3 / 6
第3話「封印の地下迷宮」
しおりを挟む
青白い光は、森の奥から漏れていた。
まともな判断なら無視して寝直すところだ。夜の森に一人で入るなんて、冒険者としては下の下。
だが、左手が止まらない。脈動は心臓の鼓動とは別のリズムで、体の芯から突き上げてくる。痛みではない。引力だ。あの光の方角に向かって、魂そのものが引っ張られている。
七年間パーティにいた経験上、この手の直感を無視するとろくなことにならない。
焚き火を消し、外套を羽織り直して、森に足を踏み入れた。
暗い。月明かりが木の葉に遮られ、三歩先が見えない。足元の枯れ枝を踏むたびに乾いた音が響き、それ以外は沈黙だった。鳥も虫も鳴いていない。森全体が息を潜めているような静けさだ。
だが不思議と、迷う気配はなかった。左手の脈動が道案内をしている。右に曲がれ。この木の根を跨げ。あの倒木の左を抜けろ。声ではなく感覚として、進むべき方向だけがはっきりとわかった。
獣道を辿ること数分。
木々が唐突に途切れ、開けた場所に出た。月光が差し込んでいる。円形の空き地の中央に、人の背丈ほどの石碑が立っていた。苔むし、蔦に半ば覆われた古い石。表面に文字が刻まれている。
見たことのない書体だった。なろうの共通語でも、古代エルドガルド語でもない。もっと古い。数千年以上前のものだろう。
読めないはずの文字が——読めた。
魂魄支配が自動的に反応し、古代文字の意味が頭に流れ込んでくる。文字を解読しているのではない。石碑に刻まれた「意志」を、魂越しに受け取っている。こんなことは初めてだ。
——「ここに眠るは世界の理。魂を統べる者のみ、門を開く資格あり」
魂を統べる者。死霊術師のことか。
石碑に手を触れた。
瞬間、地面が震えた。足元の土が左右に裂け、石造りの階段が姿を現す。一段一段が滑らかに削り出されていて、数千年前のものとは思えないほど綺麗だった。階段の壁面が、あの青白い光で淡く照らされている。
地下へ続く道。
「……行くしかないな」
階段を降りる。十段、二十段、三十段。空気が変わった。地上の湿った森の匂いが消え、乾いた石と古い魔力の気配に変わる。温度も違う。冷たいのではなく、一定の温度に保たれている。生きている建物だ。
地下迷宮だった。
通路は人が三人並んで歩けるほど広く、天井も高い。何千年も前に造られたものだろうに、崩落の気配はなく、壁に嵌め込まれた青白い石が自動的に灯る。俺が近づくと点き、通り過ぎると消える。来訪者を導くように設計されている。
壁面には壁画が連なっていた。
◇
最初の壁画で、足が止まった。
描かれていたのは一人の人間だった。黒い外套を纏い、片手を掲げている。その周囲に、人々が並んでいる。生者と——死者が。生きている人間と、半透明の魂が、区別なく共に立っている。
——死霊術師だ。
だが、壁画の中の死霊術師は、禁忌の罪人ではなかった。
民衆に囲まれている。手を取られ、花を捧げられ、先頭に立って何かと戦っている。笑っている。生者に感謝され、死者に慕われている。
英雄として描かれている。
次の壁画。死霊術師が巨大な闇の存在に立ち向かっている。魔王だろうか。その背後に、生者の軍勢と死者の軍勢が共に剣を掲げている。生と死の境界を超えた同盟。それを束ねているのが、死霊術師だった。
三枚目。死霊術師が倒れている。戦いの後だ。周囲の人々——生者も死者も——が涙を流している。英雄の死を悼む図。死霊術師の手には、薔薇が一輪握られていた。
「……死霊術師が、英雄」
呟いた声が、通路に反響した。
教会は死霊術師を禁忌の天職と定めている。死者を弄ぶ忌まわしい術だと。民衆もそう信じている。俺自身、そう教わって育った。十五歳の成人儀式で天職が発現した日から、ずっと「お前は不吉だ」「気味が悪い」「出て行け」と言われ続けてきた。
なのにこの壁画では、死霊術師は世界を救った存在として祀られている。
壁画に手を触れた。石は冷たい。だが、魂魄支配を通じて——温もりが伝わってきた。微かな、だが確かな温もり。何千年も前にこの壁画を描いた人間の感情が、石に染み込んでいる。
感謝だった。
死霊術師への、純粋な感謝。「あの人のおかげで、世界は救われた」という祈りの残滓。
——七年間、一度も感じたことのない感情だ。
