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第2章 生態調査
第4話 背徳
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名目は、何とでもなる。べ種の生育に必要な金色に輝く植物を採集し、そのいくらかを秘匿しているミューズ種に分け与えればいいのだから。
科学万能の時代に大きな落とし穴は、意外に至るところに存在する。
「マッツィオ3等官、特に変わったことは無いか?」
「ええ、マッコール2等官。これから成体変化1日目の食餌と...」
ボブは、横向き気味に視線を逸らし、少し頬を赤らめながら呟いた。
「何を照れているんだ、するんだろう?アレを?」
「えっ、何を?本官は、職務命令に忠実に任務を全うするだけです!」
「少し、席を外して頂けますか、マッコール2等官殿っ」
ボブの語尾には、若干の恥じらいと、デリカシーの無さを憎む気持ちが多分に含まれていた。
「それは、大変失礼した」
そう、言い残すと、クリスは足早にその場を離れた。
「ああっ!こんな...」
ラボ全体に鳴り響いたボブの絶叫にマザーは、おろか、全調査官の動きが止まった。
幼生から成体へ変化を遂げたジョカルにひと抱えもある黄草の束を放り込んだ後、徐にゲージの穴に萎えた男性器を挿入した。
半信半疑な彼は、何気なく見回したジョカルと目が合った。その瞬間、幼女然とした体躯の彼女が、それを頬張った。
人間で云えば、口腔や生殖器に当たる部分が、ジョカルに当たる捕食器官であり、産卵器官なのである。
「どうした、大丈夫かっ?」
クリスは、ボブの身体を引き寄せ、ゲージ内のジョカルと引き離した。
「何をするっ?」
ボブは、怒気をはらんだ口調と眼差しで、クリスを睨んだ。
滑稽ながらも、彼のモノの先には、乳白色の液体がしたたっていた。
「何をするって、それが、上官に対する態度か?」
「しっ、失礼いたしました。あっ、どうして?」
「こんな...」
ジョカルは、人間に当たる口と膣に男性器を受け入れると、尿道を伝い前立腺の辺りまで触手を伸ばし、何度も前後し刺激する。
オスにとっては、至高の瞬間である射精オーガズムが、何秒も何十秒も続くのだ。
それは、異性との生殖行為や自身による自慰行為では、到底得られない快感であった。
科学万能の世の中には、新種の理論や機械器具、薬剤による快楽追求の様々なモノが氾濫している。
しかし、それは、どれもが多少の違和感があり、ハリボテ感がある代物であった。
人間は、やはり生き物、動物なのである。
ジョカルとの行為は、回を重ねるごとに良くなって行く。
触手の往復の際、尿道を傷付けない様に微量の粘液を分泌するのだ。この中に麻薬成分に似た物質が含まれ、宿主は次第にその虜になって行くのだ。
無論このことは、最重要機密であり、ボブは知らなかった。
「何と云うか...。こんなことで、本当にいいのであろうか?」
青雲の志を抱いて、この職を終(つい)の生業(なりわい)と決心した自分ではあったが、本来の調査&研究を忘れ、大義名分を掲げて己の欲望を優先しているのではないか?
彼は、自問自答。葛藤の真っ只中にいるのである。
科学万能の時代に大きな落とし穴は、意外に至るところに存在する。
「マッツィオ3等官、特に変わったことは無いか?」
「ええ、マッコール2等官。これから成体変化1日目の食餌と...」
ボブは、横向き気味に視線を逸らし、少し頬を赤らめながら呟いた。
「何を照れているんだ、するんだろう?アレを?」
「えっ、何を?本官は、職務命令に忠実に任務を全うするだけです!」
「少し、席を外して頂けますか、マッコール2等官殿っ」
ボブの語尾には、若干の恥じらいと、デリカシーの無さを憎む気持ちが多分に含まれていた。
「それは、大変失礼した」
そう、言い残すと、クリスは足早にその場を離れた。
「ああっ!こんな...」
ラボ全体に鳴り響いたボブの絶叫にマザーは、おろか、全調査官の動きが止まった。
幼生から成体へ変化を遂げたジョカルにひと抱えもある黄草の束を放り込んだ後、徐にゲージの穴に萎えた男性器を挿入した。
半信半疑な彼は、何気なく見回したジョカルと目が合った。その瞬間、幼女然とした体躯の彼女が、それを頬張った。
人間で云えば、口腔や生殖器に当たる部分が、ジョカルに当たる捕食器官であり、産卵器官なのである。
「どうした、大丈夫かっ?」
クリスは、ボブの身体を引き寄せ、ゲージ内のジョカルと引き離した。
「何をするっ?」
ボブは、怒気をはらんだ口調と眼差しで、クリスを睨んだ。
滑稽ながらも、彼のモノの先には、乳白色の液体がしたたっていた。
「何をするって、それが、上官に対する態度か?」
「しっ、失礼いたしました。あっ、どうして?」
「こんな...」
ジョカルは、人間に当たる口と膣に男性器を受け入れると、尿道を伝い前立腺の辺りまで触手を伸ばし、何度も前後し刺激する。
オスにとっては、至高の瞬間である射精オーガズムが、何秒も何十秒も続くのだ。
それは、異性との生殖行為や自身による自慰行為では、到底得られない快感であった。
科学万能の世の中には、新種の理論や機械器具、薬剤による快楽追求の様々なモノが氾濫している。
しかし、それは、どれもが多少の違和感があり、ハリボテ感がある代物であった。
人間は、やはり生き物、動物なのである。
ジョカルとの行為は、回を重ねるごとに良くなって行く。
触手の往復の際、尿道を傷付けない様に微量の粘液を分泌するのだ。この中に麻薬成分に似た物質が含まれ、宿主は次第にその虜になって行くのだ。
無論このことは、最重要機密であり、ボブは知らなかった。
「何と云うか...。こんなことで、本当にいいのであろうか?」
青雲の志を抱いて、この職を終(つい)の生業(なりわい)と決心した自分ではあったが、本来の調査&研究を忘れ、大義名分を掲げて己の欲望を優先しているのではないか?
彼は、自問自答。葛藤の真っ只中にいるのである。
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