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第二章 探索者フェンリル
2-16 お使いチート
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俺は、しばらくあのミルという女の子(見かけだけ)に付き合おうと思った。何か訳ありのようだし、妙に気が合う感じなのだ。
しかし、ルナ達にも唐揚げを分けてやろうと思って念話でアレンを呼んだ。
やがてに時間ほどしてアレンが宿にやってきた。こいつなら空をすっ飛んで上の階層まであっという間に来れるからな。
あいつの能力も長距離を移動するのに使うものではないのでセメダルに乗ってきたらしいが。
あいつはこのダンジョンくらいの近所なら、あっという間に走り切る。俺が自分で行ってもよかったのだが、単に面倒だっただけである。
「よお、旦那。この俺を荷物持ちにしたいとはいい度胸だ」
「おお、来たか、アレン」
まだ唐揚げをほおばっているミルが訊いた。
「誰、そいつ」
「ああ、俺の眷属でアレン。有名なマルーク兄弟の長兄さ」
「げ、あの強面兄弟なのかあ。それがまたなんで、あんたの眷属なんかに?」
「くっ、そいつはちょっと訳ありでな」
まあ人には言いたくないほど間抜けな理由だからな。だが、俺は構わずアレンにも試食をさせた。
「おほっ。こいつはいけるじゃあないか。うちの連中じゃ俺が一番乗りだな」
「というわけで、これまで揚げた奴がこれと、元の魔物がこれだ。どんどん揚げていたんだが、みんながぱくぱく食うから間に合わん。他の冒険者連中も集まってきたから試食させていたしな」
無料宣伝って大事だよな。これで、冒険者の間にも口コミで名物として広まっていくだろう。
今をときめく第三王妃様の騎士団が唐揚げ騎士団などと名乗っているので、今王都の貴族の間でも、唐揚げがちょっと話題になってきているくらいなのだ。
そのうちに勘違いした貴族どもが、この五階層にまでやってきて『本場の唐揚げ』を食すのがブームになったりするかもしれない。
王宮でブームを作るのは王妃様と決まっている。普通はファッションリーダーとかをやるものなのだが、グルメリーダーを演じているのだ。
唐揚げはまさにその象徴となっている。今まで敵対していた貴族の奥方なども、向こうからすり寄る姿勢を見せており、その返礼としてアポックスで召喚した『日本の高級菓子』などが絶大な効果を発揮している。
またベルギーのチョコレートとかも好評だ。また変わったところでは、年配の貴族などには和菓子が意外と好評だった。
それらはすべて、俺が眷属共に与えた収納のスキルによって保管されている。そのうちにこっちでも作らせよう。和菓子は結構大変そうだけど。
こうやって知識チートを用いて多少でも経済を回した方が少々金貨をバラまくよりも遥かに効果的なのだ。他の兄弟にはそういう事はできないだろうし、そもそも興味自体がないらしい。
本来はあれが神の子の正しい姿なのであるが。人の魂を持つ俺は特別な存在なのだから。
という訳で、俺を強引に仲間にしなくても、晴れて眷属として自らが収納持ちとなったアレン達が活躍する場面なのである。
今日はいない二人も王妃様の荷物持ちをしている。あの濃い二人を王妃様の傍に置いておくと違和感出過ぎなのであるが、あの王様は「わはははは」と豪快に笑い飛ばしていた。
もう、あいつらも元の格好に戻っているし。もう開き直っているらしい。貴族連中もそうとやかく言わない方針のようだ。
マルーク兄弟といえば、貴族連中の間でも名は知れているし、今までも人に言えない仕事を奴らに頼んだ貴族も少なくないのだ。
「じゃあ、これ持って帰るわ。唐揚げなんか、あっという間になくなりそうだけどな」
「最初にルナ姫に渡しておいてくれよ。あの二人に渡す前にな」
「はは、了解だ」
そして、あいつはさっと躊躇う事もなく五階の出入り口からスカイダイビングみたいに飛び降りていった。
この塔は上から下まで階段の登り口は同じ場所にある。出入口は狭いのでストレートには降りられないが、これができる奴は飛べなくて行きは普通に登ってきても、帰りが凄く楽できる。
俺の場合は空を飛べたりはしないが、パワーに任せて空中を蹴って上り下りが可能だ。物理なのか物理を無視しているのかよくわからないが、まあ便利ではある。
水面を蹴る事も可能なので、実に楽しい。お魚も狩れちゃうんだぜ。生憎と海が近郊にないので、湖オンリーなのだが。
魔物なのか魚なのかよくわからない大物もいるのだ。今度魚の唐揚げ用に仕留めてみるか。
夕食は日本の魚介料理(居酒屋からお取り寄せ)に舌鼓を売っているメンバー達。シンディだけは肉が欲しそうだったので唐揚げを出してやったら、みんなで取り合っていた。お前ら、結局肉は好きなんじゃねえかよ。
「なあ、明日はどうするんだ」
「そうだなあ、新しい唐揚げ用肉を狩るのもいいな。少し希少な奴なんだが」
という事は、絶対に自分達だけで平らげる気だな。今回はアレンを呼ぶまでもないだろう。また俺が狩りに来てもいいし、アレンを送りつけて狩らせるという手もある。
