18 / 32
高校生 激動編
017. 入学式と新しい生活 (2)
しおりを挟む
瑠維さんの姿にちょっと見とれながら他の人を見ていると先程僕が転んだ時に手助けしてくれた上級生がみんなと別の場所に座っていた。
どうやら先輩は生徒会役員だったみたいだ。
いろいろ考えていたら入学式は終わったようだ。
入学式が終わったら教室に戻るが入場とは逆にGクラスから退場が始まった。最初は生徒と保護者は別だったけれど終わりは保護者も教室に移動だったのでそれだけで時間がかかった。
生徒の方はクラスごとに移動していくが保護者は式が終わったことで顔見知り同士でのおしゃべりが始まりなかなか体育館から人が少なくならなかった。
それもあって僕はゆっくり教室へ行こうと思って歩き出すクラスメイト達を見ていた。
「おい、何やってんだ?早くしろよ、お前は俺の前だろ?」
言葉キツく言ってきた彼に僕はイラッとした。
「さっきみたいに転ぶかもしれないので皆の迷惑にならないように最後に行きます」
僕は表情を冷たくしていた。
「…ふんっ…」
自分の思った通りにならないと思った皆川は悪態をつくとそっぽを向き教室へと歩き出した。
それを見ていたクラスメイト達は彼の様子に顔を顰め歩いて行った。
そろそろ行こうかなと思って立ち上がった。
急に立ち上がったために右足が強張りその場で立っていられずに崩れ座り込んでしまった。
新入生の後ろに保護者席があったので瑠維さんに僕の行動の一部始終を見られていたようだ。
しっかり見ていた瑠維さんが顔色を変えて椅子が並んだ間を走ってきた。
「亜月!大丈夫か?!」
僕には瑠維さんの慌てぶりに驚いてしまった。
瑠維さんがこんなに慌てている姿を初めて見て僕は僕で声が出せなかった。
「亜月君?」
「あっ、はい」
「亜月君、大丈夫かい?」
「あっ、はい」
僕の返事を聞いて瑠維さんの顔色が戻った。
瑠維さんの動作にばかり気がいっていて周りが見えていなかったけれど少し落ち着いて見回すとなんだか注目されているようだった。
「亜月君?本当に大丈夫?」
瑠維さんの顔が僕に近づいてきたのでビックリしてしまって両手で瑠維さんの肩を押していた。
「瑠維さん…大丈夫だから…」
「大丈夫じゃないだろ?ほら、僕につかまって」
教室から体育館へ歩いてきたときに助けてくれた上級生と同じように瑠維さんもなかなか手を引っ込めてくれなかった。
仕方がないので瑠維さんの腕につかまり立ち上がった。
体育館の中にはまだ多くの人たちが残っていてその人たちに僕の行動を見られていたみたいで少し恥ずかしかった。
颯斗さんも僕と瑠維さんの様子を見て心配しながら紫凰のクラスへ向かった。
生徒会役員の一人、僕のクラスの案内係をしていた先輩が瑠維さんのことが気になるみたいでこっちをチラチラ見ていた。
「亜月君、そんなに急いだらまた歩けなくなるよ?僕が一緒にいるからゆっくり行こう」
閑散となった体育館に少し焦りを感じ急ごうとしたが二歩三歩と足を動かそうとするけれどまたすぐ縺れて倒れそうになった。
「慌てていると歩けないよ、亜月君。落ち着いて」
瑠維さんの手が転びそうな僕を支えてくれた。
これ以上反抗して自分で態勢を整えることができなくなっていた。
それもあってか瑠維さんは見てわかる程ニコニコして上機嫌だった。
「遅れてすみません」
みんなからかなり遅れて教室に到着したので僕以外の全員が席に着いていた。
少しばかり騒がしかった教室内が静かになり僕に視線が集まった。
今日は朝から注目されていて恥ずかしかった。
おまけに瑠維さん自身がものすごく注目されていたみたいだ。
教室で明日からの日程説明があったりしてそれが終わると解散となった。
他のクラスも同時くらいに終了したみたいで僕のクラスに紫凰が飛び込んできた。
「亜月っ!大丈夫か?!」
「ん?何が?」
「何が?って…体育館で立てなくなっていただろ?大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。瑠維さんも紫凰も過保護すぎるよ」
僕は紫凰を見て眉間にしわを寄せた。
「帰る…はぁ…今日から禿河の家に帰らないと…はぁ…」
「うん…、帰ろう」
どうやら先輩は生徒会役員だったみたいだ。
いろいろ考えていたら入学式は終わったようだ。
入学式が終わったら教室に戻るが入場とは逆にGクラスから退場が始まった。最初は生徒と保護者は別だったけれど終わりは保護者も教室に移動だったのでそれだけで時間がかかった。
生徒の方はクラスごとに移動していくが保護者は式が終わったことで顔見知り同士でのおしゃべりが始まりなかなか体育館から人が少なくならなかった。
それもあって僕はゆっくり教室へ行こうと思って歩き出すクラスメイト達を見ていた。
「おい、何やってんだ?早くしろよ、お前は俺の前だろ?」
言葉キツく言ってきた彼に僕はイラッとした。
「さっきみたいに転ぶかもしれないので皆の迷惑にならないように最後に行きます」
僕は表情を冷たくしていた。
「…ふんっ…」
自分の思った通りにならないと思った皆川は悪態をつくとそっぽを向き教室へと歩き出した。
それを見ていたクラスメイト達は彼の様子に顔を顰め歩いて行った。
そろそろ行こうかなと思って立ち上がった。
急に立ち上がったために右足が強張りその場で立っていられずに崩れ座り込んでしまった。
新入生の後ろに保護者席があったので瑠維さんに僕の行動の一部始終を見られていたようだ。
しっかり見ていた瑠維さんが顔色を変えて椅子が並んだ間を走ってきた。
「亜月!大丈夫か?!」
僕には瑠維さんの慌てぶりに驚いてしまった。
瑠維さんがこんなに慌てている姿を初めて見て僕は僕で声が出せなかった。
「亜月君?」
「あっ、はい」
「亜月君、大丈夫かい?」
「あっ、はい」
僕の返事を聞いて瑠維さんの顔色が戻った。
瑠維さんの動作にばかり気がいっていて周りが見えていなかったけれど少し落ち着いて見回すとなんだか注目されているようだった。
「亜月君?本当に大丈夫?」
瑠維さんの顔が僕に近づいてきたのでビックリしてしまって両手で瑠維さんの肩を押していた。
「瑠維さん…大丈夫だから…」
「大丈夫じゃないだろ?ほら、僕につかまって」
教室から体育館へ歩いてきたときに助けてくれた上級生と同じように瑠維さんもなかなか手を引っ込めてくれなかった。
仕方がないので瑠維さんの腕につかまり立ち上がった。
体育館の中にはまだ多くの人たちが残っていてその人たちに僕の行動を見られていたみたいで少し恥ずかしかった。
颯斗さんも僕と瑠維さんの様子を見て心配しながら紫凰のクラスへ向かった。
生徒会役員の一人、僕のクラスの案内係をしていた先輩が瑠維さんのことが気になるみたいでこっちをチラチラ見ていた。
「亜月君、そんなに急いだらまた歩けなくなるよ?僕が一緒にいるからゆっくり行こう」
閑散となった体育館に少し焦りを感じ急ごうとしたが二歩三歩と足を動かそうとするけれどまたすぐ縺れて倒れそうになった。
「慌てていると歩けないよ、亜月君。落ち着いて」
瑠維さんの手が転びそうな僕を支えてくれた。
これ以上反抗して自分で態勢を整えることができなくなっていた。
それもあってか瑠維さんは見てわかる程ニコニコして上機嫌だった。
「遅れてすみません」
みんなからかなり遅れて教室に到着したので僕以外の全員が席に着いていた。
少しばかり騒がしかった教室内が静かになり僕に視線が集まった。
今日は朝から注目されていて恥ずかしかった。
おまけに瑠維さん自身がものすごく注目されていたみたいだ。
教室で明日からの日程説明があったりしてそれが終わると解散となった。
他のクラスも同時くらいに終了したみたいで僕のクラスに紫凰が飛び込んできた。
「亜月っ!大丈夫か?!」
「ん?何が?」
「何が?って…体育館で立てなくなっていただろ?大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。瑠維さんも紫凰も過保護すぎるよ」
僕は紫凰を見て眉間にしわを寄せた。
「帰る…はぁ…今日から禿河の家に帰らないと…はぁ…」
「うん…、帰ろう」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる