11 / 17
疑問11 イタズラしても大丈夫かしら?
しおりを挟む
私は目をゆっくりと開けた。体を起こそうとするがハンモックなので上手くできない。夢の中ではあんなに優雅に降りることができたのに。メイドが手助けしてくれる。
バレルの指示でメイドたちは先に屋敷へ帰ってもらった。
「お祖父様。お祖母様。バレルさん。
オリビアを見つけました。ですが、まだ怖がっています。しばらくは私の影にいてもらうことにしました」
私は上手く説明できないが、胸の奥に自分とは違う何かの存在を感じている。それがオリビアだと信じている。
「ほ! 本当かっ! ワシらは何をしたらいいのだ?」
「オリビア自身が出てきても大丈夫だということを感じられることがいいと思うのです。無理するのではなく自然に、ですよ」
「まあ! ビアちゃんと早くお茶をしたいのに無理せず自然になんて難しいわね。ふふふ」
お祖母様は優しく微笑む。
「お祖母様さすがですね。とっても自然にお祖母様のお気持ちが伝わります」
「ワシもビアと話もしたいし、昔のように釣りをしたいぞ」
「もう! ビアちゃんはもうすぐ十八歳になる女のコなのよ」
「いいではないかっ! ビアはこの湖が好きだろう? 釣りがダメならボートに乗ろう!」
「それはいいですね。早速修理に出しておきます」
バレルもオリビアにしてあげれることがあるのは嬉しそうだ。
「ビアちゃんがいなくなってボートも乗らなくなってしまったのよ。お祖父様は久しぶりだけど漕げるのかしら?」
「ビアのためなら練習するさっ。ビアにはかっこいいお祖父様だと思われたいからな」
「わたくしが漕ぎますのでご安心を」
「バレルさんがオリビアにかっこいいって思われちゃいますね」
お祖父様がちょっと拗ねた顔をする。それをみんなで笑った。
私の中のオリビアがドキドキしているのを感じていた。
こうして、私とオリビアの生活が始まった。
バレルだけでは対応できないこともあるのでオリビア専属メイドとしてナッツィには私たちの二重人格生活について理解してもらった。
ナッツィはオリビアが幼い頃にもオリビア専属メイドだったそうで、事情を聞いて泣いていた。ナッツィは私がオリビアでないことに気がついていたが、『事情を話していただけるまで待つつもりでおりました』と、すぐに納得してくれた。
お祖父様とお祖母様とバレルとナッツィがあまりにも構うものだからオリビアは早々に『出てみようかな』と言ってきた。
「うふふ。それならちょっとイタズラしようよ」
私のイタズラにオリビアも乗り気になった。
いつもと同じようなドレスにいつもと同じメイクにヘアメイク。何も変わらない私。
そして、いつものお茶時間にサロンへと向かう。今日はナッツィにも先にサロンへ行ってもらった。
『コンコンコン』
ノックをしてサロンのドアを開ける。笑顔で入室すると、お祖父様とお祖母様は立ち上がり、バレルは茶器を落とし、ナッツィはタオルを落とし、四人は目を見開いて驚いている。
「ビ……ア……」
お祖父様の呟きに、お祖母様とバレルとナッツィはその場に崩れて泣き出した。
「わたくしだとわかってくださるのですか?」
廊下ですれ違ったメイドたちは何も気がつかなかった。外見は何も変えていないのだから当然だろう。
オリビアは走った。誰も淑女らしからぬと諌めたりしない。オリビアはその勢いのままお祖父様の首に抱き付いた。
「ビアは十八歳になるのに変わらんなぁ」
お祖父様は涙を流しながらオリビアの頭を撫でた。
オリビアが幼き頃はお祖父様に向かって走るとお祖父様は膝を屈めて、首に抱きつくオリビアを持ち上げてくれていた。
今ではオリビアが少し背伸びをすればお祖父様の首に抱きつくことができるようになっていた。
「こんなに大きくなって……。オリビア。おかえり」
「お祖父様! お祖父様!」
お祖父様はそっとオリビアの腕を解くとオリビアを頬を手で包んだ。
「よく頑張ったな」
オリビアは涙で濡らした顔でコクコクと何度も頷いた。
「オリビア。マーデル―お祖母様―にも顔を見せてあげてくれ」
「お祖母様!」
オリビアは泣き崩れていたお祖母様の背中を抱いた。お祖母様は顔を上げて二人は抱き合って泣いている。
「ビアちゃん。会いたかったわ。ずっとずっと会いたかったのよ」
「お祖母様。わたくしもです」
オリビアの溢れる涙も止まることはなさそうだ。
バレルの指示でメイドたちは先に屋敷へ帰ってもらった。
「お祖父様。お祖母様。バレルさん。
オリビアを見つけました。ですが、まだ怖がっています。しばらくは私の影にいてもらうことにしました」
私は上手く説明できないが、胸の奥に自分とは違う何かの存在を感じている。それがオリビアだと信じている。
「ほ! 本当かっ! ワシらは何をしたらいいのだ?」
「オリビア自身が出てきても大丈夫だということを感じられることがいいと思うのです。無理するのではなく自然に、ですよ」
「まあ! ビアちゃんと早くお茶をしたいのに無理せず自然になんて難しいわね。ふふふ」
お祖母様は優しく微笑む。
「お祖母様さすがですね。とっても自然にお祖母様のお気持ちが伝わります」
「ワシもビアと話もしたいし、昔のように釣りをしたいぞ」
「もう! ビアちゃんはもうすぐ十八歳になる女のコなのよ」
「いいではないかっ! ビアはこの湖が好きだろう? 釣りがダメならボートに乗ろう!」
「それはいいですね。早速修理に出しておきます」
バレルもオリビアにしてあげれることがあるのは嬉しそうだ。
「ビアちゃんがいなくなってボートも乗らなくなってしまったのよ。お祖父様は久しぶりだけど漕げるのかしら?」
「ビアのためなら練習するさっ。ビアにはかっこいいお祖父様だと思われたいからな」
「わたくしが漕ぎますのでご安心を」
「バレルさんがオリビアにかっこいいって思われちゃいますね」
お祖父様がちょっと拗ねた顔をする。それをみんなで笑った。
私の中のオリビアがドキドキしているのを感じていた。
こうして、私とオリビアの生活が始まった。
バレルだけでは対応できないこともあるのでオリビア専属メイドとしてナッツィには私たちの二重人格生活について理解してもらった。
ナッツィはオリビアが幼い頃にもオリビア専属メイドだったそうで、事情を聞いて泣いていた。ナッツィは私がオリビアでないことに気がついていたが、『事情を話していただけるまで待つつもりでおりました』と、すぐに納得してくれた。
お祖父様とお祖母様とバレルとナッツィがあまりにも構うものだからオリビアは早々に『出てみようかな』と言ってきた。
「うふふ。それならちょっとイタズラしようよ」
私のイタズラにオリビアも乗り気になった。
いつもと同じようなドレスにいつもと同じメイクにヘアメイク。何も変わらない私。
そして、いつものお茶時間にサロンへと向かう。今日はナッツィにも先にサロンへ行ってもらった。
『コンコンコン』
ノックをしてサロンのドアを開ける。笑顔で入室すると、お祖父様とお祖母様は立ち上がり、バレルは茶器を落とし、ナッツィはタオルを落とし、四人は目を見開いて驚いている。
「ビ……ア……」
お祖父様の呟きに、お祖母様とバレルとナッツィはその場に崩れて泣き出した。
「わたくしだとわかってくださるのですか?」
廊下ですれ違ったメイドたちは何も気がつかなかった。外見は何も変えていないのだから当然だろう。
オリビアは走った。誰も淑女らしからぬと諌めたりしない。オリビアはその勢いのままお祖父様の首に抱き付いた。
「ビアは十八歳になるのに変わらんなぁ」
お祖父様は涙を流しながらオリビアの頭を撫でた。
オリビアが幼き頃はお祖父様に向かって走るとお祖父様は膝を屈めて、首に抱きつくオリビアを持ち上げてくれていた。
今ではオリビアが少し背伸びをすればお祖父様の首に抱きつくことができるようになっていた。
「こんなに大きくなって……。オリビア。おかえり」
「お祖父様! お祖父様!」
お祖父様はそっとオリビアの腕を解くとオリビアを頬を手で包んだ。
「よく頑張ったな」
オリビアは涙で濡らした顔でコクコクと何度も頷いた。
「オリビア。マーデル―お祖母様―にも顔を見せてあげてくれ」
「お祖母様!」
オリビアは泣き崩れていたお祖母様の背中を抱いた。お祖母様は顔を上げて二人は抱き合って泣いている。
「ビアちゃん。会いたかったわ。ずっとずっと会いたかったのよ」
「お祖母様。わたくしもです」
オリビアの溢れる涙も止まることはなさそうだ。
38
あなたにおすすめの小説
姑に嫁いびりされている姿を見た夫に、離縁を突きつけられました
碧井 汐桜香
ファンタジー
姑に嫁いびりされている姿を見た夫が、嬉しそうに便乗してきます。
学園進学と同時に婚約を公表し、卒業と同時に結婚したわたくしたち。
昔から憧れていた姑を「お義母様」と呼べる新生活に胸躍らせていると、いろいろと想定外ですわ。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
【 完 結 】言祝ぎの聖女
しずもり
ファンタジー
聖女ミーシェは断罪された。
『言祝ぎの聖女』の座を聖女ラヴィーナから不当に奪ったとして、聖女の資格を剥奪され国外追放の罰を受けたのだ。
だが、隣国との国境へ向かう馬車は、同乗していた聖騎士ウィルと共に崖から落ちた。
誤字脱字があると思います。見つけ次第、修正を入れています。
恋愛要素は完結までほぼありませんが、ハッピーエンド予定です。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる