ようとする。歩がそんなラルフを引き止める。
「待ってくださいラルフさん!先ほど調べたんですが、相手は僕の能力で測定不能な奴です!万が一もありますし、出て行かない方が良いのでは?」
歩の特異能力”索敵”と”識別”。危険から身を守り、何がどう危険なのかを知ることの出来る能力。そんな素晴らしい能力が突然測定不能と出てしまったら、正しく命の危機。
「成るように成る。つーことであいつらを中に入れる。話し合って、より良い方策を得てくるぜ」
『随分と無謀な賭けだと私は思いますが?』
そこにサトリもやって来た。ユピテルが一人で来た時は大活躍だったサトリも少年と獣のペアが気になっているようだ。
「任せとけって、いざとなれば次元の狭間に逃げ込むさ」
ラルフはしたり顔で不敵に答える。身体能力での戦いならミーシャが出ていくべきだが、この場に似つかわしくない少年を出してきたので、どうも普通に戦闘ということではなさそうだった。その意を汲んで、ラルフは直接対話を望んでいた。
『返事がない。ふっ……どうやら貴様の考えは日和見だったようだな、ネレイド。ここで一気に攻勢に出るのが正しかったと証明されたようだ』
『いきなり魔力砲で撃たれることがなかったのは運が良かった。吾とミネルバの考えは「対話、ときどき戦闘」だよ。まずは相手を知るところから始めないと……』
いきなり消滅させられたファーストコンタクトとは違って、慎重姿勢がやはり良かったのだろうと推測していた。ネレイドの考えを後押しするように、二人と一匹の眼前の空間にヒビが入る。
ゴバァッ
空間を左右に開いて穴を大きく広げる。それをやってのけた人型に注目する。
『これが”次元渡り”の能力……』
『やはり危険すぎる。せめてどうにかなると自身に言い聞かせたいものだが……』
ユピテルもネレイドもラルフの得意げな顔を見てイラッとする以外に出来ることはない。
「ようこそっ!空中浮遊要塞スカイ・ウォーカーへ!!ふっ……歓迎しちゃうぜ?神様♪」
空中浮遊要塞スカイ・ウォーカーの目の前に突如として現れた人影。
後光が射しているスラッとしたイケメン男性、その名をユピテル。拳を振り上げ、血管を浮かせながらキレ散らかしている。
「あれ?……さっきも見たような……」
大広間でまったりお茶を楽しんでいたラルフたちは、モニターに映された光景に首を傾げた。
「ん?待ってぇ。さっきと違うよぉ?」
エレノアの指摘通り、ユピテルの側に少年が一緒に浮いている。少年の肩には猫と思われる獣が乗っている。
「ああ、確かに違うな。今度の奴は一味違いそうだぜ?」
ラルフは草臥れたハットを被り直して立ち上がる。それに合わせて全員が立ち上がった。ミーシャはすぐにラルフの横に立つ。
「また魔力砲で消したら?」
「いや、根本的な解決にならねぇ。サトリが言ってたんだが、神は死んでも特別な空間に戻るだけで死なねぇんだと。ミーシャが頭を吹っ飛ばしたアルテミスがすぐに戻ってこなかったから油断してたが、こんなに早く戻ってくるとは思っても見なかったぜ」
ラルフの発言を聞いてイミーナがここぞとばかりに口を挟む。
「だから最初は対話から始めようと言ったのです。空気の読めないアンデッドのせいで面倒なことに……」
「ああ?なっとらんワ!元から奴らは面倒な存在じゃ。斯くなル上は奴らを無限に殺し、もう二度と近寄りタくないと思わせてやル。対話などと日和っタことを撤回すルなら、そちを仲間に入れてやっても良いぞ?」
「んふふ……誰が仲間に入りたいと言いましたか?図に乗るのも大概にしていただきたい」
イミーナには協調性がない。ベルフィアも然程変わらないが、イミーナの言動は端から見ても心配になってくるレベルだ。
(まぁ、どっちもミーシャが実質使役してるようなもんだし?安心っちゃ安心なんだが……)
ラルフはフラッと外に出ようとする。歩がそんなラルフを引き止める。
「待ってくださいラルフさん!先ほど調べたんですが、相手は僕の能力で測定不能な奴です!万が一もありますし、出て行かない方が良いのでは?」
歩の特異能力”索敵”と”識別”。危険から身を守り、何がどう危険なのかを知ることの出来る能力。そんな素晴らしい能力が突然測定不能と出てしまったら、正しく命の危機。
「成るように成る。つーことであいつらを中に入れる。話し合って、より良い方策を得てくるぜ」
『随分と無謀な賭けだと私は思いますが?』
そこにサトリもやって来た。ユピテルが一人で来た時は大活躍だったサトリも少年と獣のペアが気になっているようだ。
「任せとけって、いざとなれば次元の狭間に逃げ込むさ」
ラルフはしたり顔で不敵に答える。身体能力での戦いならミーシャが出ていくべきだが、この場に似つかわしくない少年を出してきたので、どうも普通に戦闘ということではなさそうだった。その意を汲んで、ラルフは直接対話を望んでいた。
『返事がない。ふっ……どうやら貴様の考えは日和見だったようだな、ネレイド。ここで一気に攻勢に出るのが正しかったと証明されたようだ』
『いきなり魔力砲で撃たれることがなかったのは運が良かった。吾とミネルバの考えは「対話、ときどき戦闘」だよ。まずは相手を知るところから始めないと……』
いきなり消滅させられたファーストコンタクトとは違って、慎重姿勢がやはり良かったのだろうと推測していた。ネレイドの考えを後押しするように、二人と一匹の眼前の空間にヒビが入る。
ゴバァッ
空間を左右に開いて穴を大きく広げる。それをやってのけた人型に注目する。
『これが”次元渡り”の能力……』
『やはり危険すぎる。せめてどうにかなると自身に言い聞かせたいものだが……』
ユピテルもネレイドもラルフの得意げな顔を見てイラッとする以外に出来ることはない。
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