俺の天職を、「ありがとう」と思ってくれた人間が、かつてこの世界にいた。何千年も前に。教会がその歴史を封じてしまう前に。
どちらが本当だ。教会の教えか、この壁画か。
答えは出ない。だが——壁画の石に触れた手を、離したくなかった。少なくともこの場所を造った人間たちは、死霊術師を恐れてはいなかった。それだけで、胸の奥にある七年分の棘が、一本だけ抜けた気がした。
◇
通路はやがて広い空間に出た。
最深部の祭壇。円形の部屋の天井は高く、壁面全体に星空の壁画が描かれている。中央に台座があり、その上に拳大の水晶球が置かれていた。水晶球が青白い光の源だ。部屋全体を照らし、脈動するように明滅している。
左手の脈動が、もはや痛みに近い。魂魄支配が限界まで共鳴している。体が震える。水晶球が俺を呼んでいる。いや、水晶球に封じられた「何か」が、俺を認識している。
手を伸ばした。
指先が水晶球に触れた瞬間——全身に激痛が走った。
「がっ——!?」
膝をつく。視界が白く弾けた。頭の中に膨大な情報が流れ込んでくる。文字ではない。映像でもない。もっと直接的な、魂そのものに焼き印を押されるような感覚。
名前が浮かぶ。
魂視(ソウルサイト)——生者・死者を問わず、魂の本質を視る力。嘘も、隠された感情も、秘められた才能の真の評価も、全てが可視化される。
魂鎮(ソウルレスト)——暴走する魂を鎮め、安らかに還す力。今まで七年間、無意識に、名前も知らずにやっていたことだ。ゼノンの聖剣で倒した魔物が蘇らなかったのも、ダリウスが悪夢を見なかったのも、全部これだった。ようやく名前がついた。
魂喚(ソウルコール)——死者の魂を一時的に呼び覚まし、力を借りる力。これはまだ輪郭だけだ。名前と概念はわかるが、使いこなすには修練がいる。
痛みが引いていく。額の汗を拭い、荒い息をつきながら立ち上がった。
——世界が、違って見えた。
祭壇の石。一つ一つに微かな魂の残滓が宿っている。何千年も前にこの石を積んだ職人たちの魂の欠片。壁画に込められた祈りが、青白い光の粒になって壁面を漂っている。空気中にも気配がある。この迷宮で息を引き取った何者かの——穏やかな、見守るような存在感。
今まで暗闇だった世界が、魂の光で満ちている。見えなかったものが、見える。
七年間、俺は目を閉じたまま剣を振っていたようなものだ。手探りで、誰に教わることもなく、独学で。
ようやく目が開いた。
「すごいな……」
自分の手を見た。指先まで魂の力が行き渡っているのが見える。右手と左手で、少しだけ色が違う。右手は鎮魂の力が強く、左手は召喚に適している。こんなことまでわかる。
足元が揺れた。
覚醒の余波だ。水晶球から放たれた力の波が祭壇全体に広がり、奥の壁にひびが入った。封印の紋様が描かれた壁が、音を立てて崩れていく。
壁が崩れ落ちた先に、もう一つの空間があった。
暗い。だが、魂視には見える。
巨大な棺が、宙に浮いていた。
黒い石で造られた棺。蓋に精緻な紋章が刻まれている。薔薇と月。壁画にも描かれていた紋章だ。吸血鬼の王家の紋章。
棺の中に——魂がいた。魂視で見える。途方もなく強く、途方もなく古い魂。赤黒い光を放っている。800年分の孤独と怒りが渦を巻いて、それでもなお消えていない。
生きている。この中の存在は、800年間、眠りながら生き続けている。
棺から、声が聞こえた。
「……誰か、いるの……?」
かすれた声。女の声だ。途方もなく長い時間を眠っていたような、掠れた響き。
「800年ぶりに……人の気配がする……」
800年。
俺は棺の前に立ち、息を呑んだ。
まともな判断なら無視して寝直すところだ。夜の森に一人で入るなんて、冒険者としては下の下。
だが、左手が止まらない。脈動は心臓の鼓動とは別のリズムで、体の芯から突き上げてくる。痛みではない。引力だ。あの光の方角に向かって、魂そのものが引っ張られている。
七年間パーティにいた経験上、この手の直感を無視するとろくなことにならない。
焚き火を消し、外套を羽織り直して、森に足を踏み入れた。
暗い。月明かりが木の葉に遮られ、三歩先が見えない。足元の枯れ枝を踏むたびに乾いた音が響き、それ以外は沈黙だった。鳥も虫も鳴いていない。森全体が息を潜めているような静けさだ。
