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第七話
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『ノエル』
脳内でミカエルの声が聞こえた。
『いいのですか?ノエルは天界に戻る事はできます。しかし、彼は天界に行く事はできませんよ?』
「僕は天界には戻らない」
『な、何を言うのです!』
「ルカと共に、下界に行きます」
『ルシファーの所に行くと言うのですか?』
「はい……」
次の瞬間、ノエルの背中から美しい銀色の羽が生えた。羽はルシファーと同じ十二枚である事にミカエルは驚き、思わず姿を現す。
「その羽は……!封印したはず……!」
現れたミカエルの姿には目もくれず、ルカをそっと抱き上げ十二枚の羽を羽ばたかせると、マンションの窓を破り外に出た。
「待ちなさい!ノエル!」
「ミカエル様、こんな僕を気にかけてくれた事、感謝しています。記憶を失くしていた時、ノエルという名前だけは、ミカエル様からもらったこの名前だけは覚えていたのです。貴方がくれた名だから……それに、僕という存在を認めてくれたのはミカエル様だけでした、ルカに出会うまでは……」
ノエルの言葉に込み上げてくるものを感じ、ミカエルは思わず唇を噛んだ。
「ノエル……貴方は大天使になり得る存在だったのですよ?他の大天使と共に私の隣にいるべき存在なのです」
ミカエルの美しい顔は悲しみで歪んでいく。
「僕にとって大切な事はルカと共にいる事なのです。さよなら、ミカエル様」
それ以上ミカエルはノエルを引き止める事はできなかった。
「それが貴方の幸せだと言うのなら、仕方ありません」
その声はノエルに届いたのか、ノエルは小さく頷いた。
(私はノエルに甘いですね……)
下界にいくというノエルは、この先の天界にとって脅威的な存在になるかもしれない。
本来ならばルシファー の元で暮らすはずのノエルを無理矢理に連れ出したのはミカエル自身だ。ノエルの美貌は天界においてあまりにも危険な存在で、自分の近くに置き、監視する必要があった。ノエルの素顔を見れば天使たちが堕ちていくのが容易に想像できたからだ。そのため、ノエルに仮面を着けさせたが、天界でのノエルは周囲と違う容姿と仮面を着けていた事でいつも孤独で、それが不憫でならなかった。そんなノエルは、人間界でルカという生き甲斐を見つけた。
「よろしかったのですか?ミカエル様」
ミカエルの隣に二人の大天使が姿を現す。
「ガブリエル、ラファエル、私は少なくともノエルをかわいがっていました。しかし、あの子は満たされる事はなかった……。あのルカという人間はノエルが満たされる何かを持っていたのでしょう」
兄であり、悪魔と堕天使を束ねる魔王ルシファー。そのルシファーと瓜二つの容姿をしているノエルだったが、中身は『お気に入りのオモチャを手放したくない』そう駄々をこねる幼子のようだ。
「あれはただの執着です」
ラファエルの言葉に、ミカエルは複雑な思いが湧く。
兄に似たノエルを勝手に兄と重ね、自分のエゴで側に置いていた自分こそノエルに執着していたのではないか──ふとそんな思いが過ぎる。
「しかしあの人間……どことなくミカエル様に似ている気がします」
ガブリエルの言葉にミカエルはずっと耐えていたものがあふれ出し、涙を流すのだった。
脳内でミカエルの声が聞こえた。
『いいのですか?ノエルは天界に戻る事はできます。しかし、彼は天界に行く事はできませんよ?』
「僕は天界には戻らない」
『な、何を言うのです!』
「ルカと共に、下界に行きます」
『ルシファーの所に行くと言うのですか?』
「はい……」
次の瞬間、ノエルの背中から美しい銀色の羽が生えた。羽はルシファーと同じ十二枚である事にミカエルは驚き、思わず姿を現す。
「その羽は……!封印したはず……!」
現れたミカエルの姿には目もくれず、ルカをそっと抱き上げ十二枚の羽を羽ばたかせると、マンションの窓を破り外に出た。
「待ちなさい!ノエル!」
「ミカエル様、こんな僕を気にかけてくれた事、感謝しています。記憶を失くしていた時、ノエルという名前だけは、ミカエル様からもらったこの名前だけは覚えていたのです。貴方がくれた名だから……それに、僕という存在を認めてくれたのはミカエル様だけでした、ルカに出会うまでは……」
ノエルの言葉に込み上げてくるものを感じ、ミカエルは思わず唇を噛んだ。
「ノエル……貴方は大天使になり得る存在だったのですよ?他の大天使と共に私の隣にいるべき存在なのです」
ミカエルの美しい顔は悲しみで歪んでいく。
「僕にとって大切な事はルカと共にいる事なのです。さよなら、ミカエル様」
それ以上ミカエルはノエルを引き止める事はできなかった。
「それが貴方の幸せだと言うのなら、仕方ありません」
その声はノエルに届いたのか、ノエルは小さく頷いた。
(私はノエルに甘いですね……)
下界にいくというノエルは、この先の天界にとって脅威的な存在になるかもしれない。
本来ならばルシファー の元で暮らすはずのノエルを無理矢理に連れ出したのはミカエル自身だ。ノエルの美貌は天界においてあまりにも危険な存在で、自分の近くに置き、監視する必要があった。ノエルの素顔を見れば天使たちが堕ちていくのが容易に想像できたからだ。そのため、ノエルに仮面を着けさせたが、天界でのノエルは周囲と違う容姿と仮面を着けていた事でいつも孤独で、それが不憫でならなかった。そんなノエルは、人間界でルカという生き甲斐を見つけた。
「よろしかったのですか?ミカエル様」
ミカエルの隣に二人の大天使が姿を現す。
「ガブリエル、ラファエル、私は少なくともノエルをかわいがっていました。しかし、あの子は満たされる事はなかった……。あのルカという人間はノエルが満たされる何かを持っていたのでしょう」
兄であり、悪魔と堕天使を束ねる魔王ルシファー。そのルシファーと瓜二つの容姿をしているノエルだったが、中身は『お気に入りのオモチャを手放したくない』そう駄々をこねる幼子のようだ。
「あれはただの執着です」
ラファエルの言葉に、ミカエルは複雑な思いが湧く。
兄に似たノエルを勝手に兄と重ね、自分のエゴで側に置いていた自分こそノエルに執着していたのではないか──ふとそんな思いが過ぎる。
「しかしあの人間……どことなくミカエル様に似ている気がします」
ガブリエルの言葉にミカエルはずっと耐えていたものがあふれ出し、涙を流すのだった。
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