「まあそれでもいいけどな」
何しろ、今日の狩りだけで当分は食うのに事欠かないだけの稼ぎはあっただろう。
しかし、ルナ達にも唐揚げを分けてやろうと思って念話でアレンを呼んだ。
やがてに時間ほどしてアレンが宿にやってきた。こいつなら空をすっ飛んで上の階層まであっという間に来れるからな。
あいつの能力も長距離を移動するのに使うものではないのでセメダルに乗ってきたらしいが。
あいつはこのダンジョンくらいの近所なら、あっという間に走り切る。俺が自分で行ってもよかったのだが、単に面倒だっただけである。
「よお、旦那。この俺を荷物持ちにしたいとはいい度胸だ」
「おお、来たか、アレン」
まだ唐揚げをほおばっているミルが訊いた。
「誰、そいつ」
「ああ、俺の眷属でアレン。有名なマルーク兄弟の長兄さ」
「げ、あの強面兄弟なのかあ。それがまたなんで、あんたの眷属なんかに?」
「くっ、そいつはちょっと訳ありでな」
まあ人には言いたくないほど間抜けな理由だからな。だが、俺は構わずアレンにも試食をさせた。
「おほっ。こいつはいけるじゃあないか。うちの連中じゃ俺が一番乗りだな」
「というわけで、これまで揚げた奴がこれと、元の魔物がこれだ。どんどん揚げていたんだが、みんながぱくぱく食うから間に合わん。他の冒険者連中も集まってきたから試食させていたしな」
無料宣伝って大事だよな。これで、冒険者の間にも口コミで名物として広まっていくだろう。
今をときめく第三王妃様の騎士団が唐揚げ騎士団などと名乗っているので、今王都の貴族の間でも、唐揚げがちょっと話題になってきているくらいなのだ。
そのうちに勘違いした貴族どもが、この五階層にまでやってきて『本場の唐揚げ』を食すのがブームになったりするかもしれない。
王宮でブームを作るのは王妃様と決まっている。普通はファッションリーダーとかをやるものなのだが、グルメリーダーを演じているのだ。
唐揚げはまさにその象徴となっている。今まで敵対していた貴族の奥方なども、向こうからすり寄る姿勢を見せており、その返礼としてアポックスで召喚した『日本の高級菓子』などが絶大な効果を発揮している。
またベルギーのチョコレートとかも好評だ。また変わったところでは、年配の貴族などには和菓子が意外と好評だった。
それらはすべて、俺が眷属共に与えた収納のスキルによって保管されている。そのうちにこっちでも作らせよう。和菓子は結構大変そうだけど。
こうやって知識チートを用いて多少でも経済を回した方が少々金貨をバラまくよりも遥かに効果的なのだ。他の兄弟にはそういう事はできないだろうし、そもそも興味自体がないらしい。
本来はあれが神の子の正しい姿なのであるが。人の魂を持つ俺は特別な存在なのだから。
という訳で、俺を強引に仲間にしなくても、晴れて眷属として自らが収納持ちとなったアレン達が活躍する場面なのである。
今日はいない二人も王妃様の荷物持ちをしている。あの濃い二人を王妃様の傍に置いておくと違和感出過ぎなのであるが、あの王様は「わはははは」と豪快に笑い飛ばしていた。
もう、あいつらも元の格好に戻っているし。もう開き直っているらしい。貴族連中もそうとやかく言わない方針のようだ。
マルーク兄弟といえば、貴族連中の間でも名は知れているし、今までも人に言えない仕事を奴らに頼んだ貴族も少なくないのだ。
「じゃあ、これ持って帰るわ。唐揚げなんか、あっという間になくなりそうだけどな」
「最初にルナ姫に渡しておいてくれよ。あの二人に渡す前にな」
「はは、了解だ」
そして、あいつはさっと躊躇う事もなく五階の出入り口からスカイダイビングみたいに飛び降りていった。
この塔は上から下まで階段の登り口は同じ場所にある。出入口は狭いのでストレートには降りられないが、これができる奴は飛べなくて行きは普通に登ってきても、帰りが凄く楽できる。
俺の場合は空を飛べたりはしないが、パワーに任せて空中を蹴って上り下りが可能だ。物理なのか物理を無視しているのかよくわからないが、まあ便利ではある。
水面を蹴る事も可能なので、実に楽しい。お魚も狩れちゃうんだぜ。生憎と海が近郊にないので、湖オンリーなのだが。
魔物なのか魚なのかよくわからない大物もいるのだ。今度魚の唐揚げ用に仕留めてみるか。
夕食は日本の魚介料理(居酒屋からお取り寄せ)に舌鼓を売っているメンバー達。シンディだけは肉が欲しそうだったので唐揚げを出してやったら、みんなで取り合っていた。お前ら、結局肉は好きなんじゃねえかよ。
「なあ、明日はどうするんだ」
「そうだなあ、新しい唐揚げ用肉を狩るのもいいな。少し希少な奴なんだが」
という事は、絶対に自分達だけで平らげる気だな。今回はアレンを呼ぶまでもないだろう。また俺が狩りに来てもいいし、アレンを送りつけて狩らせるという手もある。
「まあそれでもいいけどな」
何しろ、今日の狩りだけで当分は食うのに事欠かないだけの稼ぎはあっただろう。
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