勇者に「レベル」がないっっっっ!?

たじ

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第14話

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シンはラングーンの市街地をしばらく歩いた後裏通りに入っていった。

そして裏通りに軒を連ねる店の一つを目に留めるとその店の扉を開き中に入って行く。

「ラムザ!わしだ!」

シンが誰もいないカウンターの奥に向かって声をかけると少ししてから中年の小太りな男が一人姿を現した。

「……おやおや、思ったよりも早いお着きで。」

ニヤニヤ笑いながら男がシンに言う。

「してキィール様からは何か伝言があるか?」

胸元のポケットに入っているタバコを一本くわえ火を付けてから男が返事をした。

「昨日仕入れたばかりのホヤホヤの情報では何でも我が魔導騎士団の参謀殿は真っ黒との事だぜ。」

「……クッ!!やはりキィール様の勘は当たっていたということか……。」

この裏通りのみすぼらしい宿屋の主人ラムザ・ランブルグは元魔導騎士団副団長でありシンの友人だった。

魔導騎士団副団長を退いた今は気ままな宿屋の経営の裏でいわゆる情報屋のようなことをしている。

今回魔導騎士団の中に裏切り者がいるらしいという事でシンはキィールとの繋ぎの役をこの男ラムザに頼んでおいた。

シンがラングーンを留守にすると見せかけてこっそりラングーンに帰ってきてもおおっぴらには魔導騎士団とコンタクトが取れないそれ故であった。

「とりあえずお前が帰ってきたら連絡をくれって頼まれてるからな。ちょっとひとっ走りいってくらぁ。」

大儀そうにポッコリ膨らんだ太鼓腹を揺らしながらラムザは扉を開いて出ていった。

一人残されたシンは眉をひそめ思案しつつ呟いた。

「これから果たしてどう出るべきか……。」


    ◆  ◆  ◆  ◆


一人私室の椅子に腰掛けキィールは考えを巡らせていた。

この魔導騎士団本拠地でクォークに化けている魔王軍側近のナビスと一戦交えるのはその後の被害を考えると余り気が進まない。

確か魔王軍のナビスと言えば以前副団長を務めていたラムザが一度やりあったことがあったがなにせ他の人間達に自由自在に化ける事ができるためゲリラ戦法で相当数の騎士達が無惨にやられ結果我が魔導騎士団はやむなく敗走の憂き目に遭った筈だ。

それなりの策を巡らせなければまた多くの犠牲が出ることになるだろう。

コンコン!
その時キィールの部屋の扉がノックされた。

「入れ。」

キィールが答えるとラムザが扉を開けて中に入ってきた。

「報告いたします。先程シンが帰って参りました。」

「……そうか。ご苦労。」

「……一つお伺いしたいのですが対ナビス戦はどうなさるおつもりで?」

「今丁度その事を考えておった所じゃ。……逆に尋ねるがお主は何か有効な手立てなど思い付くか?」

「…………。そうですね。私なら奴が眠りについているその時に緊縛魔法で縛り付けとりあえずラングーンから外へと運びます。奴は魔王の側近なだけあって強力な魔法や剣技でも容易に倒すことは難しい。で、あれば犠牲を最小限に抑えることが何よりも重要かと。」

「ふぅむ。わしが考えていたのと同じ、か……。」

「もしくは禁呪を使うという手もありますが……。いや、忘れてください。あれは魔力の暴走が余りにも危険すぎる。ちょっとした博打になってしまいますからね。」

「…………………。分かった。ご苦労だった。下がって良い。……ああ、そうじゃ。シンに明日日が落ち次第、この本拠地の裏手に来るように伝えてもらえるかのう。」

「ハッ!確かに伝えておきましょう。」

そう言うとラムザは扉を開けて出ていった。





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