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第二章 バルバディア聖教国モンサラント・ダンジョン
2-24 博打コンビ
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そして、俺達は一旦地上へと帰還した。
明日も宝箱の探索をしたいけど、扉の探索もあるしなあ。
ダンジョンの入り口付近にある、テーブルや椅子のみが置かれた屋根付きのレストハウスで、今後の予定について打ち合わせをした。
「なあ、みんな午後からどうするの。
俺って実はまだ扉の魔物以外に、ここのダンジョンで魔物と出会っていないんだけど」
「あははは、あんた本当に変わっているわねえ。
そんな奴は他にまずいないわよ」
「まあ、少し魔物とのエンカウント率が悪いのは感じるわね」
「みんな、扉の中に引き籠っているんじゃないの」
「十分あり得るね。
それなら扉の中から冒険者が生きて帰ってこないのも頷ける」
「その可能性も有りだけど、扉の中に俺が出会ったヤバイ蜘蛛がいた場合は、普通の冒険者はまず生きて出てこられないぜ。
今まで中の魔物が留守だったとかで宝物だけ拾ってきた奴はいるって話は聞いたけど、それはかなりラッキーだったんじゃないのか」
「やっぱり扉は鬼門ねえ」
「油断していると、こっちのゾーンにも扉が湧くかもよ。
混沌の扉もどこでも湧くみたいだし。
あれは突然に中から、素早く魔物が捕まえに来るから避けるのが難しい。
あの修行僧みたいな感じでサービス精神旺盛なドラゴナイト以外の魔物がいたら、ヤバイよ。
中には危険な奴が混じっているかもしれない」
「ここのダンジョン自体が、今は大きく危険に晒されている訳だな」
「そうね、このダンジョンはもう切り上げましょうか。
もう結構探索できたし、お金も充分に稼げたわ。
みんな錬金ボックスはドワーフ国にまで売りにいかない?
あそこならたくさん需要があるから、きっと高く売れるわ。
あのなかなか行けない国を見物しながらという事で」
「いいな、それ。
リナはどうする?」
仲間からそう訊ねられ、彼女も思案するように自分の髪を弄っていたが、こう言い出した。
「あたし、もうちょっと残ろうかな。
あたしは錬金ボックスを持っていないし。
リクル、昼から二人で一緒に組まない」
「いいよー、今日は暇だから。
もう少しリナの博打に付き合うのも悪くない」
いっそ普段は使えないサイコロ三昧というのも面白いかもしれない。
そして一の目が出たら速攻で逃げるぜ。
リナって強気で六をずっと出しまくって、運を使い切ってから一を連発するタイプじゃあないのかなと思っている。
彼女と一緒に攻めるのなら、行ける間は強気で攻めるのが正解かな。
うちはシリウス達とリナのオートマタがいるから、正確には二人きりじゃない。
そうそう死んでしまうほど悪い事にはならんだろう。
「じゃあ、あたし達はもう切り上げて、旅の支度に入るわ。
ドワーフ国ハンマースパークから帰国したら新人教育ね。
あんたもいい加減に国へ帰ってきなさいよ」
「はーい」
そして彼らは行ってしまい、俺とリナだけがその場に残された。
「あ、俺は弁当を買ってきたかったな。
いつものダンジョン飯しかねえや」
「弁当なら余分があるから分けてあげるわよ」
「ありがとう。
しかし、この収納は便利だよな。
荷物は槍以外みんな仕舞っちゃったよ」
「まあね、落としたら悲惨だけど。
でもいいな、無限収納」
「じゃあさ、昼からリナのお姉さん用の無限収納アイテム探しをしないか。
無限収納アイテムじゃなくても収納アイテムが出たら、お姉さん達にあげればいい。
錬金ボックスもそれなりに嵩張るしね」
ああ、でも彼女達は自分達で持つのは無理とか言っていたような気がする。
まあ需要はたくさんありそうだから売ってもいいしな。
他のメンバーに渡しておくと有益かもしれないしな。
「そうねー、ちゃんと収納アイテムが出るといいな」
「そいつはリナの強運と、俺のサイコロの出目次第だな。
問題ないように普通のタイプの方がいいかもな」
「でも、あたし的には無限収納がいいなあ」
そして、ダンジョンの入る前にテーブルで、お弁当で昼食を済ませた。
なんだか同じ年頃の女の子と二人だけでこうしていると、デートのお弁当ランチみたいだ。
単にダンジョン行きの前の腹ごしらえなんだけど。
「いや美味かったなー、弁当。
なんだか手作りっぽい感じだったし」
「そいつは、お姉ちゃんが作ってくれた奴だよ」
「うーん、すでに売約済みなのが実に惜しまれる人材だな」
彼女、貴重な魔法使いだしね。
彼氏のマイケルさんの方もドラゴナイトの修行に呼ばれるくらいだから、なかなか見所のある強者なのだろう。
「お姉ちゃんが相手だと、リクルから見て結構年上になっちゃうわよ。
そういや、あんたって幾つ?」
「十六」
「へえ、中級だよね。
若いのにたいしたもんだ」
