【 異能の転生者 】勇者への道、救世主への道、英雄への道……

異能な転生者

文字の大きさ
455 / 691

第440話 国を強くする

しおりを挟む
第440話 国を強くする

昨日は、魔族も学園に出現して、騒動になった。学園だけの講師のはずが、国を守る兵士と騎士の強さを見ることになってしまった。

国を守るのは、現場の指揮官の強さもあるが、兵法と言うことは、座学でやっていると思うので、俺たちがすることは、いつも練習でやっていること。

つまり基礎魔法だ。

俺たちはシャーロットから言われた場所まで瞬間転移して現れた。

軍が練習に使用する広大な土地が見える。

今回は、上官だけにして、その上官がしたのものに教えることになった。

だけど、年齢も俺の父親よりも上で、おじいちゃんみたいな人ばかりいる。

その中に、以前、魔物が瘴気の箱から出てきた時に、指揮していた人が俺の前に挨拶にきた。

「クリス様、あの時は、ありがとうございました、そして、この度はよろしくおねがいします」と頭を下げられた。

「はい、こちらこそ、頼みますよ」と俺は簡単に挨拶した。

う~ん、こんな人の前に戦闘現場でもないのに、言葉を交わすのは、難しい。

戦闘現場で言う方がいいよね。

「じゃ、みんなを集めてください」

この場では、俺の方が上官で、挨拶にきた司令官は副官になるので、副官になった司令官に、命令を出す。

「今日は、俺が、みんなに指導していきますが、俺のメンバーが直接に、みんなに指導していきます。
そして、メンバーにはシャーロット姫もいますので、よろしく頼みます」

「模範として、シャーロット姫と、俺とで基礎魔法をお見せします」と俺が言うと、

「えっ、そんなの聞いてませんよ」と言うシャーロット

「まぁ、まぁ、いいから」と俺

シャーロットがメンバーのみんなの顔を見るけど何も言ってくれないし、アリシアがシャーロットを押し出す。

押し出されたシャーロットは、仕方なく俺と距離を保つ。

なんだか、シャーロットは自身なさげ。

「シャーロット姫は、俺たちのメンバーですけど、初めは魔法は使えませんでした。
シャーロット姫が、俺たちと出会い、しばらくして、どんどん、上達して今に至っています。
これからは、俺が攻撃魔法をシャーロット姫に向けて放ちます。
それをシャーロットは、これから練習する基礎魔法で防いで見せます。
シャーロット、準備は良い、基礎魔法を展開して‥‥‥」と俺が言うと、シャーロットは基礎魔法を展開した。

「皆さんの目には見えないと思いますけど、シャーロット姫は、基礎魔法を展開しています」と説明していると

「ちょっと待ってください、クリス様、大丈夫ですよね」とシャーロット

「うん、それは君が練習をしっかり頑張っているから、大丈夫と思うよ」

「‥‥‥思うって‥‥そんな‥‥‥」とシャーロット

「じゃ、行くよ」と言って俺は普通のファイヤーボールを作った。

それをシャーロットに向けて放つ。

シャーロットにすごい勢いで飛んでいき、シャーロットが燃やされる。

「きゃっ」とシャーロットが悲鳴をあげて目を閉じる。

しかし、燃やされたのも一瞬で、すぐに消えた。

みんなが、驚きの声をあげる。

「おおー、すごい」
「さすが姫様だ」

シャーロットがゆっくりと目を開けると、炎が霧散するところだった。

シャーロットは落ち着きを取り戻して、ほっとしている。

「もう、クリスさまぁ」と怒り声。

「このように姫さまでさえ、基礎魔法で防ぐことができます」

「さえってなんですか?」とシャーロット

そこに遅れていたアルバート王子が来た。

「すいません、遅れました」と王子は俺のところに来て言う、俺が挨拶をしようとしたら、シャーロットが「お兄様、クリスったらひどいんですよ、私を見本にクリス様が攻撃したんですよ」

「えっ、本当かい? それは、すごいな見てみたかったな」

「えっ、もう2度とごめんです」と言って、他のメンバーがいるところに行ってしまった。

「クリス様、もう少し、 お手柔らかに‥‥‥」とアルバート王子

「うん、それもあるけど、自信がついたんじゃない。
なんと言っても俺からの攻撃を防いだんだから」

「‥‥‥手加減は‥‥‥」

「それは、もちろん」

「でしょうね」とアルバート王子

シャーロットは、みんなのところに戻って、楽しそうに話をしている。

「じゃ、やりましょうか?」

「ええ、そうしましょう。将軍、みんなを集めてください」と王子

へ~、あの人、将軍なんだ、と今頃のように思う。

みんなは俺の周りに集まる。

結構な人数がいるけど、メンバーが手伝ってくれるから大丈夫だと思う。

俺が中心に歩み出て「これからやるのは、基礎中の基礎の魔法ですから、それを習得してもらうことが最低限ですから、俺と同じようにしてください。
一つずつ説明していきますよ。
今回のことをできないと、下の人から追い越されますよ。
じゃ、やっていきますよ」と言いながら、俺は基礎魔法を展開していくけど、みんなは見えない‥‥‥う~ん、どうしよう

「ちょっと待ってください」と言って俺は、近くの森に瞬間転移して、枯れ木を集めてきた。

その枯れ木を地面に置いて、火をつける、と煙が出てきたので、腕で口を塞いで煙たさを我慢する。

そうしたら後ろから、シャーロットが、持ってきていたスカーフを巻いてくれた。

「ありがとう、シャーロット」

「いいえ、どういたしまして‥‥‥」

俺は、口元は大丈夫だけど、目がシバシバするのは、しょうがないから、早めにやってしまおうと思う。

「ケホンっ、いいですか? 煙の動きを見てください」と言って俺は魔力を集める。

魔力の動きと煙の動きが起きて、渦を巻くようになって見える。

「はい、これが魔力の動きです」と言って、火を消した。

腕のところを 匂いを嗅いでみると煙の匂いがプンプンしてしまってシャーロットから借りたスカーフも匂いがついてしまった。

借りたスカーフをシャーロットに返しながら「ごめんね、せっかく借りたのに、煙の匂いがついてしまって」

「いいえ、大丈夫ですよ」

と言うところをアルバート王子は、しっかり見ていて、口の横が上がった。

ちょっとアリシアの頬が膨れることになった。

「皆さん、今の煙の渦をイメージしてください。簡単には、いきませんけど、日々の鍛錬がものを言います」

「 一番、大切な事はイメージすることなんです」と言っても、今一つだな。

「う~ん、どうしようか?」と声に出してしまう。

これじゃ、だめだ、時間が足りない。

「メンバー集合!」と声をかけた。

「えっとね、君たちの手を借りたい」と俺が言う。

「えっ、手を?」とアリシア

「そう、手を」

「どうするの?」とソフィア

「 列を作って全員を習わせるから、それぞれにお腹に手を当てて魔力を流してほしい」

「あっ、わかったわ、クリスが 私たちにしてくれた方法ね」とアリシア

「そうだよ」

女性たちの13人がまっすぐに横に並ぶ

「皆さん、今から個別にしますので、えっと、十三の列を作って並んでください」

えっ、俺はしないよ、だって列がゼロだったら、どうするのよ?
もう立ち直れないよ、というか男の腹なんか触りたくないし‥‥‥

一番、人気があるのは、やはり自分の国のシャーロット姫みたい。

高齢の将軍たちは、アレク、アデル、エイミー、アイリスに並んでいる、まぁ孫か、ひ孫くらいだからな。

みんな人気があってよかった。

イザベラも不思議と人気があるみたい。

シャーロットの次に多かったのは、意外にもコリン。

みんな勇者物語の作者だって知っているみたいだね。

意外にも少ないわけじゃないけど、アリシアが、少ない‥‥‥あれっ、どうしてだろう。

俺がアリシアの横に近づいていると、一人の将軍が、「やっぱりクリス様の幼馴染ですね、勇者様の婚約者に、失礼のないように注意いたします」と告げたので、アリシアは顔を真っ赤にして俯いている。

それを聞いていたメンバーの全員が、むぅっと頬を膨らませる。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

幼馴染の勇者が一般人の僕をパーティーに入れようとするんですが

空色蜻蛉
ファンタジー
羊飼いの少年リヒトは、ある事件で勇者になってしまった幼馴染みに巻き込まれ、世界を救う旅へ……ではなく世界一周観光旅行に出発する。 「君達、僕は一般人だって何度言ったら分かるんだ?!  人間外の戦闘に巻き込まないでくれ。  魔王討伐の旅じゃなくて観光旅行なら別に良いけど……え? じゃあ観光旅行で良いって本気?」 どこまでもリヒト優先の幼馴染みと共に、人助けそっちのけで愉快な珍道中が始まる。一行のマスコット家畜メリーさんは巨大化するし、リヒト自身も秘密を抱えているがそれはそれとして。 人生は楽しまないと勿体ない!! ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

処理中です...