【 異能の転生者 】勇者への道、救世主への道、英雄への道……

異能な転生者

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第643話 世界滅亡へ(幕開け)7

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第643話 世界滅亡へ(幕開け)7

悪魔が攻め込んできた国に行って悪魔を倒すことをしているが、お城に招かれていることで、時間だけが過ぎていく。

今は謁見の間で周囲には貴族が立ち並び、目の前には女王が座っている状況だ。

メンバーが俺が勇者だと言う説明と勇者物語に出てくる主人公だと説明をしている所だった。

今も、検索魔法で確認すると、この国のあちらこちらで悪魔が暴れまわっている。

こんなところでのんびりしている暇はない。

俺は、決心した。

「そろそろ、時間ですから、女王陛下、これで失礼します」と転移することにした。

俺が振り返って合図を送ろうとしたら、女王が立ち上がって、「待たれよ」と言ってきた。

「………なんですか? あなたの国の民が、悪魔に襲われているのですよ。こんなところで道草食っている場合じゃないですよ」

そう言いながら振り返ると、女王が一冊の本を持っていた。

「こ、これに、サインを………」

………

「みんなは、3人が一つのチームで散らばって、悪魔を掃討してくれる?」

メンバーの皆は立ち上がって「了解」と声をそろえて答えた。

そして、次々に転移して消えていった。

「………では、サインだけですよ」と言うと女王はすごい笑顔になった。

「ありがとうございます。お会いした時から、もしやと思っていたんですが、女王の立場上、なかなか言い出せずに………でも家宝にします」と言われて、俺は本の最後にサインをして、女王に本を返した。

女王の顔をみると、40代のくらいだと思うが、その笑顔は、本当に喜んでいる少女の顔をしていた。

「では、失礼します」と礼儀は尽くして俺はメンバーを追って転移した。

俺が消えた後の、謁見の間では女王が咳ばらいをして「皆に伝えよ、勇者様一行の邪魔をするな。協力してことに当たれ、場合によっては勇者様の指揮下に入れと」と声を大に知って配下の者に伝えた。

そして、脇に抱えた本を大事そうに持って、女王は控えの間に消えた。

それを見ていた多くの貴族は「女王だけ、きたない」とか、「俺も欲しかった」とか、「あ~娘になんていえばいいんだ?」とか、「妻に怒られる」とか、「あ~せっかくのチャンスを逃がした~~」と言って床にへたり込む貴族もいた。

俺が転移して現れたのは、他のメンバーがいない場所、そこで騎士たちが戦っている、前衛の騎士が剣を持って悪魔と戦いながら、後方では魔法使いの数人が魔法で攻撃している。

しかし騎士が持つ剣でも致命的な傷を負わすことができていない。

そして後方支援の魔法使いの魔法でも、あたりはするが、大した威力は無い。

悪魔は手の平で魔法を受け止めている。

騎士が持つ剣は手の爪を伸ばして防いでいる。

全員のステイタスを確認すると、Bクラスが数人とあとはCクラスの人たち。

メンバーたちは、SSSクラスに到達しているが、それ以上のクラスが無いからだ。

最高クラスがSSSランクであって、それ以上、測ることができない。

ということは、もうSSSランクを超えている………

だから転移する時も自分の魔法でできる。

たぶん、剣を体に受けても、まとう魔法のチカラで、ケガをすることはないだろうけど、油断は大敵になる。

戦っている時に消耗が少ないからと言って、大勢の敵の中に入り、一斉に攻撃を受けると、誰だって、そこに対処しきれないことが起きてしまう。

多くの騎士や兵士は、剣と魔法の両立ができていない。

敵が多いのであれば、魔法で薙ぎ払ってからが妥当な方法だ。

あっ、そういえば、俺の魔法力って、どれくらいなんだろう?

最近は見る機会のないため、確認していない………こんど、暇な時に確認しておこう。

今は、悪魔を倒すこと………

前面で戦っている騎士の間に割り込んで、悪魔の長い爪を剣で防ぐ。

俺が「下がれ」と騎士に言うが、俺の方が歳下なので、にらみつけられて、「なんだ、お前は?」

「助けにきた」

「お前こそ、下がれ、ここは騎士が戦っている場だぞ。平民の出る幕じゃない」

「俺は女王からの救援要請で来た、勇者だ」

「なに?」と言って悪魔の長い爪の攻撃を剣で受けて、後方に下がった。

俺と悪魔が一対一で対峙する。

悪魔のランクをこの世界に当てはめていいものか、迷ったが、一応、確認してみると、Aランク。

しかし、Aランクの悪魔に対して俺が負けるわけにはいかない。

エマが変化した剣を前に構えつつ、悪魔の動きを注視する。

俺はエマに「炎をまとわせるけど、大丈夫?」と聞いてみた。

「もちろんご主人さまの魔法力なら理解していますから、問題はありませんよ」と返した。

………俺より、エマの方が強いんじゃない? なんてことを考えながら剣に火の属性魔法を展開する。

それを見た後方に下がった騎士から、ざわめきが起きる。

「おい、すごいことが起きているぞ」とか、「勇者って言っていたよな」とか、「す、すげえ~」とか、「魔法の威力が半端ねぇ」とか、「俺も、あんなの一度、やってみてぇ」とか、ちょっと、うるさい。

俺が作りだした剣を悪魔もみている。

真っ赤に燃えているが俺には熱い感じはない。

俺は、ちょっと剣を振ってみた。

「ご主人さま、遊んじゃだめですよ」とエマから注意された。

「いや、ごめん、ちょっと面白そうだったから」

「もう、まじめにやってくださいよ」

「うん、了解」と言って剣を見ていたら、そのすきをついて悪魔が突進してきた。

俺は、炎をまとう剣で奴の爪を防ごうとしたが、奴の爪と俺の剣が当たった瞬間に、悪魔が燃え上がった。

「あれっ」エマが変な声を出したのを聞き逃さなかった。

「えっ、エマ、どうした?」

「………以前、火山のエネルギーを私たちに入れましたよね、たぶん、あれで、魔力が増しているみたいです」

「そ、そうなの?」

「はい、たぶんですけど」

悪魔は燃え上がって苦しそうにしていたが、物の数秒でチリとなって消えた。

………

そこに周りから歓声が上がる。

「わ~、すごい」とか、「悪魔を倒したぞ」とか、「さすが、勇者だ」とか、近くに避難していた人たちも出てきて、騒ぎが起きた。

「わ~~~すごいぞ」とか「勇者様~~~」とか多くの喜びの声がしている。

しかし、のんびりと群衆の声に答えている暇がない、他にも危険なところだある。

俺はまた、他に転移した。

そこには一人の小さな女の子が悪魔に殺されそうになっている。

転移して、すぐに結界魔法を、その女の子に張る。

結界を張ったので、俺はゆっくりと歩いて、悪魔と対面しようとしたら、横から一人の人間が走って俺の前を通り過ぎた。

俺の前を通り過ぎていく時に、長い髪をなびかせて懸命に走る姿は感動ものだった。

俺が剣をつかむため、腰に手を当てたら、そこには何もなかった。

そう、長い髪をなびかせて走ったのは、エマだ。

剣から、すぐに人型になったエマが走り抜けていったのだ。

今まではネコの姿しか、しなかったのに人型になることができたのか?

そっちの方が驚きで、俺はしばらく前の光景を見る事しかできなかった。

そこにリアムが『ご主人様、申し訳ありません。私たちはご主人さまから大量のエネルギーをもらうことができて、本来の姿になることができるようになったんです』

「えっ、本来の姿って、人型だったの? ネコが本来の姿じゃないの?」

「はい、我々は、使命を帯びて、ここにいますが、その方からの命令に逆らってしまいましたが、しばらくはネコの姿を借りているようにと………」

「………その方って?」

「今は、まだ説明する時ではありませんので」

「そう」

「はい」

人型になったエマが、美しくきれいな女性だと言うこと、また動くたびに胸が揺れている、そして動くたびに揺れるスカート………

「えぇぇぇぇぇっ 今までのエマが、あの人だって言うの?」

「はい………」

でも、納得するしかない、今まで腰にあった剣が無いし、俺のすぐ横で実体化して走り去ったのだから。

「リアム、いつからわかったの?」

「はい、あの火山のマグマのエネルギーのあとからです」と言って、リアムも人型に実体化した。

俺よりも少し背が低い青年だ。

………

でも今まで話ができるネコだとばかり思っていたら、人型が本当の姿?

なんだか、信じられない………
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