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第一章 小麦姫と熊隊長の青春
20 家畜への思い
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夜に大人たちの会議が開かれた。
「ここで『と畜』をしたことは無いのか?」
デルフィーノが早速議題に入った。
「鳥は何匹か絞めましたが、牛はまだです。鳥も子供たちには見せていません」
料理人のセルジョロが、答えた。ここでのと殺は、セルジョロの仕事だ。
「父さん、『と畜』の設備の話?」
「いや、子供たちの気持ちの話だ。人数が増えれば『と畜』も必要となるからな。家畜を食べるものとして育てているようには見えないから、心配でな」
デルフィーノは、顎に手を当てて考えていた。みなも、それぞれ考えてみる。
「そうですね。何かいいアイディアはありますか?」
ビアータは、その知識も経験もないので、こういうときは、素直にみんなに頼る。
「前に、次の交配は中から借りてくるって言ったろ。俺もそろそろ1番大きなオス牛は必要ないと感じていたんだ。冬の放牧できない季節の前に処分を考えてた」
ラニエルは、酪農組の予定を伝えた。
このあたりは暖かいので、冬でも放牧は可能だ。たが、冬の雨の日は、さすがに放牧はできない。そして、放牧できない日を踏まえて、牧草束を作っておく必要があるのだが、1番大きなオス牛は1番食べる。プラウを引くのは、若牛ができるので、このオス牛は1番いらないということになる。
ファブリノは、学園にいたころから、加工について勉強していたので、今聞いていることを一生懸命にノートに書いている。加工前に『と畜』は当たり前だ。散々資料を読んできた。
サンドラとコルネリオは、自分たちも耐えられるか不安になっていた。
「丁度、父さんが連れてきてくれた職人さんたちがいるし、牛一頭なら食べ切れるでしょう。牛を解体して、食用であると見せましょう。父さん、その後の皮の処理や、牛脂ロウソク作りもやりたいんだ。どうかな?」
せっかく牛をと畜するなら、余ることのない時がいい。まだ加工はほとんど手つかずなので、そのまま食べられることを想定して話を進める。
アルフレードにそこまでの考えがあるとは思わなかったデルフィーノは、少し感心した。アルフレードは、もう2年も郷里を離れていたので、デルフィーノは息子の成長を喜んだ。
「ほぉ、そこまで考えていたのか。頼もしいじゃないか。ビアータ、焼き肉パーティーっていうのはどうだ?」
「私は賛成です。セルジョロさん、どうですか?」
当日、どう考えても、大変なのは調理組だ。だが、セルジョロは、逆に楽しんでいるようだ。
「そうだな、子牛なら丸ごとやるんだが、あの大きさだと、部位ごとの丸焼きがいいだろうな。部位によっては、鍋で、煮てもいいしな。ジーノさん、鍋用の野菜はどうだ?」
「人参も玉ねぎもあるから問題ないだろう。焼き肉なら、キャベツも出せるぞ」
畑組のジーノもやる気になっている。
「そうだ、中(ガレアッド男爵領)の知り合いに、鉄板を頼んでこよう。薄切り肉ならすぐだろう」
ラニエルからの嬉しい提案だった。ラニエルは、ビアータの屋敷出身ではない分、中に知り合いが多い。
「鍋は台所でやるとして、外竈は4つってとこかな」
セルジョロが頭の中で計算して、必要な外構を決める。
「わかった。木こり組とレンガ組に話しておこう」
デルフィーノが請け負う。レンガ組に頼むとなると、立派なものができそうだ。
「肉に刺す木もお願いします」
「森に燃えない葉っぱがあるだろう。あれで蒸し焼きもいいんじゃないか?」
「それはいいですね。やってみたいです」
ジーノの面白い提案にセルジョロはやる気も増した。
そこに、ファブリノが手を上げた。
「あ、あのっ!失敗するかもしれないんですけど、干し肉をやってみたいんです。少しでいいので、もも肉を分けてもらえますか?」
ファブリノとしては、勉強したことを試せるチャンスだ。
「リノ!いいじゃないか、やってみよう。失敗なんて気にするなよ」
「うんいいな、じゃあ、塩をたくさん用意しておこう」
アルフレードもセルジョロも手放しで賛成してくれたことに、ファブリノは照れた。
「塩なら持ってきたぞ。木箱のどこかに入っているはずだ」
「できれば、『と畜』に参加させてもらいたいのですけど」
サンドラとコルネリオは、積極的なファブリノに驚きが隠せない。ビアータとアルフレードは、家畜のことを一緒に勉強してきたので、想像の範疇であった。
「なら、明日、鶏を絞めさせてやろう。包丁を持つのも、命を断つのも慣れは、必要だ」
「ありがとうございます!」
「明日、勉強時間の後で、台所に、おいで」
「はいっ!」
セルジョロという大きな助力を得て、ファブリノは張り切った。
「あの、その牛の『と畜』は時間としてどれくらいですか?」
「あの大きさだと、火に吊るすまでに2時間、焼くのに1時間くらいかな」
「でしたら、朝から作業をして、焼き肉パーティーは、昼食にやるのはどうでしょうか?夜になると怖がる子供たちもいそうですし」
子供たちの経験とはいえ、心配事が多いことは確かなので、コルネリオは少しでもうまくいくようにアイディアを出した。
「そうね、昼からなら、食事のあと、家畜について説明もできるわ」
ビアータもそれに賛成した。
「それなら、ベンチとテーブルを外に作るのはどう?私、前からみんなとピクニックみたいに外で食べるのも楽しいかなって思っていたの」
サンドラとコルネリオは、自分たちも怖いので、子供たちの身になって考えてやることができるようだ。
「子供たちの気持ちを和らげるためにも、それはよさそうだね」
アルフレードは、それぞれの良さが出た意見を言う3人のことが、嬉しくてたまらない。ここに来てすでに2週間が過ぎているのだ。アルフレードはそろそろ意見を聞きたいところだったのだ。
「おお!お安いご用だ。今の人数分作っておくよ。1週間もらえれば、オッケーだ」
大工のレリオが請け負った。
「じゃあ、1週間後に『と畜』体験をやりましょう。よろしくお願いします」
アルフレードは、どんどん代表者らしくなっていく。ビアータは、そんなアルフレードが頼もしくて、嬉しかった。
それから、『ビアータの家』の前の庭に、ベンチが作られ、テーブルが作られ、レンガで外竈が作られていく。子供たちは、何が始まるのかとワクワクしているようだった。
〰️ 〰️ 〰️
そして、当日になった。溜池より川下の小麦畑を越えてすぐの小川近くに、アルフレード以下の子供たちが集合していた。そこには、まるでハンガーかけのような形の大きいものが作られていた。それにロープが2本かけられていて、ロープの先には輪っかが作られている。まるで首吊台のようだ。
ラニエルが、オス牛を連れてきた。
「今日は、職人さんたちへのお礼も含めて、焼き肉パーティーをすることになった」
子供たちは、喜んだ。
「みんなは、お肉が、どうやってできているか知ってる?」
子供たちが首を振る。アルフレードとビアータが話を進めていく。
「じゃあ、いつも何のお肉を食べているかは、知ってる?」
「豚ぁ!」「鶏ぃ!」「牛も美味しいよね」
何人かの大きな子供は気がついたようだ。肩をビクッとさせた。
「そうだね。今日は、牛で焼き肉パーティーをします。そこで、みんなにもお肉のできるところを見てほしいと思います」
「きゃー!」
もう目を覆ってしまった女の子もいた。
「みんな、牛を見ててね。父さん、よろしく」
ラニエルが牛の目を抑える。デルフィーノがデルフィーノの拳より大きな木槌で、牛のコメカミを殴った。牛はその場に昏倒した。
子供たちの悲鳴が聞こえる。
「みんな、この牛に感謝の気持ちを持って、お祈りするよ。さあ、目を閉じて。みんなの力の元になってくれるんだ。ありがとうを伝えよう」
アルフレードの号令で黙祷する。子供たちは、泣きながらも目を閉じて祈った。
「では、目を開けて。
セルジョロさん、お願いします」
セルジョロが、牛の首を深く切ると牛から血が流れ出した。子供たちは、今度は悲鳴はあげず、ぐっと堪えた。
牛の首から血が流れ出し、その血をみんなが確認した。
「ここからは、自由な時間に家へ帰ってくれて構わない。怖い子はすぐに帰っていいよ。だけど、この子の命を食べるということを覚えておいてね」
アルフレードの言葉で、11歳から12歳の子はほとんど家へ戻った。
ファブリノは、セルジョロのサポートとデルフィーノの指示で解体を進めていく。次々と家へ戻っていく子供たち。
「ここからは、本格的に皮剥だ。無理はしない方がいいよ」
牛の足首がバケツの水で洗われて、ハンガーかけみたいなものに、両方の足首を輪っかに通して、逆さに吊るされた。サンドラは、この時点で、家へ戻った。
「ここで『と畜』をしたことは無いのか?」
デルフィーノが早速議題に入った。
「鳥は何匹か絞めましたが、牛はまだです。鳥も子供たちには見せていません」
料理人のセルジョロが、答えた。ここでのと殺は、セルジョロの仕事だ。
「父さん、『と畜』の設備の話?」
「いや、子供たちの気持ちの話だ。人数が増えれば『と畜』も必要となるからな。家畜を食べるものとして育てているようには見えないから、心配でな」
デルフィーノは、顎に手を当てて考えていた。みなも、それぞれ考えてみる。
「そうですね。何かいいアイディアはありますか?」
ビアータは、その知識も経験もないので、こういうときは、素直にみんなに頼る。
「前に、次の交配は中から借りてくるって言ったろ。俺もそろそろ1番大きなオス牛は必要ないと感じていたんだ。冬の放牧できない季節の前に処分を考えてた」
ラニエルは、酪農組の予定を伝えた。
このあたりは暖かいので、冬でも放牧は可能だ。たが、冬の雨の日は、さすがに放牧はできない。そして、放牧できない日を踏まえて、牧草束を作っておく必要があるのだが、1番大きなオス牛は1番食べる。プラウを引くのは、若牛ができるので、このオス牛は1番いらないということになる。
ファブリノは、学園にいたころから、加工について勉強していたので、今聞いていることを一生懸命にノートに書いている。加工前に『と畜』は当たり前だ。散々資料を読んできた。
サンドラとコルネリオは、自分たちも耐えられるか不安になっていた。
「丁度、父さんが連れてきてくれた職人さんたちがいるし、牛一頭なら食べ切れるでしょう。牛を解体して、食用であると見せましょう。父さん、その後の皮の処理や、牛脂ロウソク作りもやりたいんだ。どうかな?」
せっかく牛をと畜するなら、余ることのない時がいい。まだ加工はほとんど手つかずなので、そのまま食べられることを想定して話を進める。
アルフレードにそこまでの考えがあるとは思わなかったデルフィーノは、少し感心した。アルフレードは、もう2年も郷里を離れていたので、デルフィーノは息子の成長を喜んだ。
「ほぉ、そこまで考えていたのか。頼もしいじゃないか。ビアータ、焼き肉パーティーっていうのはどうだ?」
「私は賛成です。セルジョロさん、どうですか?」
当日、どう考えても、大変なのは調理組だ。だが、セルジョロは、逆に楽しんでいるようだ。
「そうだな、子牛なら丸ごとやるんだが、あの大きさだと、部位ごとの丸焼きがいいだろうな。部位によっては、鍋で、煮てもいいしな。ジーノさん、鍋用の野菜はどうだ?」
「人参も玉ねぎもあるから問題ないだろう。焼き肉なら、キャベツも出せるぞ」
畑組のジーノもやる気になっている。
「そうだ、中(ガレアッド男爵領)の知り合いに、鉄板を頼んでこよう。薄切り肉ならすぐだろう」
ラニエルからの嬉しい提案だった。ラニエルは、ビアータの屋敷出身ではない分、中に知り合いが多い。
「鍋は台所でやるとして、外竈は4つってとこかな」
セルジョロが頭の中で計算して、必要な外構を決める。
「わかった。木こり組とレンガ組に話しておこう」
デルフィーノが請け負う。レンガ組に頼むとなると、立派なものができそうだ。
「肉に刺す木もお願いします」
「森に燃えない葉っぱがあるだろう。あれで蒸し焼きもいいんじゃないか?」
「それはいいですね。やってみたいです」
ジーノの面白い提案にセルジョロはやる気も増した。
そこに、ファブリノが手を上げた。
「あ、あのっ!失敗するかもしれないんですけど、干し肉をやってみたいんです。少しでいいので、もも肉を分けてもらえますか?」
ファブリノとしては、勉強したことを試せるチャンスだ。
「リノ!いいじゃないか、やってみよう。失敗なんて気にするなよ」
「うんいいな、じゃあ、塩をたくさん用意しておこう」
アルフレードもセルジョロも手放しで賛成してくれたことに、ファブリノは照れた。
「塩なら持ってきたぞ。木箱のどこかに入っているはずだ」
「できれば、『と畜』に参加させてもらいたいのですけど」
サンドラとコルネリオは、積極的なファブリノに驚きが隠せない。ビアータとアルフレードは、家畜のことを一緒に勉強してきたので、想像の範疇であった。