「君は? せいぜい一つ上くらいだよな。
君も中級だろう」
「同じ歳だよ。
結構バランスがいいパーティで頑張ると、こんなもんよ」
明日も宝箱の探索をしたいけど、扉の探索もあるしなあ。
ダンジョンの入り口付近にある、テーブルや椅子のみが置かれた屋根付きのレストハウスで、今後の予定について打ち合わせをした。
「なあ、みんな午後からどうするの。
俺って実はまだ扉の魔物以外に、ここのダンジョンで魔物と出会っていないんだけど」
「あははは、あんた本当に変わっているわねえ。
そんな奴は他にまずいないわよ」
「まあ、少し魔物とのエンカウント率が悪いのは感じるわね」
「みんな、扉の中に引き籠っているんじゃないの」
「十分あり得るね。
それなら扉の中から冒険者が生きて帰ってこないのも頷ける」
「その可能性も有りだけど、扉の中に俺が出会ったヤバイ蜘蛛がいた場合は、普通の冒険者はまず生きて出てこられないぜ。
今まで中の魔物が留守だったとかで宝物だけ拾ってきた奴はいるって話は聞いたけど、それはかなりラッキーだったんじゃないのか」
「やっぱり扉は鬼門ねえ」
「油断していると、こっちのゾーンにも扉が湧くかもよ。
混沌の扉もどこでも湧くみたいだし。
あれは突然に中から、素早く魔物が捕まえに来るから避けるのが難しい。
あの修行僧みたいな感じでサービス精神旺盛なドラゴナイト以外の魔物がいたら、ヤバイよ。
中には危険な奴が混じっているかもしれない」
「ここのダンジョン自体が、今は大きく危険に晒されている訳だな」
「そうね、このダンジョンはもう切り上げましょうか。
もう結構探索できたし、お金も充分に稼げたわ。
みんな錬金ボックスはドワーフ国にまで売りにいかない?
あそこならたくさん需要があるから、きっと高く売れるわ。
あのなかなか行けない国を見物しながらという事で」
「いいな、それ。
リナはどうする?」
仲間からそう訊ねられ、彼女も思案するように自分の髪を弄っていたが、こう言い出した。
「あたし、もうちょっと残ろうかな。
あたしは錬金ボックスを持っていないし。
リクル、昼から二人で一緒に組まない」
「いいよー、今日は暇だから。
もう少しリナの博打に付き合うのも悪くない」
いっそ普段は使えないサイコロ三昧というのも面白いかもしれない。
そして一の目が出たら速攻で逃げるぜ。
リナって強気で六をずっと出しまくって、運を使い切ってから一を連発するタイプじゃあないのかなと思っている。
彼女と一緒に攻めるのなら、行ける間は強気で攻めるのが正解かな。
うちはシリウス達とリナのオートマタがいるから、正確には二人きりじゃない。
そうそう死んでしまうほど悪い事にはならんだろう。
「じゃあ、あたし達はもう切り上げて、旅の支度に入るわ。
ドワーフ国ハンマースパークから帰国したら新人教育ね。
あんたもいい加減に国へ帰ってきなさいよ」
「はーい」
そして彼らは行ってしまい、俺とリナだけがその場に残された。
「あ、俺は弁当を買ってきたかったな。
いつものダンジョン飯しかねえや」
「弁当なら余分があるから分けてあげるわよ」
「ありがとう。
しかし、この収納は便利だよな。
荷物は槍以外みんな仕舞っちゃったよ」
「まあね、落としたら悲惨だけど。
でもいいな、無限収納」
「じゃあさ、昼からリナのお姉さん用の無限収納アイテム探しをしないか。
無限収納アイテムじゃなくても収納アイテムが出たら、お姉さん達にあげればいい。
錬金ボックスもそれなりに嵩張るしね」
ああ、でも彼女達は自分達で持つのは無理とか言っていたような気がする。
まあ需要はたくさんありそうだから売ってもいいしな。
他のメンバーに渡しておくと有益かもしれないしな。
「そうねー、ちゃんと収納アイテムが出るといいな」
「そいつはリナの強運と、俺のサイコロの出目次第だな。
問題ないように普通のタイプの方がいいかもな」
「でも、あたし的には無限収納がいいなあ」
そして、ダンジョンの入る前にテーブルで、お弁当で昼食を済ませた。
なんだか同じ年頃の女の子と二人だけでこうしていると、デートのお弁当ランチみたいだ。
単にダンジョン行きの前の腹ごしらえなんだけど。
「いや美味かったなー、弁当。
なんだか手作りっぽい感じだったし」
「そいつは、お姉ちゃんが作ってくれた奴だよ」
「うーん、すでに売約済みなのが実に惜しまれる人材だな」
彼女、貴重な魔法使いだしね。
彼氏のマイケルさんの方もドラゴナイトの修行に呼ばれるくらいだから、なかなか見所のある強者なのだろう。
「お姉ちゃんが相手だと、リクルから見て結構年上になっちゃうわよ。
そういや、あんたって幾つ?」
「十六」
「へえ、中級だよね。
若いのにたいしたもんだ」
「君は? せいぜい一つ上くらいだよな。
君も中級だろう」
「同じ歳だよ。
結構バランスがいいパーティで頑張ると、こんなもんよ」
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