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4 席に狼狽えました
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さすがに本物の王子だ。エスコートへの一連の動きが実にスマートで、ついつい流されてしまいそうになる。
主人公はダンティル王子に保健室でもずっと付き添われさらに教室までエスコートされる。その結果、登校初日にEクラスの女子生徒から爪弾きにされるのだ。
ダンティル王子にエスコートされればクラスが違えど爪弾きは確定だ。ついでにAクラスにはダンティル王子の婚約者ベティーネ様もいらっしゃるのだから尚更だろう。
「恐れながら……」
私は王子の手から自分の手を引いて、小さくお辞儀した。
「なんだ? 遠慮なく申せ」
私は頭を上げてダンティル王子と話をした。見物人たちはかなり遠巻きにしているので、私達の会話は、従者にしか聞こえないだろう。
「ありがとうございます。では……」
私はフッと息を吸った。もしかしたら、不敬と言われるかもしれない。でも、覚悟をした。
「わたくしごときがダンティル王子殿下を付き添わせたなどと噂になれば、学園でのわたくしの立場はなくなります」
私は半端な笑顔を止めて真面目に相対した。
「何を申すのだ? ここは学園だ。身分は問わない。怪我をしているかもしれないのだぞ? 放っておける訳もあるまい?」
王子の顔が少しだけ歪んだ。『王子だろ? 顔に出すな』と言いたいが、攻略キャラは喜怒哀楽が見やすくなっているのかもしれない。
それに、言えるわけもないし。
だが、王子殿下のお顔を歪ませたと難癖をつけられる恐れもあるのだ。できれば、顔に出していただきたくはない。
それも言えないけど。
「では、身分ではないお話をさせていただきます。
婚約者のいない女子生徒が、婚約者のいらっしゃる男子生徒の手をとることが、どう思われるかをお考えください。わたくしにとって醜聞になるということをご理解いただきたく存じます」
私は再び頭を下げた。ダンティル王子は逡巡した後、キョロキョロと周りを見回した。
ダンティル王子の探し人は周囲より数歩こちらに近づいて、心配そうにご覧になっている方だろう。王子もすぐに気がついたようだ。
「ベティ!」
ダンティル王子に呼ばれ近づいてきたのは、私のイチ推しキャラだった。
その方は、王子の婚約者であるベティーネ・メルケルス公爵令嬢様です。
何度も言います!
彼女こそ、私のイチ推しです!
天使が私を心配するお顔をなさってくださっている。こんなお顔を見られるなんて、なんて至福な時間でしょう。
「ダンティル様。いかがなさいましたの?」
「私の馬が、彼女に怪我を負わせてしまったかもしれぬのだ。しかし、彼女はこれ以上のエスコートを望まぬようだ。
ここからの付き添いを頼めぬか?」
「かしこまりましたわ。
アンナリセル様。おみ足は大丈夫ですか?」
王子から私へ視線を動かし、王子の反対側から私の背を支えてくれる。
「ベティーネ様……。わたくしの名前を……」
「まあ、ごめんなさいね。まだ名乗っていないのに。このような状況ですから、赦してくださいね」
「いえ、いえ! わたくし、ベティーネ様に名前を知ってもらえているなんて嬉しくて!」
「ふふふ、クラスメートではありませんか」
『勉強頑張ってよかったぁ!!』
私は心中でガッツポーズをした。
それにしても、クラスメートの名前と顔をすでに一致させているとは、本当に優秀なお方なのだ。もちろんそれは、王子の婚約者として、警備のためであるのだろう。変な輩を王子に近づかせるわけにはいかないだろうから。
「そうか、クラスメートなのか。では、そなたの荷物とベティの荷物はこちらで運んでおこう。学園への説明もしておくから、無理せず、ゆるりと様子を見て戻ってきてくれ」
ほら、警備のためのはずなのに、ダンティル王子は覚えてないし。ベティーネ様はすごい!
「「はい」」
私とベティーネ様はダンティル王子にお辞儀をして保健室へと向かった。
〰️ 〰️ 〰️
ベティーネ様に付き添われ保健室へ行き、保健師から怪我はなしと診断を受けてから教室へ戻った。
しかし、空席の状況にびっくりして気が遠のきそうになった。基本的に自由席であることは兄の話で知っていた。
そして現在の空席は、一番前の窓側でダンティル王子の隣、または、廊下側の一番後ろの席。そこしか空いていなかったのだ。
窓側の空席の後ろには白髪が見えるので、フロレント・リュデルク教皇子息。王子の後ろは紺髪のマジラウル・ノーザエム宰相公爵子息。攻略対象者にばっちり囲まれた席だ。
そして、なぜか、廊下側の後ろの席にベティーネ様のカバンがあった。今までのことを踏まえると、これも王子警護の一環なのかもしれない。廊下側の一番前の席は赤髪のエリアウス・ギーゼルト団長侯爵子息のようだ。
私はヒューッと息を飲んでしまった。
『あんな攻略キャラに囲まれた席など座れるものかっ! ダンティルは朝の私の話を聞いていないのかっ!?』
私は顔に出して狼狽えていたようだ。ベティーネ様が優しげに声をかけてくださる。
「わたくしが交渉いたしますわ」
ベティーネ様はベティーネ様の席の前の席に座る男子生徒に何やら話をし、その男子生徒はすぐに頷き、私の荷物を窓側の席から持ってきてくれた。そして、その彼はダンティルの隣の席へ行った。それを見たフロレントがその彼と席を交換し、ダンティルの隣に席を変えた。
『最初からそうしろよっ! 罠かっ!』
私は顔にはださずに心の中で悪態をついた。フロレントの真後ろであっても座る気持ちにはならなかっただろう。
「アンナリセル様は婚約者がいらっしゃらないのでしょう? あのようなお席ではお友達も作れませんわよね」
ベティーネ様は私の耳元でクスクスとお笑いになった。
「彼の者―移動してくれた男子生徒―はわたくしの家と関係する者ですの。気になさらないでね」
「でも、それって護衛なのでは?」
「お隣にもう一人いるから大丈夫よ」
ベティーネ様のお隣の席の男子生徒が私に頭を下げた。
「では、お言葉に甘えます。ありがとうございます」
私は本物の笑顔をベティーネ様に向け、ベティーネ様の前の席に座った。
主人公はダンティル王子に保健室でもずっと付き添われさらに教室までエスコートされる。その結果、登校初日にEクラスの女子生徒から爪弾きにされるのだ。
ダンティル王子にエスコートされればクラスが違えど爪弾きは確定だ。ついでにAクラスにはダンティル王子の婚約者ベティーネ様もいらっしゃるのだから尚更だろう。
「恐れながら……」
私は王子の手から自分の手を引いて、小さくお辞儀した。
「なんだ? 遠慮なく申せ」
私は頭を上げてダンティル王子と話をした。見物人たちはかなり遠巻きにしているので、私達の会話は、従者にしか聞こえないだろう。
「ありがとうございます。では……」
私はフッと息を吸った。もしかしたら、不敬と言われるかもしれない。でも、覚悟をした。
「わたくしごときがダンティル王子殿下を付き添わせたなどと噂になれば、学園でのわたくしの立場はなくなります」
私は半端な笑顔を止めて真面目に相対した。
「何を申すのだ? ここは学園だ。身分は問わない。怪我をしているかもしれないのだぞ? 放っておける訳もあるまい?」
王子の顔が少しだけ歪んだ。『王子だろ? 顔に出すな』と言いたいが、攻略キャラは喜怒哀楽が見やすくなっているのかもしれない。
それに、言えるわけもないし。
だが、王子殿下のお顔を歪ませたと難癖をつけられる恐れもあるのだ。できれば、顔に出していただきたくはない。
それも言えないけど。
「では、身分ではないお話をさせていただきます。
婚約者のいない女子生徒が、婚約者のいらっしゃる男子生徒の手をとることが、どう思われるかをお考えください。わたくしにとって醜聞になるということをご理解いただきたく存じます」
私は再び頭を下げた。ダンティル王子は逡巡した後、キョロキョロと周りを見回した。
ダンティル王子の探し人は周囲より数歩こちらに近づいて、心配そうにご覧になっている方だろう。王子もすぐに気がついたようだ。
「ベティ!」
ダンティル王子に呼ばれ近づいてきたのは、私のイチ推しキャラだった。
その方は、王子の婚約者であるベティーネ・メルケルス公爵令嬢様です。
何度も言います!
彼女こそ、私のイチ推しです!
天使が私を心配するお顔をなさってくださっている。こんなお顔を見られるなんて、なんて至福な時間でしょう。
「ダンティル様。いかがなさいましたの?」
「私の馬が、彼女に怪我を負わせてしまったかもしれぬのだ。しかし、彼女はこれ以上のエスコートを望まぬようだ。
ここからの付き添いを頼めぬか?」
「かしこまりましたわ。
アンナリセル様。おみ足は大丈夫ですか?」
王子から私へ視線を動かし、王子の反対側から私の背を支えてくれる。
「ベティーネ様……。わたくしの名前を……」
「まあ、ごめんなさいね。まだ名乗っていないのに。このような状況ですから、赦してくださいね」
「いえ、いえ! わたくし、ベティーネ様に名前を知ってもらえているなんて嬉しくて!」
「ふふふ、クラスメートではありませんか」
『勉強頑張ってよかったぁ!!』
私は心中でガッツポーズをした。
それにしても、クラスメートの名前と顔をすでに一致させているとは、本当に優秀なお方なのだ。もちろんそれは、王子の婚約者として、警備のためであるのだろう。変な輩を王子に近づかせるわけにはいかないだろうから。
「そうか、クラスメートなのか。では、そなたの荷物とベティの荷物はこちらで運んでおこう。学園への説明もしておくから、無理せず、ゆるりと様子を見て戻ってきてくれ」
ほら、警備のためのはずなのに、ダンティル王子は覚えてないし。ベティーネ様はすごい!
「「はい」」
私とベティーネ様はダンティル王子にお辞儀をして保健室へと向かった。
〰️ 〰️ 〰️
ベティーネ様に付き添われ保健室へ行き、保健師から怪我はなしと診断を受けてから教室へ戻った。
しかし、空席の状況にびっくりして気が遠のきそうになった。基本的に自由席であることは兄の話で知っていた。
そして現在の空席は、一番前の窓側でダンティル王子の隣、または、廊下側の一番後ろの席。そこしか空いていなかったのだ。
窓側の空席の後ろには白髪が見えるので、フロレント・リュデルク教皇子息。王子の後ろは紺髪のマジラウル・ノーザエム宰相公爵子息。攻略対象者にばっちり囲まれた席だ。
そして、なぜか、廊下側の後ろの席にベティーネ様のカバンがあった。今までのことを踏まえると、これも王子警護の一環なのかもしれない。廊下側の一番前の席は赤髪のエリアウス・ギーゼルト団長侯爵子息のようだ。
私はヒューッと息を飲んでしまった。
『あんな攻略キャラに囲まれた席など座れるものかっ! ダンティルは朝の私の話を聞いていないのかっ!?』
私は顔に出して狼狽えていたようだ。ベティーネ様が優しげに声をかけてくださる。
「わたくしが交渉いたしますわ」
ベティーネ様はベティーネ様の席の前の席に座る男子生徒に何やら話をし、その男子生徒はすぐに頷き、私の荷物を窓側の席から持ってきてくれた。そして、その彼はダンティルの隣の席へ行った。それを見たフロレントがその彼と席を交換し、ダンティルの隣に席を変えた。
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私は顔にはださずに心の中で悪態をついた。フロレントの真後ろであっても座る気持ちにはならなかっただろう。
「アンナリセル様は婚約者がいらっしゃらないのでしょう? あのようなお席ではお友達も作れませんわよね」
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「でも、それって護衛なのでは?」
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