【 異能の転生者 】勇者への道、救世主への道、英雄への道……

異能な転生者

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第519話 1000年後の世界37

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第519話 1000年後の世界37

いまだにどうして神クリスティアナが、あのシーンを見せたのか、わからないが、なんとなくだけど理解ができてきたような気がした。

俺に試練を与えて乗り越えろということだろう。これは俺が勝手にそう思っているだけだ。

俺が、いつまでも成長しない状態を見越してのことなのか?

まぁ、なんにせよ、前世のアルベルトの両親のことがわかった。

そしてアルベルトが住んでいた時のガルシア帝国が攻め込んできた理由もわかった。

全てはウルフの奴の仕業だ。

俺の両親を殺したのも、俺が住んでいたルーファス王国のガルシア帝国が攻め込んできたのもウルフの仕業だった。

俺はウルフのことを敵と認識しながらも、狂ったのは家族を殺されたせいだと思っていたから、そういう点ではかわいそうだと思っていた。

しかし、今からは考えを変える必要がある。

たぶん、生命の神クリスティアナは、そういうことをいうために見せたんだろう。

しかし、生き返る神獣を消滅させることなんてできるのか?

また生き返らせているのは神だから、神もどうにかしないと‥‥‥

一度、創造神ナサニエルの顔を見たから、奴らは今度からは攻め方を変えるかもわからない。

魔族ならば、メンバーでも戦いができる。

現世に帰った時に魔族と戦っているセラフィーナ、シャーロットの姿も見ている。

2人とも、うまく戦っているみたいだった。

剣でも魔法でも、魔族には負けることはないが数の原理で攻め込まれると油断や消耗が起きるから、その点だけは注意する必要がある。

メンバーの神獣たちは、見ていても安心のある戦い方をしている。

エイミーもアイリスも上手くなっている。

やはり一番は、ウルフと創造神ナサニエルだな。

しかしウルフは、あの時、ナサニエルに殺されているから、いつ復活するのかわからない。

でも、以前、ウルフを殺した時、復活したのが早かったな。

さぁ、これから、どうしようか?

もう、ここにいる理由がない。



朝になって俺たちは空間から出てきた。

その時には早起きしたヒルダが椅子に座っていた。

「おはよう、ヒルダ」

「おはようございます、クリス様、もう大丈夫ですか?」

「うん」

「昨日は驚きましたよ。急に眠り出して、結界が貼ってあって中にも入れなかったし」

「うん、ありがと、ヒルダ」

「昨日はみんなと話せたの?」と聞いてみる。

「はい、このまま王族の席を入れたまま村で暮らそうかと思っています」

「そうなんだ」

「自分が住んでいる国の姫だと言っても私はお城の姫ではなくて村の姫だと思っていますから」

「そうだね」

「はい、私は大丈夫ですから、心配しないでください、それよりもクリス様こそ大変ですね」

「うん、そうだね」

「でも、私たちが住んでいる国だけじゃなくて、全てがクリス様の肩にかかっていることが、よくわかりました」

「あれっ、僕じゃないの?」

「えっ、あれっ、そういえば、ここにいたから私になったちゃった」

ヒルダが笑っている。

その笑顔は本当に明るくていい笑顔をしている。

「そろそろ俺たち、この世界から帰ろうと思っているんだ」

「そうですよね、なんとなくそんな気がしていました」

「クリス様にはクリス様の世界があるんですものね」

「うん」

「引き止めちゃっだめですよね」

「うん」

「お別れですね」

「そうだね、でもいつでも来れるから、もうこっちの世界に来る方法はわかったから」

「そうですか‥‥‥でも、寂しいです。アリシアともコリンともジャネットさんともお別れですね」

「うん、私たちは私たちの世界に帰らなきゃいけないから」とアリシア

「はい、アリシア、本当によくしてくださってありがとう」

「うん、ヒルダ、またね」と涙を流している。

コリン「ヒルダ、また会おうね」

「はい、コリン、絶対ですよ」

ジャネット「ヒルダさん、お元気でね」

「はい、ジャネットさんもお元気で」

全員の挨拶が終わったので、後は王様に挨拶をして帰ることにした。

部屋から出て廊下を歩いている人を見つけて王様と会えるかどうか確認してみた。

すぐに返事が返ってきて王様に会えると言うことなので王様がいる執務室に向かう。

部屋の中に入ると王様が仕事をしているので、俺の方から話し始める。

「王様、おはようございます、俺たちは、元いた世界に今日にでも戻ります」

「おっ、そうか、戻るのか?」

「はい、ここで一言だけ言っておきますけど今から700年後にウルフがまた悪さを企んで、隣の国に戦争を起こして行きます。
どうか、そのことを文献に残すようにしてください。
まぁ、文献に残したとしても止まる事は無いかも分かりませんが」

「うむ、約束しよう、我が子孫を、最大の恩恵者である貴殿を後世まで敬い、崇めることを、そして700年後の子孫に厳重に文献でしか残せないのが本当に残念で、どうしようもないことだが、そのことを残そうと思う」

「はい、約束ですよ」というと王が立ち上がって手を出してくれた。

俺が王の手を取り握手をした。

「では、名残り惜しいですが。王様‥‥‥」と言って手を離した時に瞬間転移した。

瞬間転移した先は、ワームホールではなく、いつものメンバーが待つイーノック王国のお城だった。

残しておいた俺の分身体の横に転移して、分身体を消した。

「みんなお疲れ様」いうと俺をみんなが出迎えてくれた。

「おかえり」とアレク
「お帰りなさい」とエイミー
「おっかえり~」とアデル
ロゼッタ「帰還したのぅ」
パトリシア「ご主人さま、お帰りなさい」
ソフィア「おかえり~」
イザベラ「もう、遅いわよ」
セラフィーナ「お帰りなさい、みんな」
シャーロット「本当に無事でよかった」と言って出迎えられた。

なんだか本当に帰ってきたと言う感じがする。

堀たちが帰ってきたと言うことを兵士から聞いたのかイアンとキャサリンも部屋に入ってきた。

「あ~、無事ですね」とキャサリン

「うん、本当によかった」とイアン

そこで思い出したけどいつの時代にイーノック王国の下にある神殿に赤く光る聖剣の次元超越剣セイビアーを置いておくんだろう?

まぁ、いいや、今はまだ必要だから。

「イアン、俺たちは一度、国に戻るよ」と切り出した。

「えっ、そうなんですか?。今から大変なんですけど‥‥‥」

「また、来るから」

「絶対ですよ」

「うん、わかっているよ」

「え~クリス様、帰ってしまうんですか?」

「うん、あまり長期間開けておくことができないんだ」

「そ、そうですよね」

「じゃ、ここで帰るね」と言って長引きそうなので急いで帰ることにした。

俺が俺の下に近寄ってきて、準備ができたことを確認してオーリス王国に転移した。

一瞬でオーリス王国の自分の屋敷に戻ってきた。

なんだか自分の屋敷と言うのも変だけど久しぶりのような気がして俺たちが戻ってきたことをセバスチャンに知らせる。

セバスチャンと話してみると重要な報告は何もないと言う事だったので、ポーションの事だけを聞いておいた。

ポーションの生産も順調みたいだ。

最近は俺たちも忙しくていろんな国に飛んでいるからポーション作りをやっていない。

任せきりになっているけど順調に売れているようだ。

自分の屋敷に帰ってきた安心感から俺は眠くなってしまった。

みんなは自分の部屋に帰っていき、のんびりしているみたいなので俺も休養を取ることにした。


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