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闇よりの声その3
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その日昼休みにトイレに向かった私は中から佳澄と複数の女子の声が聞こえてくるのに気づいて入り口手前で立ち止まった。
「おいっ!京子ちゃんに盗んだお金返せよっっ!!」
「コイツ焼きいれてやった方がいいんじゃない?」
「そうだね!」
「イヤァァッッ!!」
ゴボゴボゴボッ。
……なんか変な水音がする。イヤな想像が頭を駆け巡った。
「……ブハアッッ!!ハアハアハアハア…………。」
「オラ!もう一回!!」
ゴボゴボゴボゴボッッ。
「……ゲェェッッッ!!……も、もう許して……。」
「明日はちゃんと京子ちゃんにお金返せよなっ!!」
「……行こう!」
パタパタと足音がしてトイレの中からクラスメートである2人の女子が出てきた。
トイレの入り口で呆然と立ち尽くしている私に
「アイツの味方なんかしたらあんたも同じ目に遭わせるからね。」
と2人の内の背が高い方の女子がジロリとこちらを睨んでそう言った。
「……………………っっ!!」
私は思わず顔をそらして黙りこんだ。
「フンッ!行こう!」
そんな私を一瞥して2人は去っていく。
「うっ……うっ……うっ……ううっ……。」
トイレの中にはさっきの2人にこてんぱんにされてすすり泣く佳澄の声だけが響いている。
恐る恐る中に入ると頭から胸元までぐっしょりと水に濡れた佳澄が個室の便器のそばの床にへたりこんで泣いていた。
"「アイツの味方なんかしたらあんたも同じ目に遭わせるからね。」"
先程のクラスメートの女子の言葉が脳裏に甦った。
……結局私はそんな佳澄に何の言葉もかけないまま佳澄から離れた個室で用を足してすごすごと教室まで戻った。
ごめんっ!佳澄っ!!
……そしてその一件以来、パタッと佳澄は学校に来なくなった。
それから一月程経ったある日、突然佳澄が登校してきた。
教室に入ってきたその目はドンヨリと淀んでいて心なしかその横顔も青白く見えた。
早速京子の取り巻きのヤンキー男子が佳澄に近づいていって佳澄の耳元で怒鳴った。
「おいお前っっ!!この泥棒野郎っ!!京子ちゃんにちゃんと金返せよっっ!!」
佳澄はそれを無視して静かに席につく。
「てめぇっっ!!無視こいてんじゃねぇぞっ!!」
再びヤンキー男子に怒鳴られても佳澄は動じず虚ろに正面の黒板の方を眺めている。
「この野郎っっ!!」
ヤンキー男子が佳澄の胸元をつかんでその頬を力一杯ぶった。
一発。二発。三発。
佳澄の眼鏡がふっ飛び、床に落ちてレンズにヒビが入る。
……それでも相変わらず佳澄のドンヨリとした表情はピクリとも動かない。
「……チッッ!!コイツ、強情だなっ!!」
ペッと床に唾を吐き捨ててヤンキー男子は京子の方へと戻っていく。
……さすがに今のヤンキー男子の行動に一部のクラスメート達が眉をひそめるけど、京子とその取り巻きのクラスメート達は何事もなかったかのように楽しそうに談笑を始める。
私は、佳澄を助けたら次は自分がイジメのターゲットにされるかもしれないという恐怖と、京子の取り巻き達に対する怒りとで頭が真っ白になって自分の机で目を閉じグッと両拳を握りしめて小刻みに震えていた。
……私は相変わらず、親友の一人も助けられない卑怯者だった……。
そうして京子の取り巻き達の、佳澄に対するイジメがエスカレートしていったある日の放課後。
佳澄は校舎の屋上から身を投げて自殺してしまった。
「おいっ!京子ちゃんに盗んだお金返せよっっ!!」
「コイツ焼きいれてやった方がいいんじゃない?」
「そうだね!」
「イヤァァッッ!!」
ゴボゴボゴボッ。
……なんか変な水音がする。イヤな想像が頭を駆け巡った。
「……ブハアッッ!!ハアハアハアハア…………。」
「オラ!もう一回!!」
ゴボゴボゴボゴボッッ。
「……ゲェェッッッ!!……も、もう許して……。」
「明日はちゃんと京子ちゃんにお金返せよなっ!!」
「……行こう!」
パタパタと足音がしてトイレの中からクラスメートである2人の女子が出てきた。
トイレの入り口で呆然と立ち尽くしている私に
「アイツの味方なんかしたらあんたも同じ目に遭わせるからね。」
と2人の内の背が高い方の女子がジロリとこちらを睨んでそう言った。
「……………………っっ!!」
私は思わず顔をそらして黙りこんだ。
「フンッ!行こう!」
そんな私を一瞥して2人は去っていく。
「うっ……うっ……うっ……ううっ……。」
トイレの中にはさっきの2人にこてんぱんにされてすすり泣く佳澄の声だけが響いている。
恐る恐る中に入ると頭から胸元までぐっしょりと水に濡れた佳澄が個室の便器のそばの床にへたりこんで泣いていた。
"「アイツの味方なんかしたらあんたも同じ目に遭わせるからね。」"
先程のクラスメートの女子の言葉が脳裏に甦った。
……結局私はそんな佳澄に何の言葉もかけないまま佳澄から離れた個室で用を足してすごすごと教室まで戻った。
ごめんっ!佳澄っ!!
……そしてその一件以来、パタッと佳澄は学校に来なくなった。
それから一月程経ったある日、突然佳澄が登校してきた。
教室に入ってきたその目はドンヨリと淀んでいて心なしかその横顔も青白く見えた。
早速京子の取り巻きのヤンキー男子が佳澄に近づいていって佳澄の耳元で怒鳴った。
「おいお前っっ!!この泥棒野郎っ!!京子ちゃんにちゃんと金返せよっっ!!」
佳澄はそれを無視して静かに席につく。
「てめぇっっ!!無視こいてんじゃねぇぞっ!!」
再びヤンキー男子に怒鳴られても佳澄は動じず虚ろに正面の黒板の方を眺めている。
「この野郎っっ!!」
ヤンキー男子が佳澄の胸元をつかんでその頬を力一杯ぶった。
一発。二発。三発。
佳澄の眼鏡がふっ飛び、床に落ちてレンズにヒビが入る。
……それでも相変わらず佳澄のドンヨリとした表情はピクリとも動かない。
「……チッッ!!コイツ、強情だなっ!!」
ペッと床に唾を吐き捨ててヤンキー男子は京子の方へと戻っていく。
……さすがに今のヤンキー男子の行動に一部のクラスメート達が眉をひそめるけど、京子とその取り巻きのクラスメート達は何事もなかったかのように楽しそうに談笑を始める。
私は、佳澄を助けたら次は自分がイジメのターゲットにされるかもしれないという恐怖と、京子の取り巻き達に対する怒りとで頭が真っ白になって自分の机で目を閉じグッと両拳を握りしめて小刻みに震えていた。
……私は相変わらず、親友の一人も助けられない卑怯者だった……。
そうして京子の取り巻き達の、佳澄に対するイジメがエスカレートしていったある日の放課後。
佳澄は校舎の屋上から身を投げて自殺してしまった。
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