だが不思議と、迷う気配はなかった。左手の脈動が道案内をしている。右に曲がれ。この木の根を跨げ。あの倒木の左を抜けろ。声ではなく感覚として、進むべき方向だけがはっきりとわかった。
獣道を辿ること数分。
木々が唐突に途切れ、開けた場所に出た。月光が差し込んでいる。円形の空き地の中央に、人の背丈ほどの石碑が立っていた。苔むし、蔦に半ば覆われた古い石。表面に文字が刻まれている。
見たことのない書体だった。なろうの共通語でも、古代エルドガルド語でもない。もっと古い。数千年以上前のものだろう。
読めないはずの文字が——読めた。
魂魄支配が自動的に反応し、古代文字の意味が頭に流れ込んでくる。文字を解読しているのではない。石碑に刻まれた「意志」を、魂越しに受け取っている。こんなことは初めてだ。
——「ここに眠るは世界の理。魂を統べる者のみ、門を開く資格あり」
魂を統べる者。死霊術師のことか。
石碑に手を触れた。
瞬間、地面が震えた。足元の土が左右に裂け、石造りの階段が姿を現す。一段一段が滑らかに削り出されていて、数千年前のものとは思えないほど綺麗だった。階段の壁面が、あの青白い光で淡く照らされている。
地下へ続く道。
「……行くしかないな」
階段を降りる。十段、二十段、三十段。空気が変わった。地上の湿った森の匂いが消え、乾いた石と古い魔力の気配に変わる。温度も違う。冷たいのではなく、一定の温度に保たれている。生きている建物だ。
地下迷宮だった。
通路は人が三人並んで歩けるほど広く、天井も高い。何千年も前に造られたものだろうに、崩落の気配はなく、壁に嵌め込まれた青白い石が自動的に灯る。俺が近づくと点き、通り過ぎると消える。来訪者を導くように設計されている。
壁面には壁画が連なっていた。
◇
最初の壁画で、足が止まった。
描かれていたのは一人の人間だった。黒い外套を纏い、片手を掲げている。その周囲に、人々が並んでいる。生者と——死者が。生きている人間と、半透明の魂が、区別なく共に立っている。
——死霊術師だ。
だが、壁画の中の死霊術師は、禁忌の罪人ではなかった。
民衆に囲まれている。手を取られ、花を捧げられ、先頭に立って何かと戦っている。笑っている。生者に感謝され、死者に慕われている。
英雄として描かれている。
次の壁画。死霊術師が巨大な闇の存在に立ち向かっている。魔王だろうか。その背後に、生者の軍勢と死者の軍勢が共に剣を掲げている。生と死の境界を超えた同盟。それを束ねているのが、死霊術師だった。
三枚目。死霊術師が倒れている。戦いの後だ。周囲の人々——生者も死者も——が涙を流している。英雄の死を悼む図。死霊術師の手には、薔薇が一輪握られていた。
「……死霊術師が、英雄」
呟いた声が、通路に反響した。
教会は死霊術師を禁忌の天職と定めている。死者を弄ぶ忌まわしい術だと。民衆もそう信じている。俺自身、そう教わって育った。十五歳の成人儀式で天職が発現した日から、ずっと「お前は不吉だ」「気味が悪い」「出て行け」と言われ続けてきた。
なのにこの壁画では、死霊術師は世界を救った存在として祀られている。
壁画に手を触れた。石は冷たい。だが、魂魄支配を通じて——温もりが伝わってきた。微かな、だが確かな温もり。何千年も前にこの壁画を描いた人間の感情が、石に染み込んでいる。
感謝だった。
死霊術師への、純粋な感謝。「あの人のおかげで、世界は救われた」という祈りの残滓。
——七年間、一度も感じたことのない感情だ。
俺の天職を、「ありがとう」と思ってくれた人間が、かつてこの世界にいた。何千年も前に。教会がその歴史を封じてしまう前に。
どちらが本当だ。教会の教えか、この壁画か。
答えは出ない。だが——壁画の石に触れた手を、離したくなかった。少なくともこの場所を造った人間たちは、死霊術師を恐れてはいなかった。それだけで、胸の奥にある七年分の棘が、一本だけ抜けた気がした。
◇
通路はやがて広い空間に出た。
最深部の祭壇。円形の部屋の天井は高く、壁面全体に星空の壁画が描かれている。中央に台座があり、その上に拳大の水晶球が置かれていた。水晶球が青白い光の源だ。部屋全体を照らし、脈動するように明滅している。
左手の脈動が、もはや痛みに近い。魂魄支配が限界まで共鳴している。体が震える。水晶球が俺を呼んでいる。いや、水晶球に封じられた「何か」が、俺を認識している。
手を伸ばした。
