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第24話
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10月23日
S警察署内のバラバラ連続殺人事件の捜査本部で、宇都宮は部下からの報告を苦虫を噛み潰したような顔で聞いていた。
「…………それで、入江夫妻の娘がさらわれた現場で出たゲソ痕が、バラバラ殺人の現場近くから出たゲソ痕の一つと一致したってえのか?」
「……ええ。今朝方、科捜研からの報告で、最初の遺体発見現場となった公園で検出されたものと、一致した、とのことでして…………」
突然、ムッツリとした顔で、宇都宮は黙りこんだ。
…………嘘だろ、おい!……じゃあ、ひょっとしなくても、入江京子のストーカーってえのが、この連続殺人の犯人なのか…………?
昨日、刑事から厳しく追及を受けた真美は、とうとう刑事にネットを経由して違法な薬物を入手していたことを白状していた。
そして、真美は今現在、違法薬物所持使用の疑いで留置場に入れられ、入江家には、先程、捜査令状を携えた捜査陣が、家宅捜索に向かったばかりだった。
…………娘をストーカーに拐われ、妻は今、薬物絡みで留置場か。さぞや、夫の入江誠治はイラついていることだろうな。
タバコをふかしながら、宇都宮はその神経質そうな顔を思い浮かべる。
宇都宮と入江誠治とは、大学の同窓生だった。
ただし、別段仲がいいと言うわけではなく、今回、娘がストーキングされ始めた際、同窓会で宇都宮とたまたま名刺交換をしていた誠治が、その存在を思い出して連絡してきたので、宇都宮は、渋々、荒垣探偵事務所を紹介してやったにすぎない。
「……全く、複雑なことになってきやがったもんだ…………。……荒垣達からも、もう一度、詳しく話を聞く必要がありそうだな」
タバコの煙を吐きながら、宇都宮はそうぼやいた。
◆ ◆ ◆ ◆
11月23日
鬼洞院真は、10年程昔に起こった、通称ーーミンチ事件の犯人の隠れ家の一つと思われる、廃墟を探索した後、そこから持ち帰ってきた、瓶詰めの薬物に、興味本位から手を出してしまい、すっかり夢中になってしまっていた。
真も最初のうちこそ、薬を使う度に、意識が飛んで、いつの間にか、翌日になっていたものだが、最近では、すっかり心得たもので、それがもたらす快楽に溺れていた。
「…………イヒヒヒヒヒ……。たまんねーーー……。」
そう漏らす真の口からは、一筋の涎が流れ落ちている。
…………しかし、真は、あの小屋から発見した、犯人の手によるファイルに書かれていた、薬の用法用量をちゃんと律儀に守っているため、その頭は限りなく、クリアに保たれている。
口から流れている涎に気がつくと、真は傍らのティッシュ箱からティッシュを一枚引き抜いてそれを拭き取った。
S警察署内のバラバラ連続殺人事件の捜査本部で、宇都宮は部下からの報告を苦虫を噛み潰したような顔で聞いていた。
「…………それで、入江夫妻の娘がさらわれた現場で出たゲソ痕が、バラバラ殺人の現場近くから出たゲソ痕の一つと一致したってえのか?」
「……ええ。今朝方、科捜研からの報告で、最初の遺体発見現場となった公園で検出されたものと、一致した、とのことでして…………」
突然、ムッツリとした顔で、宇都宮は黙りこんだ。
…………嘘だろ、おい!……じゃあ、ひょっとしなくても、入江京子のストーカーってえのが、この連続殺人の犯人なのか…………?
昨日、刑事から厳しく追及を受けた真美は、とうとう刑事にネットを経由して違法な薬物を入手していたことを白状していた。
そして、真美は今現在、違法薬物所持使用の疑いで留置場に入れられ、入江家には、先程、捜査令状を携えた捜査陣が、家宅捜索に向かったばかりだった。
…………娘をストーカーに拐われ、妻は今、薬物絡みで留置場か。さぞや、夫の入江誠治はイラついていることだろうな。
タバコをふかしながら、宇都宮はその神経質そうな顔を思い浮かべる。
宇都宮と入江誠治とは、大学の同窓生だった。
ただし、別段仲がいいと言うわけではなく、今回、娘がストーキングされ始めた際、同窓会で宇都宮とたまたま名刺交換をしていた誠治が、その存在を思い出して連絡してきたので、宇都宮は、渋々、荒垣探偵事務所を紹介してやったにすぎない。
「……全く、複雑なことになってきやがったもんだ…………。……荒垣達からも、もう一度、詳しく話を聞く必要がありそうだな」
タバコの煙を吐きながら、宇都宮はそうぼやいた。
◆ ◆ ◆ ◆
11月23日
鬼洞院真は、10年程昔に起こった、通称ーーミンチ事件の犯人の隠れ家の一つと思われる、廃墟を探索した後、そこから持ち帰ってきた、瓶詰めの薬物に、興味本位から手を出してしまい、すっかり夢中になってしまっていた。
真も最初のうちこそ、薬を使う度に、意識が飛んで、いつの間にか、翌日になっていたものだが、最近では、すっかり心得たもので、それがもたらす快楽に溺れていた。
「…………イヒヒヒヒヒ……。たまんねーーー……。」
そう漏らす真の口からは、一筋の涎が流れ落ちている。
…………しかし、真は、あの小屋から発見した、犯人の手によるファイルに書かれていた、薬の用法用量をちゃんと律儀に守っているため、その頭は限りなく、クリアに保たれている。
口から流れている涎に気がつくと、真は傍らのティッシュ箱からティッシュを一枚引き抜いてそれを拭き取った。
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