「なら、明日、鶏を絞めさせてやろう。包丁を持つのも、命を断つのも慣れは、必要だ」
「ありがとうございます!」
「明日、勉強時間の後で、台所に、おいで」
「はいっ!」
セルジョロという大きな助力を得て、ファブリノは張り切った。
「あの、その牛の『と畜』は時間としてどれくらいですか?」
「あの大きさだと、火に吊るすまでに2時間、焼くのに1時間くらいかな」
「でしたら、朝から作業をして、焼き肉パーティーは、昼食にやるのはどうでしょうか?夜になると怖がる子供たちもいそうですし」
子供たちの経験とはいえ、心配事が多いことは確かなので、コルネリオは少しでもうまくいくようにアイディアを出した。
「そうね、昼からなら、食事のあと、家畜について説明もできるわ」
ビアータもそれに賛成した。
「それなら、ベンチとテーブルを外に作るのはどう?私、前からみんなとピクニックみたいに外で食べるのも楽しいかなって思っていたの」
サンドラとコルネリオは、自分たちも怖いので、子供たちの身になって考えてやることができるようだ。
「子供たちの気持ちを和らげるためにも、それはよさそうだね」
アルフレードは、それぞれの良さが出た意見を言う3人のことが、嬉しくてたまらない。ここに来てすでに2週間が過ぎているのだ。アルフレードはそろそろ意見を聞きたいところだったのだ。
「おお!お安いご用だ。今の人数分作っておくよ。1週間もらえれば、オッケーだ」
大工のレリオが請け負った。
「じゃあ、1週間後に『と畜』体験をやりましょう。よろしくお願いします」
アルフレードは、どんどん代表者らしくなっていく。ビアータは、そんなアルフレードが頼もしくて、嬉しかった。
それから、『ビアータの家』の前の庭に、ベンチが作られ、テーブルが作られ、レンガで外竈が作られていく。子供たちは、何が始まるのかとワクワクしているようだった。
〰️ 〰️ 〰️
そして、当日になった。溜池より川下の小麦畑を越えてすぐの小川近くに、アルフレード以下の子供たちが集合していた。そこには、まるでハンガーかけのような形の大きいものが作られていた。それにロープが2本かけられていて、ロープの先には輪っかが作られている。まるで首吊台のようだ。
ラニエルが、オス牛を連れてきた。
「今日は、職人さんたちへのお礼も含めて、焼き肉パーティーをすることになった」
子供たちは、喜んだ。
「みんなは、お肉が、どうやってできているか知ってる?」
子供たちが首を振る。アルフレードとビアータが話を進めていく。
「じゃあ、いつも何のお肉を食べているかは、知ってる?」
「豚ぁ!」「鶏ぃ!」「牛も美味しいよね」
何人かの大きな子供は気がついたようだ。肩をビクッとさせた。
「そうだね。今日は、牛で焼き肉パーティーをします。そこで、みんなにもお肉のできるところを見てほしいと思います」
「きゃー!」
もう目を覆ってしまった女の子もいた。
「みんな、牛を見ててね。父さん、よろしく」
ラニエルが牛の目を抑える。デルフィーノがデルフィーノの拳より大きな木槌で、牛のコメカミを殴った。牛はその場に昏倒した。
子供たちの悲鳴が聞こえる。
「みんな、この牛に感謝の気持ちを持って、お祈りするよ。さあ、目を閉じて。みんなの力の元になってくれるんだ。ありがとうを伝えよう」
アルフレードの号令で黙祷する。子供たちは、泣きながらも目を閉じて祈った。
「では、目を開けて。
セルジョロさん、お願いします」
セルジョロが、牛の首を深く切ると牛から血が流れ出した。子供たちは、今度は悲鳴はあげず、ぐっと堪えた。
牛の首から血が流れ出し、その血をみんなが確認した。
「ここからは、自由な時間に家へ帰ってくれて構わない。怖い子はすぐに帰っていいよ。だけど、この子の命を食べるということを覚えておいてね」
アルフレードの言葉で、11歳から12歳の子はほとんど家へ戻った。
ファブリノは、セルジョロのサポートとデルフィーノの指示で解体を進めていく。次々と家へ戻っていく子供たち。
「ここからは、本格的に皮剥だ。無理はしない方がいいよ」
牛の足首がバケツの水で洗われて、ハンガーかけみたいなものに、両方の足首を輪っかに通して、逆さに吊るされた。サンドラは、この時点で、家へ戻った。
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