指先が水晶球に触れた瞬間——全身に激痛が走った。
「がっ——!?」
膝をつく。視界が白く弾けた。頭の中に膨大な情報が流れ込んでくる。文字ではない。映像でもない。もっと直接的な、魂そのものに焼き印を押されるような感覚。
名前が浮かぶ。
魂視(ソウルサイト)——生者・死者を問わず、魂の本質を視る力。嘘も、隠された感情も、秘められた才能の真の評価も、全てが可視化される。
魂鎮(ソウルレスト)——暴走する魂を鎮め、安らかに還す力。今まで七年間、無意識に、名前も知らずにやっていたことだ。ゼノンの聖剣で倒した魔物が蘇らなかったのも、ダリウスが悪夢を見なかったのも、全部これだった。ようやく名前がついた。
魂喚(ソウルコール)——死者の魂を一時的に呼び覚まし、力を借りる力。これはまだ輪郭だけだ。名前と概念はわかるが、使いこなすには修練がいる。
痛みが引いていく。額の汗を拭い、荒い息をつきながら立ち上がった。
——世界が、違って見えた。
祭壇の石。一つ一つに微かな魂の残滓が宿っている。何千年も前にこの石を積んだ職人たちの魂の欠片。壁画に込められた祈りが、青白い光の粒になって壁面を漂っている。空気中にも気配がある。この迷宮で息を引き取った何者かの——穏やかな、見守るような存在感。
今まで暗闇だった世界が、魂の光で満ちている。見えなかったものが、見える。
七年間、俺は目を閉じたまま剣を振っていたようなものだ。手探りで、誰に教わることもなく、独学で。
ようやく目が開いた。
「すごいな……」
自分の手を見た。指先まで魂の力が行き渡っているのが見える。右手と左手で、少しだけ色が違う。右手は鎮魂の力が強く、左手は召喚に適している。こんなことまでわかる。
足元が揺れた。
覚醒の余波だ。水晶球から放たれた力の波が祭壇全体に広がり、奥の壁にひびが入った。封印の紋様が描かれた壁が、音を立てて崩れていく。
壁が崩れ落ちた先に、もう一つの空間があった。
暗い。だが、魂視には見える。
巨大な棺が、宙に浮いていた。
黒い石で造られた棺。蓋に精緻な紋章が刻まれている。薔薇と月。壁画にも描かれていた紋章だ。吸血鬼の王家の紋章。
棺の中に——魂がいた。魂視で見える。途方もなく強く、途方もなく古い魂。赤黒い光を放っている。800年分の孤独と怒りが渦を巻いて、それでもなお消えていない。
生きている。この中の存在は、800年間、眠りながら生き続けている。
棺から、声が聞こえた。
「……誰か、いるの……?」
かすれた声。女の声だ。途方もなく長い時間を眠っていたような、掠れた響き。
「800年ぶりに……人の気配がする……」
800年。
俺は棺の前に立ち、息を呑んだ。
20
あなたにおすすめの小説
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
追放された俺、悪魔に魂を売って全属性魔法に覚醒。悪魔契約者と蔑まれるが、まぁ事実だ。勇者? ああ、俺を見下してたやつな
自ら
ファンタジー
灰原カイトのスキルは【魔力親和】。評価F。
「外れスキル」の烙印を押された彼は、勇者パーティで三年間、荷物を運び、素材を剥ぎ、誰よりも早く野営の火を起こし続けた。
そして、捨てられた。
「お前がいると、俺の剣が重くなる」
勇者が口にした追放の理由は、侮蔑ではなかった。恐怖だった。
行き場を失ったカイトの前に、一人の悪魔が現れる。
「あなたの魂の、死後の行き先をちょうだい。代わりに、眠っている力を起こしてあげる」
病弱な妹の薬代が尽きるまで、あと十日。
カイトは迷わなかった。
目覚めたのは、全属性魔法――歴史上、伝説にしか存在しない力。
だがその代償は、使うたびに広がる魔印と、二度と消えない「悪魔契約者」の烙印。
世界中から蔑まれる。教会に追われる。かつての仲間には化け物と呼ばれる。
――まぁ、その通りだ。悪魔に魂を売ったのは事実だし。
それでも。没落貴族の剣姫と背中を預け合い、追放された聖女と聖魔の同時詠唱を編み出し、契約した悪魔自身と夜空の下で笑い合う日々は、悪くない。
これは、世界の「調律者」だった男が、その座を追われてなお、自分の手で居場所を作り直す物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる