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「ルクティエ・カムール侯爵令嬢。」
会場を後にし階段を降りているとき名前を呼ばれて振り向くと、周りをライトアップしている光で金髪がとてもキラキラと光って綺麗な美少年が立っていた。
「誰!?」
……………一瞬考えたけど、こんな人知らない。
貴族にしては身なりがとても高貴な装いだ。
誰だ!?誰なんだ!?
こんなこと今までのループの中では一度もなかった。
会場を出た後、家紋が入った馬車に乗り家に帰ってお父様とお母様に今回のことを告げると、お父様からは『ムチエの方がお前よりもパリス殿下に合っていると思ってた』と本当はムチエと婚約させたかったことが垣間見えて初めは落胆したものだ。
なら初めからそうすればよかったじゃないか!!と心で攻撃をしたことを覚えてる。
お母様には『可哀想なルクティエ。仕方ないのよ………ムチエの方が可愛かったから。あなたのせいじゃないわ。恥をかかなくてよかったじゃない。』と私を心配してるのかと思いきやムチエが可愛いから仕方ないと私を貶しているし、あんな大勢の前で元婚約者と妹に責められ恥はもうかいた。あれが恥じゃないとすればなんなのか!!と心で攻撃した。
両親に失笑されながらとりあえず部屋に戻ってベッドに倒れこんで気が付くとループで戻っているの繰り返しのはず。
こんな風に呼び止められたのは初めてだ。
「ふふ。初めまして。俺はレオンハルト・パムール。この国の第二王子だよ。」
「第二王子……レオンハルト殿下。すみません、お話は聞いていましたがお見掛けすることなく知りませんでしたわ。」
「お兄さんと婚約する前からバタついて引きこもっていたからね。ようやく目処がついたから参加してみたらバカなお兄さんがルクティエ嬢を傷つけていたから後でしっかりと仕返ししとくよ。」
にっこりと笑顔でクソ王子を悪態つくレオンハルト殿下。
クソ王子のことを言ってくれて思わずクスクスと笑ってしまった。
レオンハルト殿下もあのクソ王子をよく思ってないのかな?
「ありがとうございますレオンハルト殿下。お陰で少し気分が晴れましたわ。仕返しなら妹のムチエも一緒によろしくお願い致します。」
冗談のようで半分本気な事を伝えると笑いながらレオンハルト殿下は言った。
「わかったよ。ルクティエ嬢を蔑ろにしたムチエ嬢やカムール侯爵夫妻にもしっかりとお仕置きをしないとな。」
なんでお父様とお母様のことまで知ってるの!?
目を見開いてレオンハルト殿下を見ていると不敵な笑顔で私を見つめて手にキスをされた。
「安心して。次は必ず幸せになれるよ。だから待っていて。」
レオンハルト殿下の言葉が合図のように視界が歪んでいき意識が遠のいていった。
会場を後にし階段を降りているとき名前を呼ばれて振り向くと、周りをライトアップしている光で金髪がとてもキラキラと光って綺麗な美少年が立っていた。
「誰!?」
……………一瞬考えたけど、こんな人知らない。
貴族にしては身なりがとても高貴な装いだ。
誰だ!?誰なんだ!?
こんなこと今までのループの中では一度もなかった。
会場を出た後、家紋が入った馬車に乗り家に帰ってお父様とお母様に今回のことを告げると、お父様からは『ムチエの方がお前よりもパリス殿下に合っていると思ってた』と本当はムチエと婚約させたかったことが垣間見えて初めは落胆したものだ。
なら初めからそうすればよかったじゃないか!!と心で攻撃をしたことを覚えてる。
お母様には『可哀想なルクティエ。仕方ないのよ………ムチエの方が可愛かったから。あなたのせいじゃないわ。恥をかかなくてよかったじゃない。』と私を心配してるのかと思いきやムチエが可愛いから仕方ないと私を貶しているし、あんな大勢の前で元婚約者と妹に責められ恥はもうかいた。あれが恥じゃないとすればなんなのか!!と心で攻撃した。
両親に失笑されながらとりあえず部屋に戻ってベッドに倒れこんで気が付くとループで戻っているの繰り返しのはず。
こんな風に呼び止められたのは初めてだ。
「ふふ。初めまして。俺はレオンハルト・パムール。この国の第二王子だよ。」
「第二王子……レオンハルト殿下。すみません、お話は聞いていましたがお見掛けすることなく知りませんでしたわ。」
「お兄さんと婚約する前からバタついて引きこもっていたからね。ようやく目処がついたから参加してみたらバカなお兄さんがルクティエ嬢を傷つけていたから後でしっかりと仕返ししとくよ。」
にっこりと笑顔でクソ王子を悪態つくレオンハルト殿下。
クソ王子のことを言ってくれて思わずクスクスと笑ってしまった。
レオンハルト殿下もあのクソ王子をよく思ってないのかな?
「ありがとうございますレオンハルト殿下。お陰で少し気分が晴れましたわ。仕返しなら妹のムチエも一緒によろしくお願い致します。」
冗談のようで半分本気な事を伝えると笑いながらレオンハルト殿下は言った。
「わかったよ。ルクティエ嬢を蔑ろにしたムチエ嬢やカムール侯爵夫妻にもしっかりとお仕置きをしないとな。」
なんでお父様とお母様のことまで知ってるの!?
目を見開いてレオンハルト殿下を見ていると不敵な笑顔で私を見つめて手にキスをされた。
「安心して。次は必ず幸せになれるよ。だから待っていて。」
レオンハルト殿下の言葉が合図のように視界が歪んでいき意識が遠のいていった。
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