外れスキル【レバレッジたったの1.0】を進化させ、俺はエルフ聖女と無双する ―冒険者パーティ追放勇者、バージョンアップの成り上がり―

緋色優希

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第一章 外れスキル【レバレッジたったの1.0】

1-39 危険な噂

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「なるほど、いろいろと勉強になります。
 ところで一口に警備と言いますが、道中って何か出るのです?」

「まあよくあるのが盗賊の類だな。
 こればっかりは貧富の差がある限り永遠になくならん。

 こっそりと馬車に忍び寄るコソ泥も多い。
 そういう輩は街の方が要注意だ。
 また宿には宿の警備の者がいるがね」

 商隊向けの警備か、今まで泊った宿はみんな、商隊が来ない完全に冒険者向きの宿だから、気にした事もなかったな。

 見識を広めると言うのはいい事だ。
 仕事、あるいは人生の幅が広がるから。

 勉強させてもらいながら交通費無料だなんて、ありがたくて俺のようなルーキーには涙が出る。

「他には?」

「稀にダンジョンから逃げ出して繁殖したような魔物が出るが、こいつらは基本的に強くない。
 ダンジョンの外に出ると魔素のようなものが薄くて弱体化する事が多い。

 むしろ、何故ダンジョンからあのような魔物が湧くのか不思議なくらいさ」

 なるほど。
 ダンジョン以外にも魔物が湧くのか。

 そういや、農村などでもゴブリンなどが湧くという話を聞いた事があるような気がする。

 もっとも聞いた事があるだけで見た事はないのだが。

 俺が生まれて初めて目にした魔物はラビワン二回層のスライム、そしてその次がコボルトで、そしてお次があのオーク様だ。

 そこからが俺の難行苦行の冒険者稼業の始まりであったのだ。
 いきなりオーク三体と出くわして、そのまま一人で討伐させられたのだ。

 まだダンジョンに潜り出して初日だった。
 あの時もまだ棍棒だったなあ。

「へえ、そういやうちの農村にも魔物なんて出た事がないなあ」

「ああ、例外的に魔素が濃い土地では強大な魔物が育つ事もあるが、そいつらはその土地を離れたがらないよ。
 そういう物は食事を摂らずとも魔素だけで生きていける」

「ああ、ドラゴンとかの?」

「そうだ。
 そして、もしそいつらが人の街にやってくるとしたら、ドラゴンの卵を盗んだ馬鹿とかがいると言う事だ。

 お前も絶対にやるなよ。
 想定される被害を考えればわかると思うが、あれは見つかれば間違いなく死罪だ。
 やらせたのが貴族だとて、それは同様に免れられない」

「ひえー」
 なんという悲劇か。

 お芝居のネタになっちまいそうな話だな。
 まあドラゴンの卵なら高く売れそうだけど、卵のお母さんは怖そうだ。

 うちがあれこれと準備を済ませて、お茶を飲んでいると他の商隊がやってきた。

 中には知り合いもいるらしく、キャラバンの人達と新たな訪問者が互いに手を上げて挨拶している。

「ここは、こうやって都市間で仕事をする商人同士の社交場になる事もあるのよ」

 そう言って、うちのキャラバンの商人の一人であるキャナルさんが、自慢の砂糖漬け果実入りの焼き菓子を持ってきてくれながら話してくれた。

「あ、ごちそうさまです」

「はは、若いもんはいっぱい食べな。
 一口に商人といっても、みんな守備範囲は同じじゃないからね。
 あちこちの話題や情勢、流行の商品や相場、天候や政治の話なんかもね」

「なるほど、いずこも同業者間での情報交換は大切ですね。
 冒険者の場合だと命に関わるケースも少なくないですから」

「はは、そうだね。
 特に先物に手を出している人にとっては貴重な情報も多い。
 まあ噂の域を出ない話もあるが、得てして当てになる事が多いもんだ」

「なるほど。何か北方で冒険者向きの話題ありませんでしたか。
 みんな魔法金属とかそっち系の武具とかが目当てなんで」

 彼女は自慢のお茶を啜りながら話に乗ってくれた。
 俺達も御馳走になったが、お茶もお菓子も美味しい。

「ああ、北方へ行く冒険者さんは、そういうものが目当てなんだったね。

 おかげでこっちも、そういう物を欲しがるような腕のいい冒険者さんを格安で雇えて助かるってもんだが」

 そう、冒険者も自分達も馬車の費用がかかるため、それを浮かせるためにキャラバンに便乗して通常の半額以下で仕事を請け負うのだ。

 特に自分達の魔法使いがメンバーにいるような上級冒険者パーティは報酬も高額だから。

 その代わりに見張りなどは人数が多いキャラバンの方で請け負ってくれる。

 ちょっと騒げば一流の冒険者など、すぐ起きてくれるのだ。

 それこそ先輩方から拳で叩き込まれた基本的な冒険者の習性なので、俺のような新人でさえも容易く対応できる。

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